「ゲームはおもしろい、ゲームを作ってる人も実はおもしろい」
多種多様な技術を持った人々が集まるゲーム業界。あの魅力的なゲームたちは、どんなゲームクリエイターが生み出しているのか。ベールに包まれた「ゲームクリエイター」の生態を解き明かし、この地に生息する「ゲームクリエイター図鑑」の完成を目指す。その過程として、一部のレポートを公開しよう。
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「水道局が今まで持っていなかった基礎データが集まった」
──『鉄とコンクリートの守り人』は、社会貢献型位置情報ゲームと言われています。インフラの老朽化という課題をゲームで解決する、今は下水道のマンホールが対象ですが、このゲームは実際のインフラ管理にどう役立っていますか?
例えば石川県加賀市でのマンホール聖戦では約8000基のマンホールを2日間でコンプリートしました。静岡県三島市では約1万基のマンホールが2日間でコンプリートされ、実際にイベントを通して老朽化したマンホール4基の交換にも至りました。このようにマンホール聖戦で市民の力を合わせることで、インフラ管理の時間もコストも大きく削減できます。将来的にはさらに情報を活用していくことでインフラ管理に役立つ仕組みが作れればと思います。
──イベントをやった自治体の反応はいかがですか?
業者に頼むよりあまりにも安いとびっくりされますね(笑)。ただ、同じことを何回かやろうとしても、好評だったからと言って毎年リピートできるわけではありません。1年やそこらで老朽化が進むわけじゃないので、結果はほとんど変わらなくなってしまう。2回目は価値が下がるんですね。でも定期的にやる意味はあるし、それもマンホールだけなら問題ですが、マンホールがボロボロなところは橋も古いし道路標識も折れ曲がったりしているので、マンホール以外のインフラに広げていけばいいと思っています。
もう一つ今ある課題としては、東京や大阪といった都市圏のマンホールはメンテナンスが行き届いているんです。逆に地方になると、さらに林や山の中に入ると壊れていたり土に埋まっていたりで管理状態が良くありません。でもそういう本当にメンテナンスが必要なマンホールはあまり人の行かないところにあるので、なかなか撮影できないんです。そういうところへプレイヤーを誘導する仮説を今立てているので、新しいバージョンではそれを検証していきます。
「猫が写り込んでいる写真だけでも相当な数があります」
──実際にゲームが世に出るまでは予想できなかった反応、面白かった反応はありますか?
マンホールの写真を撮ることが主となるゲームですが、マンホール周辺の写真も送ってもらっていて、それが面白いですね。道路にあるマンホールを撮影する前に、周囲が安全かどうか確認してもらうための写真なんですが、すごく雪が積もっていたり、景色がきれいだったり、面白いお店が写っていたり、いろんな場所柄や季節感があります。僕自身も自分で投稿する時は桜が写っていたり、山が綺麗に撮れている写真を優先して上げているのですが、皆さんも同じように考えてくれているのかと思います。
──私も『鉄コン』を試した時は、ちょっと写真にこだわりました(笑)。
そうですよね(笑)。いろんな地域から送られてくる写真でコンテストができるぐらい。猫が写り込んでいる写真だけでも相当な数があります。
よく見ると…猫ちゃん!
──3つ目のバージョンもありますし、今後は撮影の対象がマンホールからさらに増えるかもしれません。『鉄コン』はまだまだ広がりそうですね。
そう思いますが、すごい人気が出たら僕の仕事じゃなくなってしまうかもしれない(笑)。
──『鉄コン』に限らず、今後どういった仕事をしていきたいですか?
危機的な状況にある人を手伝うことが僕の本業で、それをやりながら自分の趣味でゲームを作って出していく。これからもそれを継続していきたいです。最近ちょっと人助けの仕事が多すぎて、自分の好きなことだけをやる時間があまり取れていないんですけど、もし完全に自由に作れるとしたら、先ほど話した怪獣のゲームを作りたいかもしれないですね。
#03まとめ
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