こんにちは、花粉症の季節がやってきて早くも瀕死のmorimoriです!
今回私は、
2020/02/12 (水)オルトプラス本社で行われたセミナー
【学生限定】ゲーム業界を目指す!コンセプトアートの仕事を知る
に潜入してきました。
このセミナーはコンセプトアートをはじめ、デザイナーの仕事内容や目指し方などについて聞けるもの。約2時間でしたが内容は非常にみっちり、充実…!その模様をお届けします!
登壇者紹介
メサイアで『ラングリッサー』を担当し、その後もディベロッパーとして数々のヒットタイトルのコンセプトアートに携わったキャリア24年のベテランデザイナーの深沢孝一さんです。
コンセプトアートってなんだろう
(wikiより抜粋)
広義でのコンセプトアートは上記の通りですが、
ゲーム業界でのコンセプトアートとなると、さらに具体的な内容を上げることが出来ます。主に、新しいゲームを開発するとき、企画書上のアイディアのイメージを膨らませて、その世界観をグラフィックで表現するお仕事です。
コンセプトアートを元にそのゲームのグラフィックや素材が作られるため、デザイナーの花形仕事とも言われるそう。多くのデザイナーがいる中、キャリアの中で携われる人はほんの一握り…
そんな前知識を踏まえて、深沢さんのお話しを聞いてみましょう?
難しいものではない
「コンセプトアートというのは決して難しいモノではないんです。
企画さんが考えている”何か”を一番初めに形にすること、それがコンセプトアートです。
コンセプトアートはゲームの源流。チームでゲーム制作をするとき”ここを目指そう”の目標になる部分。その”何か”を作るため/実現するためこれから何が必要かというディスカッションをしなければならない―そのための最初の原動力を作るのがコンセプトアート。」
”難しいモノではない”とのことですが…ゲームの源流って、めちゃめちゃ重要な部分ですよね。
「誰がどんなものを作りたいか、表現したいかを受け取って、形にしていきます。
あくまで商業であるなら、できるだけ売って多くの人に広く見てもらいたい。
どんな売り部分があるのか、どんな遊びをしたいのか、どんな世界観・雰囲気なのか
…それらを企画書から読み取り形にしていきます。」
なるほど、一つのゲームのすべての始まりであり根幹になるんですね。
読解力と発信力
しかし他人の頭の中にあるイメージを、企画書だけでイラストに描き起こしていくのは相当難しいのではないでしょうか。
「プランナーの提案する企画書の中で『一番何が売りになるか』『今度の遊びはこんな形です』などのふわっとした部分を形にします。結構ぼやっとした情報をもらうこともありますね。”こんなのやりたいんだけど~~”って感じで笑」
すごい。でもどんなものも一番初めはあやふやな形ですよね。
「そういったまだ形になっていない他人のイメージを自分なりに読解しかみ砕いて『じゃあこんなのはどう?』と提案します。それを短いスパンで何度か繰り返して、できるだけ皆が納得できるような形になるようにディスカッションをしながら詰めていくんです」
相手が何を伝えたいのか・何をしたいのかを読解していくということですね。
施行錯誤を繰り返すことで、説得力がありつつ人の目を惹くデザインを作れるようになる。手を変え品を変え伝える努力をすることは大事。その積み重ねは経験にもなりますから」
コンセプトアートを作るためには、読解力と発信力が非常に重要ということが分かりました。また、深沢さんは ”お互い探りあいながら意思疎通し意気投合する。そういった積み重ねを経てやっとわかることもある”ともおっしゃっていました。コンセプトアートは一人で作るものではなく、チームの連携の末に生まれるということが分かりますね。
自分の意志
「イラストを描くだけならゲームじゃなくてもいいはず。マンガでもいいし…。
しかしそうではなくゲームを選ぶということは、ゲームを好きという自分の意思があるということ。何をやるにしてもその意思のアピールをすることが重要。」
「色々降りてくる依頼に自分の意志・主張を織り交ぜて表現し、最終的に『これは自分の絵です』と言えるようになることがベスト。」
コンセプトアートについてのお話の中で”読解力と発信力”の次によく出てきたキーワードは”自分の意志”でした。プランナーさんの企画書を「自分なり」に読解し発信することが大事なんですね。
読解力と発信力を育てつつ、コツコツ経験を積んでいけば、深沢さんのようにコンセプトアートに携われる日がくる…!のも、夢ではないかもしれません。
ポートフォリオチェック!
