ブラウザ開発会社「Vivaldi」社長で秋葉原と日本が大好きなヨン・フォン・テッツナー氏にインタビュー
皆さんはVivaldiというブラウザをご存知でしょうか?このブラウザは色のカスタマイズはもちろん、タブの場所も上下左右どこにでも配置ができ、サイドバーに登録したサイトで動画を見ながらメインのブラウザで作業もできる高性能なブラウザで、私も愛用しています。最近のバージョンアップではブラウザによるトラッキングを遮断できたり、広告をブロックする機能も搭載されています。今回は自由なブラウザVivaldiを作ったVivaldi社のヨン・フォン・テッツナー氏にインタビューをしました!日本大好き、ゲーム大好きなJon Stephenson von Tetzchner氏のコメントとブラウザVivaldiに公開されているゲームVivaldiaついてご覧ください。
■Jon Stephenson von Tetzchner氏インタビュー
●自己紹介をお願いします。
▼こんにちは。私の名前はヨン・フォン・テッツナーです。アイスランド出身で、母はアイスランド人、父はノルウェー人です。大学ではユーザビリティに焦点を当てたコンピュータサイエンスを学びました。1995年にOpera社を共同設立し、15年間CEOを務めました。Opera社を辞めた2年後には、Vivaldi社を冨田龍起、アン・クリスチャンセンとともに共同設立しました。
●日本にもお越しになったことがあるとお聞きしましたが、日本の印象を教えてください。
▼日本、大好きです。
いろいろな意味で好きな場所は秋葉原です。日本を訪れるたびに、何かしらの時間を秋葉原で過ごしています。最新のテクノロジーも、懐かしいテクノロジーも両方探しています。あのような場所は、他にありません。私はこれまでに、本当に楽しいものを秋葉原でたくさん見つけては家に持ち帰っています。
また、私は日本食が大好きです。寿司も大好きですが、他の日本食もたくさん好きです。長年にわたり、いろいろな日本食を食べてきました。
Vivaldiの共同設立者である冨田龍起氏は日本人です。彼はOperaでも私と一緒に働き、日本のOperaオフィスを立ち上げてくれました。私たちは長年にわたり、多くの素晴らしい日本企業と仕事をさせていただきました。
最初の携帯電話は京セラでした。それがOperaフォンでした。その後、KDDIとの仕事では、彼らを通して多くのベンダーと仕事をしました。
そして多くの意味でハイライトとなったのは、任天堂との仕事でした。私たちはNintendo DSとWii用のブラウザを作りました。私は任天堂との仕事が大好きでした。彼らはとても革新的な企業です。
また、Vivaldiには日本にも強力なユーザーコミュニティがあります。ユーザーイベントも行いました。日本のコミュニティからのサポートにとても感謝しています。
■vivaldiについて
●Vivaldiというブラウザについてご紹介をお願いします。また、vivaldiでお気に入りのユニークな機能を教えてください。
▼Vivaldiは多くの点でユニークです。他のブラウザが機能を削除しシンプルを目指す一方で、私たちは機能を追加することを恐れません。
私たちの仕事は、すべてのユーザーのニーズや要望に適応することだという原則に基づいています。そのため、他のブラウザにはない機能を豊富に備えた、非常に柔軟なブラウザを提供しています。
私が最も使用しているブラウザの機能は、おそらくタブスタックでしょう。多くのユーザーがそうであるように、私もたくさんのタブを開いています。
タブスタックを使えば、それらを整理することができます。また、タブをタイル状に並べることもあります。シングルキーのキーボードショートカットやマウスジェスチャーもよく使います。4.0 でリリースしたばかりの内蔵のメールクライアントとカレンダーのベータ版も使っています。
他にも便利なものがあります。
– メモ機能
– ページキャプチャー
– 目覚まし時計。
– 一時停止
– 同期
などなど、数え上げればきりがありません。私はこの中のほとんどを使っていますが、ユーザーによってお気に入りの機能は異なります。
ゲームクリエーターにお勧めの機能を紹介するとしたら、ユーザーによってニーズは様々だと思いますが、私は、スタックやタイリングなどのタブ操作機能が一番だと思います。
開発の参考のために複数のタブを同時に見ることが多いゲーム制作者にとって、非常に便利な機能だと思います。
■GAME Vivaldiaについて
●開発のきっかけを教えてください
▼長い間、ゲームを搭載したいと思っており、良いパートナーを探していました。最終的にはアイスランドのPorcelain Fortressという会社にゲームを作ってもらうことにしました。
たまには、シンプルなゲームをしてみたいと思うこともあるでしょう。Vivaldiaはそんなときのためにあります。簡単に始められて、簡単に遊べて、でも最後までやろうとすると面白いくらい難しい。
主人公を一輪車に乗せることにした理由は、ノルウェーのオフィスに居るメンバーの一人がよく一輪車に乗っているからです。それが会社内で話題になって、多くのメンバーが一輪車を試しました。一輪車を使ったゲームを作ろうというアイデアは彼からでした。近未来的なストーリーでしたが、主人公は一輪車に乗っているという設定になったのです。
●ドット絵風のゲームになったのはなぜでしょう?
▼レトロなスタイルのゲームを目指しました。私は昔のアーケードゲームの大ファンです。実際、家にはいくつかのアーケードゲーム機とピンボールマシンを持っていますし、古いコンピューターも集めています。
家にあるアーケードマシンには、以下のようなものがあります。
– タイトー フロントライン。高校生の頃、よく遊んだゲームです。このゲームは操作が難しいですが、その分やりがいがあります。
– パックマン、ギャラガ、ギャラクシアン。これらと、あといくつかのナムコのゲームが入ったマシンを持っています。今でもプレイするのが好きです。
– ソウルキャリバーII
昔のアーケードゲームで好きだったのは、いかに早く遊べるかということです。ほとんど何の説明もなく、すぐに遊び始めることができました。
Vivaldiaでも、それを目指したかったのです。
ゲームをプレイしてみると、ルート上に様々なチャレンジがあり、ゲーム性が大きく変わっていることに気づくでしょう。タイミングを逃さないようにしないとうまくいきません。
●ユーザーからの反応にはどのようなものがあったのでしょう?
▼ユーザーからは素晴らしいフィードバックをいただきました。このゲームを気に入っていただけましたと思います。なかなか手強いゲームですが、一度遊び始めると、とても楽しんでいるようです。
■今後について
・今後もゲームを公開することはあるのでしょうか
▼将来的に「Vivaldia」の続編を計画しています。ただし、Covidの影響で少し遅れています。今年の後半には何らかの動きができればと思っています。
●この記事をご覧の日本の皆さんに一言お願いします。
▼ゲームクリエイターならびに、ゲームクリエイターの卵の皆さんにお伝えしたいのは、「素敵なゲームをありがとうございます」ということです。私の好きなゲームのいくつかは日本で作られたものです。
これからもたくさんのゲームを期待しています。
●ありがとうございました。
日本とゲームを愛するヨン・フォン・テッツナー氏のインタビュー、いかがでしたか?ゲームをどうしても作りたいから自分たちのブラウザに組み込んだ情熱を感じていただけたかと思います。Vivaldia次回作のリリースも期待して待ちたいと思います。
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