インディーゲームインタビュー
様々なインディーゲームクリエイターに開発したゲームについてインタビューする本企画。今回はフロキシラボさんにインタビューを行いました。フロシキラボさんの開発している『Prayerplay Order of Knowledge』は、霧が立ち込める不気味な島の中を探索し、ヒントを元に「知識の騎士団」の謎を解いて架空言語の意味を解き明かすポイントクリックゲーム。架空の世界を緻密に築き上げていゲーム開発がどのように進められているのかを見ていきましょう。今回のインタビューは、開発メンバーそれぞれのコメントをいただくことができました。チームメンバーのコメントを見比べることで発見できることもあることでしょう。それでは、さっそく見ていきましょう!
田平孝太郎(ディレクター・シナリオ)さん
●『Prayerplay Order of Knowledge』開発のきっかけについて教えてください
お仕事に誘って下さった方が「最近コテコテのオカルトチックなゲームが少ない」「ゲームにクリアというゴールは必須なのか」と仕事中雑談で言われた言葉に着想を受けました。
特に「ゲームにクリアは必要か」という問いに衝撃を受け「クリア出来ないかもしれないがとてつもなく挑戦的な試みをするゲームがあってもいい」という思いを胸に制作を決意しました。
●開発チームは何人くらいでしたか
ゲーム開発に携わっているのは、インタビューに答えている5人です。
主人公英語音声担当のアンディ・カヴァナさん・グッズ制作のまさるさんを含めると7人です。
●開発で苦労されたところは?
このゲーム内に登場する架空の騎士団の1500年分の歴史を1人で制作した事です。
神秘学・宗教学・社会学・数秘術や北欧・ケルト神話や言語などを学びシナリオに盛り込みつつ、実際の歴史との整合性を取るのにかなり苦労しました。現在も学び続けています。
●本作のおすすめのポイントを教えてください
全部です。
●開発チームお気に入りのポイントを教えて下さい
「会話内容など表示文字を全て架空言語で記述するゲーム」というとても実験的なゲームを制作するにあたりプログラマー、イラストレーター、言語学など色々なメンバーが集まってくれました。
各々の得意分野をふんだんに生かしたゲームを作れる事をとても嬉しく思っており、この開発チームを組めた事がお気に入りのポイントです。
●チームの紹介をお願いします。
フロシキラボという名義は田平孝太郎がディレクターとして企画立案したゲームを制作、色々な企画をやる活動チームです。
中心メンバー(現在プログラマーと田平の2名)以外のメンバーは流動性で、企画・ゲームプロジェクトごとに入れ替わります。
プロジェクトが始まったら入り終わったら抜けるというシステムですが、2021年5月現在はプロジェクトが終わっても希望者は残るという形を取っており、イラストレーター・行政書士志望者・アクリル専門デザイナーなど様々な職業の方が居ます。
メンバーでいる間は提携しているカイロプラクティック専門ドクターの施術など各自健康を維持する手当が受けられ、売上の%契約書の締結ができます。
今後メンバーの健康を守りながら継続的に制作が出来るよう、受けられる手当は増やして行きたいと考えています。
協賛に興味がある企業の方は是非ご連絡下さい。
●自己紹介をお願いします
フリーランスのディレクターで、主にゲーム・イラストが関わる案件のお仕事をしています。お仕事の時は進行管理とプロジェクトマネージャーを兼ねることも多いです。
フロシキラボでは、企画立案・ディレクション・プロジェクトマネージャーとクリエイターの制作環境づくりを行っています。
また学生時代からイラストを描いており、ライターやシナリオライターを仕事としていた時期があるので、ゲーム制作のキャラクターデザインと一部イラスト・シナリオ・時代考証も担当しています。
●次回のリリース予定などについて教えてください
7月~8月に新しいゲーム『1f y0u’re a gh0st ca11 me here!』がリリースされます!ノベルアクションゲームとも言える新しいジャンルのゲームです。
●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします
ゲームを作りたいからゲームをプレイするという所から一歩離れてみて、色々なことに興味を持ち、たくさんのものに触れる事をお勧めします。
世界は膨大な知識と体験に満ちているので、是非色々な事を実際に体験してみて下さい。
それらは全て貴方だけの感覚という宝物になります。
焦らず時間をかけて、自分の大切な物や好きなものをたくさん見つけて下さい。
●ありがとうございました。
ため息空さん(プログラマー)
●開発チームに入ったきっかけを教えてください
チーム所属前に孝太郎さんが進めているプロジェクトについてお話を聞いたことがあり、そこでプロジェクトの大半を孝太郎さんが動かしていることを知りました。
その内にプログラマーが担当すれば大幅に短縮が可能な仕事が含まれていたため、それをきっかけにお手伝いできないかと声をかけたのが始まりでした。
●プログラムで特にこだわったがあればポイントを教えてください
最終的にプログラマーが仲介を最小限に、デザイナーやプランナーがデザインやストーリー、ゲーム内容を更新していけるように実装していく事や、
1度やった事を2度やらないように、後から使うときに楽になるようにを心がけて実装することにこだわりました