さてコンセプトアートについて貴重なお話し聞けたところで、
ポートフォリオチェックの開始です。
将来ゲーム業界で働きたい…
それぞれのポートフォリオをめくっていく深沢さんの手元を見つめる、悩める子羊たちの眼差しは真剣。一体どんなアドバイスが聞けるのでしょうか。
ものの見方とデッサン力
形の細かい部分にこだわりが見えるのは分かるし、そういう部分はとても面白いと思う。」
私も一緒にポートフォリオを覗かせて頂きましたが、確かにどのイラストも可愛らしくて色が綺麗!楽しんで色を使っていることが伝わってきました。
「『自分ならでは』があるといいと思う。
そしてその”ならでは”のところに注力すると自然と目を引くと思う。」
「あとは、デッサン力。空間の定義をしっかりと出来ると説得力が増してさらに魅力的になる。空間を感じられるような…。デッサン力がないと、伝わり方がぼんやりしてしまいます。
これから3Dなどで仕事をやっていく場合、背景に限らず、立体的な部分を考慮しないとやっていけなくなるんですよね。そういったときにデッサンが大事になってきます。
画力が高いかどうかではなくて、ものの見方を知ってそれを再現できること。モノをよく見て、例えば触って重さを確かめて….経験してそれを実践するという段階を踏んでいくことで、絵の説得力は増していきます。」
採用の時に見るポイント
「色のセンスとデッサン力を見ています。その次に、その人のこだわりを。
ゲームデザイナーは自分の絵だけ描いていればいいわけではないので…。
やっぱりパッと見、色彩センスのある人は絵が上手く見えるし説得力がありますね」
確かに、色の構成にインパクトがあると、それだけで画面は華やかになりますよね。
では、デッサン力は?
「デッサン力っていうのは、ものの正しい形と重さを表現できるかどうか。
ものをよく見ることが大事。そういった力があり、視点がある人は、単純なイラストを描いた時もそういった奥行や重さ・モノの裏側を表現出来ていて目を引くんです。」
ポートフォリオは企業へのラブレター?
企業にちゃんと面接の段階まで自分を引っ張り出してもらいたい…そのために大事なことがあります。
ポートフォリオっていうのは会社へのラブレターです。
自己アピール文を作るときも、相手の企業をよく知ることが必要です。
相手がどんなことを考えて自分を採用するかを想像しながらポートフォリオを作ると、採用率があがるのではないかと思います。そして、自分の中だけで完結せず、周りの人に見せて意見をもらうことも大事です。」
確かに、主観だけではなく、客観的な視線でポートフォリオを確認することも大事ですよね。…素朴な疑問なんですが、やっぱりポートフォリオのページ数って多い方が良いのでしょうか。
「ポートフォリオは枚数が多ければ良いというわけでもないです。表紙や裏表紙も特にこだわりすぎなくていい。それより、見せるページや作品の順番が重要です。自分の見てほしい部分が目立つように、見やすいように、整頓されているといいですね」
拝見させて頂いた深沢さんのポートフォリオの表紙は、非常にシンプルでした。企業の採用担当は数え切れないほどのポートフォリオを確認するといいます。そんな中、見やすく分かりやすいポートフォリオは歓迎されそうです。
しかし、[ポートフォリオが企業へのラブレター]というのは目から鱗…。ただの就活用の作品集だと思わずに、行きたい企業への愛情を込めながら丁寧にしたためることが出来ればいいですね。
質問コーナー
ポートフォリオに関して多くの貴重なアドバイスをして下さった深沢さん。
ついに最後の質問コーナーへ。
全部が60点というか…。学校の方針としては全部を80点ぐらいにしてどこかに就職引っかかればいいという感じみたい。
全部をそこそこか、好きなキャラクターをつきつめるか…悩んでいます。
でも他に上手い人がいることや、自分が60点くらいだと思うということは、見る力があるということ。確かに全体で80点を目指すというのは大事だし企業側からは対応力が高くて嬉しいしとりやすい。
でも全体を高めようとすると結局どれに注力出来なくて「自分ならでは」がなくなってしまうかもしれない。キャラクターを見せたいなら背景やアイテムで引き立てられる事も判るハズ。
あえて一枚の完成度を高めていくことで本来見せたいキャラクターと、それを囲む背景やアイテム、空間構成・・・色々な部分のクオリティが高まって力になっていきます。
今は先が見えなくて不安かもしれないけど、一枚の説得力を高めていけばそのうち将来に繋がるから大丈夫。
深沢さんの心強い言葉に、
学生さんも思わずホッとしたような表情を浮かべていたのが印象的でした。
自分の好きなことを突き詰めようとしたとき、一体自分がどこへ向かっているのか、本当にこの方向性でいいのか…急に分からなくなる時ってありますよね。
そういうとき、話を聴いたうえで背中を押してくれる先輩の存在は非常に大切だと感じました。
潜入してみて
限られた人しか携わることができない、デザイナーの花形仕事「コンセプトアート」の世界…いかがでしたでしょうか?
今回セミナーに潜入してみて、”コンセプトアートがどういうものなのか”だけではなく、デザイナーの仕事の根幹についても学ぶことが出来ました。
採用やポートフォリオについてのお話しは、就活に役立つアドバイスがたくさんありました。
現場を長く経験した現役のクリエイターさんのお話しを生で聞ける場はとっても貴重。
今後も、色々なクリエイターさんをお呼びしてセミナーは開催されるそう。
次はどういったお仕事のリアルなお話が聞けるんでしょうか!?
今から次の潜入が楽しみなmorimoriでした。
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