インディーゲームインタビューとは?
様々なインディーゲームクリエイターに開発したゲームについてインタビューする本企画。今回は、だらねこげーむずさんのゲームブック風マルチエンディングRPG『いのちのつかいかた』をお届けします。Steamページにはパブリッシャー(募集中)と書かれていますので興味のあるパブリッシャーさんはぜひご連絡を!
■開発について
●開発のきっかけを教えてください。
大元をたどると…コンシューマー業界への転職に失敗して拗ねたからです。
少し私の事を話しておくと、
・20代の後半にゲーム業界に潜り込んだ
・入ったのはスマホゲームを作っているベンチャー企業(アルバイト)
・ただし1年半でアルバイトから管理職に上がる(時給1000円→月給40万)くらいの功績はあげている
・得意なのはゲームデザイン
・ゲーム制作の経験年数は長くない
・スマホゲームよりもコンシューマーゲームの方が好き
という人間なんですが、いざコンシューマー業界に転職しようと思ったら全然上手くいかなくてですね。
スマホゲーム業界の経験も「コンシューマーはまた違うから…」といった反応も多く、いくら私が「ゲームデザインできるよ!」と言っても根拠に乏しかったんです。
そこそこお祈りされて、「あぁ、自分はこの業界に必要とされていないんだな……」と感じた結果、
—-
じゃあいーよ!いーよいーよ!1人で勝手に作るよ!!
私1人でインディーゲーム作って、それが最高に面白かったら、もう私の力を認めざるを得ないだろ!
会社で作っている人達が羨むような、自由で面白いのを作ってやる!!
い、今に見てろよ!ばーかばーか!!!
—-
みたいな感じで拗ねました。
そこから、できるだけ「自分がやりたかったこと、試したかったこと」を詰めて形になったのが、今作っている『いのちのつかいかた』です。
●開発チームは何人くらいでしたか
コアメンバーは私だけです。1人。
1人なので、プロデューサー兼ディレクター兼ゲームデザイナー兼プログラマー兼シナリオライター兼その他諸々…って感じですね。
ただしイラストとサウンド等の素材は私じゃクオリティ高いのを作れないので、そこは外注したり素材集使ったりしています。
●開発で苦労されたところは?
ゲーム開発自体は「楽しくて面倒くさい」ものだと思っていて、あまり「苦労」という感じはしていないですね。
もちろん、初めて触るUnityに四苦八苦したりとか、どう直せばいいのか分からないエラーに苦しんだりとか、アホみたいに多いイベントの分岐に対してキャラのセリフや文章がなかなか思いつかずに頭を抱えたりはしていますけど。
このあたりは「そもそもゲームを作ること自体が大変」なので「そういうもの」かなって思っています。
なのでどちらかと言えば、開発以外の部分で苦労を感じますね。
私の場合は
—-
金はねぇ!知名度も売りになる肩書もねぇ!人脈もねぇ!
最初の作品だから根強いファンがいるわけでもねぇ!!
バズるようなイラストが描けるわけでもねぇ!!
あるのは?1人で勝手に自信を持っているゲームデザイン能力だけ!!!
—-
みたいな所から始まっているので…。
自分自身に拡散力が無く、そもそもゲームの存在を知ってもらえないとか。
知名度とか肩書とかの分かりやすい「売れる保証」がないので、パブリッシャーさんと交渉していて、担当者の方が乗り気でも会議に通らず契約ができなかったりとか。「社内でやったら好評だった。面白いし可能性を感じる」とは言ってもらえても、そこから先をゴリ押しできる力(根拠)が足らないなーとはよく感じています。
(あ、ちなみにパブリッシャーさんはまだ募集しています)
ただこのおかげで、「いかに魅力的な、遊んでみたいと思ってもらえるゲームの企画をするか」の重要性は身に染みたので、そこは収穫でした。たぶん会社内で開発だけしていたら(そのつもりは無くても)軽視したままだったと思います。
■ゲームについて
●開発チームお気に入りのポイントを教えて下さい
お気に入り…というとニュアンスが違うんですが、自分の狙ったゲームデザインがちゃんと成立をしているのを見るのは好きですね。
バトルもイベントも「悩むのが楽しい」という形で作ってあるので、実際に体験版のゲーム実況を見ている時に、
(イベントの選択肢に対して)「いや、どっちも選びたいけど…これどうしようかな……」
(ボス戦でギリギリの状況な時に)「どーする!どーする!?まずはここをこうして…いけるか!?」
みたいな、狙い通りの反応があったりすると
「そうだよ!こういのが作りたかったんだよ!これが面白いんだよ!!」
みたいな気持ちになります。
■チームについて
●現在は体験版ですが、リリース予定について教えてください
完成版のリリースは来年の春~夏頃になると思います。
アーリーアクセス版については近いうちに発表できると思います。
●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします
無い物ねだりな私の感覚から言うと、若さ(経験無くても雇ってもらいやすい)とハッタリになる肩書(大手ゲーム会社にいたとか)は大事にした方が良いと思います。色んな意味で。
●ありがとうございました。
こちらの記事もチェック!
異色の赤字経営シミュレーション、手持ちの現金がわからない!『パトルの軍事博物館3 超絶無敵究極兵器』インタビュー
ゲームクリエイター図鑑No.002 藤井トム#01「新卒カードで花屋に就職、どれだけゲームが好きかに気づく」
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)
スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
ゲームクリエイターズギルド公式サイト ▶ https://game.creators-guild.com/
▼学生向けLINEの登録はこちらから!
▼社会人向けLINE登録はこちらから!
GCG会員になると開催予定のスケジュールの確認やWEB会員証をゲットできます。