『両手いっぱいに芋の花を』インタビュー
2022年3月10日に発売が始まった『両手いっぱいに芋の花を』のインタビューをお届けします。かわいらしいキャラクターや謎めいた3Dダンジョン、そして『両手いっぱいに芋の花を』というタイトルはどういう風に考えられ、作られていったのでしょうか?ズバリお聞きしました!
『両手いっぱいに芋の花を』について
プレイヤーは、知識や魔法のアイテムを収集する調査隊のメンバー。
錬金術師が迷宮に遺した作物の種を求め、ひなびた島にやってきた。
それは、長年人類社会を脅かしている、
土壌汚染の影響を受けずに育つ特別な種。
プレイヤーは町跡を拠点に、調査隊のチーフに導かれながら、
何度も何度も迷宮に足を運び、種が保管されている最下層を目指す。■仕掛けに満ちた一人称視点の迷宮を探索!
迷宮を探索し、行動範囲を少しずつ広げていこう。
ダンジョンの仕掛けを解き、お宝をゲットし、
パーティーを強化しよう。■運まかせは命取り。敵の行動が予見できるバトル!
敵の次のターンの行動は、あらかじめアイコンで表示される。
防御か回避か、それとも攻撃か。
行動を知った上で次のターンの行動を選択する
戦略がバトル勝利のカギとなる。■自分好みのチーム編成&育成が可能!
“ナイト”や“シャーマン”などのクラスから3人のチームを編成しよう。
クラスごとにスキルツリーがあり、自分好みの育成が可能。
種族や髪の色などを選択できるキャラクターメイキングも可能。
■開発について
●『両手いっぱいに芋の花を』開発のきっかけについておしえてください
RPGのキャラクタークラスの概念が好きなんです。
ゲーム制作者の中には、オリジナルキャラクター、いわゆる「うちの子」を表現したい方も多いと思うのですが、自分にとってのそれはキャラクターではなく、クラスの集合です。
単体ではなく集合なのが重要で、ゲームに登場するクラスがそれぞれ別の機能と役割を持って、しかし互いに平等に、短所を補い長所を伸ばしあう関係性が好きで、それがゲーム全体で調和が取れているほどに美しさを感じるのです。
長年温めていた8つのクラスを表現したくて、それらが活躍する舞台としてバトル中心のダンジョン探索ものに決めました。
●植物の種を求めてダンジョンの奥深くに進むというアイデアはどのように思い付いたのでしょう?
まず、作者の力不足で通常の中世世界を描けないので、ポストアポカリプスを舞台にしました。
その上で冒険の目的は、ポストアポカリプスものの名作『Fallout3』を発想のヒントにしました。
Fallout3は、水の浄化技術を巡って核戦争後の世界を旅するストーリーです。
水と同じくらい重要なものとなると、やはり食べ物、それをダンジョンに遺すならば種子と考え、すんなり決まりました。
●開発チームは何人くらいでしたか
Pon Pon Games 一人のみです。
ただ今回は初めて外部の方にアセットの作成をお願いしました。
拠点のデフォルト曲を作っていただいた、青木しんたろうさんです。
UI上で一番左に表示される黄色い音符の曲です。ぜひ聴いてください。
●また、どのようにして集まったのでしょうか
学生時代から作っている流れで一人でやっています。
チームだと技能的に居場所が無く、自分には厳しいと思ってます。
●開発で苦労されたところは?
時間が予想外にかかって、世の移ろいに焦りを感じることです。
基本的に目の前しか見ず、毎月毎月「来月には完成」の気分でいたので普段は大丈夫なのですが、迂闊に振り返りをすると、自分の置かれている状況に絶望することもありました。
もう一つはRPG自体が初めてだったことです。
アセットの物量で大変なのは最初から覚悟していましたし、楽しんで作れたのですが、メカニズムづくりもこんなに膨大で大変だとは思っていませんでした。
●ゲームエンジンは使っていますか?
Unityを使いました。おかげでSwitchへの移植はスムーズにできました。
ゲームエンジンすごい!
■ゲームについて
●本作のおすすめのポイントを教えてください
戦闘中にコールボタンを押すと、冒険の仲間であるチーフちゃんがアドバイスをくれます。
敵の弱点や技の凌ぎ方を教えてくれるので、画面中のアイコンが光っているときは押してみてください。
●お気に入りの職種&種族はいますか?
クラスの衣装でお気に入りなのはクレリックですね。
少し色褪せていて、飾りっ気があまりなく、このゲームっぽい思います。
種族のデザインは、ゴブリンが気に入っています。
デフォルトだといたずらっ子っぽい見た目ですが、髭で口元を隠すとまた違った雰囲気になります。
●敵の行動がわかるバトルが面白いですね
ありがとうございます!
必然性を持って動作を決定する、「ちょっとだけ考える」バトルを意識しました。
ソウルシリーズのバトルをターン制で再現すると、こんな感じになるのかなと思います。
●本作の今後について教えてください(セールやアップデートなどがあれば)
本作はこれ以上何かできることはもう無いのですが、せっかくたくさんアセットを作ったので流用してまた何か出来たらいいなと思ってます。
■会社(チーム)について
・チームの紹介をお願いします
PCやコンソール向けに、非アクションのゲームを作る個人制作者です。
人に言われて気付いたのですが、クォータービューを採用しがちなのが特徴のようです。
・この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします
ゲームが飽和した今の時代どうしても、何か特徴のある、ウリのあるゲームが求められますが、単に作者の好きに作った、他人から見たら平凡なゲームがあってもいいと思います。
どんどん作りましょう!
●ありがとうございました。
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