大学で出会ったメンバーが開発を進めた『Physical Layer』インタビュー!オリジナル作品への挑戦についても聞く

『Physical Layer』インタビュー

今回は、RaStar Studioさんに『Physical Layer』についてお聞きしました。大学で出会ったメンバーがいくつかのタイトルを作り、今作の開発へと至った経緯をご覧ください。

『Physical Layer』について

エージェント、緊急事態だ。
敵が大規模EMP兵器の発射コードを起動した。敵の各基地に散らばったEMP兵器の停止コードを回収するのが貴様の使命だ。
単独での潜入任務となるが、健闘を祈る。

本作は女子高生扮するエージェントを駆使して戦う、見下ろし型ガンシューティングアクション。
ステージ(“レイヤー”)ごとに様々な地形と敵が待ち受ける。
瞬時の判断が要求されるが、どうか最適解を導いてほしい。

潜入にあたり君にはいくつかのデバイスを支給しよう。
生かすも殺すも君次第だ。

–反転スキル–
これを使えば、自分と敵の弾の判定を逆転しつつ、近くの弾を反射できる
窮地を脱するカギになるだろう、大事に使え。

–オブジェクト投げ–

障害物を投げ飛ばす、いわゆる念力のようなものが使用可能だ。
遮蔽に使うも武器に使うも自由自在だ。

–スライドダッシュ–
相手の弾をすり抜けつつ、高速で移動することができる。
攻守に優れたアビリティだ、タイミングを見誤るな。

■開発チームについて

──チームの紹介をお願いします
RaStar Studioは大学のゲーム開発サークルから始まったインディーゲーム開発チームです。
2023年3月に「美少女×アビリティ×爽快ガンアクション」をコンセプトにした見下ろし型シューティングゲーム『Physical Layer』をリリースしました。

──チームは何人くらいですか。
開発メンバーは4人です。
コアメンバーであるプロデューサー兼デザイナー、ディレクター兼エンジニアに加え、楽曲担当2人という構成です。

──また、どのようにして集まったのでしょうか。
エンジニアとデザイナーが大学のゲーム開発サークルで知り合い、共同でゲームを作り始めたのがきっかけです。
はじめは、サークルでVRゲームの開発をしてイベントで展示するような活動をしていました。
そこから『東方流星譚』という東方Projectの二次創作ゲームの開発プロジェクトを立ち上げ、その際に音楽経験のある2人に声をかけ、4人でゲームを開発しました。その際のチームが『星屑ラボラトリー』で、『RaStar Studio』の前身となっています。
『星屑ラボラトリー』の活動自体は『東方流星譚』の完成をもって一旦休止したのですが、『Physical Layer』開発のために『RaStar Studio』の名前で再集結しました。

──ゲーム業界の経験はありますか?
メンバー全員が独学です。
簡単にメンバーの経歴を紹介します。
デザイナーは大学入学後に板タブを買い、絵を描き始めたのがきっかけでゲームの絵作りを担当するようになりました。イラストレーターとして活動や『東方流星譚』での経験を活かし、UIからイラストまでデザイン全体を担っています。
エンジニアは高校生のころからUnityを使ってゲーム制作をしている生粋のゲームクリエイターで、個人でもゲームを開発しています。代表作はこの『Physical Layer』のほかに、3D弾幕シューティングの『東方流星譚』や見下ろし型シューティングの『Armored Fighter』があります。
楽曲担当の二人は楽器や作曲の経験があり、ステージにピッタリな曲を制作してくれます。普段はゲーム音楽以外の分野でも活躍する二人はRaStar Studioには欠かせないメンバーです。

■開発について

──『physical layer』開発のきっかけについておしえてください。
エンジニアが大学院卒業までの約半年間で一本ゲームを完成させたいと企画したことがきっかけです。
Unity1週間ゲームジャム向けに開発したゲームが『Physical Layer』の根幹となっています。このプロトタイプの時点で「反転」と「投げる」システムがありました。この二つをコンセプトとして、かわいいキャラクターをぐりぐり動かしながら爽快感のあるシューティングゲームを作ることを目標にこのプロジェクトは走り出しました。
それまでは前述のとおり東方Projectの二次創作ゲームを制作していたためオリジナルIPの創出という意味でもチームにとっては挑戦的なプロジェクトでした。