●ここは頑張った、工夫したなどお気に入りのポイントを教えて下さい
アドベンチャー風にテキスト表示をする部分です。
作品作りは今回のプロジェクトの1回で終わりではないため、チームでの活動が後に続くようにティラノスクリプトを参考にオリジナルのストーリー用スクリプト形式を作り、それに拡張性を持たせることに力を尽くしました。
●実装に関して苦労した事があれば教えてください
長期稼働可能な実装になるように、仕様の変更に強い実装になるように作っていく事です。
今回のゲーム制作では設定を更新しつつの実装作業になっていたため、作りながら壊したり、ブラッシュアップしたりの更新が多いプロジェクトになるかもしれないと予想を立てていたので、仮にそうなっても制作を滞りなく続けていけるような体制を築いていくのに苦労しました
●自己紹介をお願いします。
会社勤めのゲームエンジニアです。
面倒なことを2度やらないを信条に、楽にするための努力を繰り返して結果的に苦労してます。
フロシキラボではクライアントプログラムとプロジェクト進行を円滑にする環境の構築をメインに動いています。
また、趣味でドット絵を描いたり個人でも小規模のゲームを作って楽しんでいます。
●自身の活動について教えてください
会社勤めをしつつその合間に別の場所へプログラムの提供をしたり、個人のゲーム制作をしています。
現在はチームでの活動はフロシキラボのみですが、将来的にはフリーでプログラマーの手が足りていないクリエイターへプログラムを提供する活動をしていきたいと思っています。
●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします
クリエイターとして、イラストからプログラム、音楽まで全てを自分ができる必要はありません。
個人の場合ではなく、チームや仕事で活動する際は自分の得意なことをどれだけ提供できるかの方がより大事になります。
現代には多くの選択肢があります。
私は、得意な方法で活躍していければ何よりだと思います。
●ありがとうございました。
パンチさん(ロゴデザイン・イラストレーター ゲームオリジナル天使オウェイルデザイン)
●開発チームに入るきっかけを教えてください
田平さんに誘って頂きました〜
●ロゴ・天使オウェイルのデザインを担当されたとの事ですが、お気に入りのポイントを教えて下さい
全部気に入っているのですが、オウェイルの特性がロゴに宿っているところが好きです。
●上記に関して苦労したポイントがあれば教えてください
すでに完成していた本編「PrayarPlay」のロゴとの差別化です。別であり兄弟でなくてはなりませんから。でも田平さんが相談に乗ってくれたので、このような形に着地することができました。
●自己紹介をお願いします
広告制作会社で働きながら好きなことしてます。
●自身の活動について教えてください
イラスト、デザインを中心に活動しています。
●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします
何か一つ武器を見つけられると、人生めちゃ楽しいです。武器になっているかわかりませんが磨き続けたいです。
●ありがとうございました。
Kaka_poさん(言語制作担当)
●開発チームに入るきっかけを教えてください
言語学をやっていたという話をしていたところ、ゲームのために架空言語を作ろうとしているので手伝わないかという誘いを受けました。
●ゲーム専用のオリジナル架空言語を作りたい!と言われた時、この試みについてどう思ったか教えてください
非常に面白そうだと感じました。言語と文化のかかわりを一から設定していくというのは得難い経験ですのでぜひ携わりたいと思いました。
●これから言語を制作するにあたり、こだわりたいポイントなどあれば教えてください
ポイントというほど明確な言及ができないのですが、大きな方針として田平さんの頭にある作品世界の文化とうまくなじみ、作品世界により深みが出せるものにしたいと考えています。
●自身の紹介をお願いします
会社員です。ゲーム制作にかかわるのはほぼ初めてです。
●自身の活動について教えてください
普段は特に創作活動はしていません。今は法律の勉強をしており、将来的にはその知識を使って創作する人のサポートができればと思っています。
●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします
できることとやりたいことが一致しないという学生さんも多いと思います。僕もそうだったのですが、できることを軸にやりたいことに少しでも近づくようにサブスキルを選択するといいと思います。
●ありがとうございました。
Bitplaneさん(音楽担当)
●開発チームに一言
この企画に呼んでいただけてありがとうございます!
●皆さんありがとうございました。
今回のインタビューでは、『Prayerplay Order of Knowledge』の開発に参加したメンバーのいろいろな面を見ることができました。特に、ゲーム開発以外の知識を研鑽してこのゲームが作られていることが感じられたのではないでしょうか。開発メンバーが自分の得意なモノを出し合って作っている『Prayerplay Order of Knowledge』のリリースを期待して待ちたいと思います。
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