──開発で苦労されたところは?
開発で苦労したところは2つあります。パブリッシャーとの契約と、開発期間の短さです。
パブリッシャーとの契約については、Phoenixx様でパブリッシングしていただきたいという目標があったのですが、開発計画についてお話しした際に、開発期間の短さを懸念されました。そのため、開発計画をしっかりと提示することや、なにより毎週こまめに進捗を出して報告することで信頼を得ることができ、契約を結ぶことができました。
開発期間の短さについては、前作『東方流星譚』で培った開発力やチームワークを武器に、このゲームのコアな面白さにフォーカスし、短いイテレーションを高速で回すことにより、短期間で着実に開発を進めることができました。

──完成までどのくらいの期間を想定していましたか?
エンジニアの卒業のタイミングに合わせて半年間(8月から翌年3月)でリリースまでの開発スケジュールを組みました。月単位の実装計画とマイルストーンを設け、企画書とバーティカルスライスをパブリッシャーに持っていくところから始めました。

──実際にかかった期間はどうでしょう?
想定していたリリース時期までに完成させることができました。ブラッシュアップの作業はリリース直前まで行っていました。
開発初期の計画と実装順を前後する部分はあったものの、タスクの優先度をつけコンパクトな規模で一貫したゲーム開発ができたと思います。

──ゲームエンジンは使っていますか?
Unityを使用しています。バージョンは2020.3.23f1です。
また、バージョン管理システムとして Git/GitHub を、コミュニケーションツールとしてDiscordを使用しています。

■ゲームについて

──本作のおすすめのポイントを教えてください。
本作は主人公のエージェントを操作してスキルと射撃を駆使しながら敵を倒していくステージクリア型のシューティングゲームです。「反転」と「オブジェクト投げ」を生かして多くの敵に囲まれている状況から一瞬で敵を撃破する体験が本作において最大の魅力です。様々なギミックがプレイヤーに牙を向く数々の潜入ミッションを潜り抜けて、エージェントの任務達成を目指してほしいです。
また、ゲーム内ボイスも魅力です。本作はプロ声優の太田彩華様にキャラクターボイスを演じていただいています。キャラクターにボイスが付くことにより、より臨場感のある戦闘や、実在感のあるキャラクターが楽しめると思います。
他にも、本作はグローバルでの展開を見越して、3か国語に対応しています。国内の方に限らず、世界中の多くの方に楽しんでいただけると思います。

──オブジェクト投げが強力でいいですね
本作における「オブジェクト」は投げることで複数の敵を倒したり、アビリティをチャージすることでいくつかのオブジェクトを一斉に敵にぶつけることができます。また、遮蔽物として囲まれた際に身を守る手段としても利用するなど、戦闘において重要な要素となっています。また、オブジェクト投げは強力ですが、手元にあるオブジェクトをすべて投げてしまうと遮蔽物がなくなってかえって不利になるなど、ゲームに奥行きを持たせるゲームシステムです。

──着替えも充実していますね。
本作は難易度を上げてミッションをクリアしていくことでスキンを開放できます。
着せ替え時に専用ボイスがあるなど、キャラクターにも愛着が湧くようなゲームを目指しました。戦闘服以外にも学校の制服であったり、体操服であったり、エージェントの一人の女の子としての側面も見ていただけたらと思います。
最後の衣装を開放する頃にはプレイヤーは一流のエージェントとなり、防御力の低そうな服でもミッションを難なくこなしていけると思います。

──本作の今後について教えてください。(セールやアップデートなどがあれば)
アップデートの予定はありませんが、セールは今後も定期的に行いますので本作が気になった方には是非、爽快シューティング体験とエージェントの魅力に触れていただきたいです。

──この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします。
星に手を伸ばせ!

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