学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
―学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか―
今回は日本電子専門学校 ゲーム企画科 1年生の伊藤毅丸さんにボードゲームを用いたインタビューを行いました。
プランナー志望の伊藤さんはどんな思いでゲーム業界を目指すのでしょうか。
インタビュイー(取材の受け手)の緊張をほぐし、話しやすい場作りのため、ボードゲームを一緒にプレイしながらインタビューを行うという本メディアが編み出した画期的な手法
『ドブル』
カード同士を見比べて同じ絵柄を見つけるカードゲーム。
ゲームにストーリーがあることに気付いた
―簡単な自己紹介からお願いします。
伊藤:日本電子専門学校のゲーム企画科1年生の伊藤毅丸です。好きな食べ物はラーメンが大好きです。
―どんなラーメンがお好きなんですか。
伊藤:こってりしたラーメンが好きです。スープがドロドロのものに、ラー油をちょっと垂らして食べるのが大好きです。何も調べずにふらっと歩いて美味しそうなお店を発見して食べに行きます。
―幼い頃からゲームに触れる機会は多かったのでしょうか。
伊藤:いや全然です。僕の母親がゲームが嫌いで、息子たちをスポーツマンに育てたくて、高校2年生ぐらいまでずっとスポーツやらされてました。その息抜き程度でしかゲームはしていなかったんですよ。
―自分の人生で一番影響を受けているなって思うゲームって何でしょうか。
伊藤:『ポケットモンスター』がすごく印象的ですね。初めて遊んだゲームだというのもありますが、やりこみ要素があり、どんどん新しい作品が出て一番プレイしたと思います。
―好きなポケモンはなんですか。
伊藤:僕はキモリが大好きなんです。初めてポケモンのアニメを観た時に、たまたまキモリが出てくる回だったんです。すごくかわいい、かわいいけど戦ってる時は強くて、いざとなったら仲間を助けに行くそんなところが小さい頃の僕からしたらなんて格好いいんだ!って。
―『ポケモン』のどの辺に一番影響を受けましたか。
伊藤:ストーリーの壮大さですね。ずっと他人からゲームを借りて遊んでいたので、自分のゲームを買ってもらうまでストーリーがあることを知らなかったんですよ。世界を敵に回すだったり、悪の組織が何かを企んでいるといったストーリーを考えている人がいることを知りました。それまでの自分だったら全然そんなことを考えたこともなかったので、すごく刺激になって、ストーリーという点でも『ポケモン』はすごい作品だなと思いますね。
―RPG系が好きなんでしょうか。
伊藤:『ポケモン』以外だと『ドラゴンクエスト』もよく遊びました。ゲームをして泣くなんて今までなかったので…。
―どんなシーンでしたか。
伊藤:一番記憶に新しいのは『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』でヒロインの死の理由が判明したシーンです。仲間をかばって自分1人が死んだっていうところを見て、なんて仲間思いなヒロインなんだと思ったら、泣きそうになってぐっと我慢したんです。でもその後に死んでしまった遺体が光となって消えちゃうシーンで涙腺が耐えられなくて、結構そのヒロインのことが好きだったんですよ。ここでもう会えないのかと思ったら涙が止まらなかったですね。
―誰かにゲームをお勧めするとしたらどんな作品でしょうか。
伊藤:一度は母に『ポケモン』をやってほしいです。やっぱり母は「ゲームが嫌い」と言いますが『ポケモン』のアニメを観ている時に、母が「ポッチャマがすごく好きだ、かわいい」と言うので「じゃあ、ゲームやりなよ」って言ったら「嫌だ」って言われたんですよ。
―どうしてでしょうか。
伊藤:嫌な理由がゲームは人をダメにすると言われたんですよ。僕はそんなことはないと思っていて、用途さえ間違えなければ、エンターテイメントとして楽しめると思っているので、ゲーム嫌いっていうのが本当に食わず嫌いみたいになっているんですよ。
自分が一番人生で刺激を受けた『ポケモン』は一度は母にストーリーをクリアまでやってほしいなと思います。
ゲームに対してのイメージを変えたい!
―ゲーム制作に興味を持ったきっかけって何でしょうか。
伊藤:将来何をやりたいか考えたときに、ゲーム開発に興味を持ったんです。
ゲームに対しての悪いイメージが世間に多いことが気になって、それを自分の作ったゲームで、ゲームって楽しいものだというメッセージを伝えたいと思いました。
それからゲームプランナーという職種の仕事を調べ、スケジュールやチーム管理をした上で、ゲームの企画段階からリリースに関わることができるのを知りました。最初から最後まで関われる! これ楽しそうだって思ったのがきっかけです。
―これまでにどんなゲームを作りましたか。
伊藤:カジュアルなタワーディフェンスゲームを個人で作りました。マスに矢印が書いてあって、弾を発射すると矢印に沿って弾が移動して敵を倒すゲームを作りました。
―なぜ、そのゲームを作ろうと思ったんですか?
伊藤:”マスを使ったゲーム”を作ろうという学校の課題でした。マスってなんだろうって色々考えた時に、地面のタイルや線、あみだくじと色んなことを連想して。あみだくじの要素があるシューティングゲームって面白いんじゃないかなって。じゃあユーザーに分かりやすくするならというので、矢印をマスに反映させてとアイデアがどんどん湧いてきて、これちょっと面白そうだなってところからゲームを作りましたね。
―どういうところが大変でした?
伊藤:プログラムもまだまだ出来なかったので、周りの人に頼ることしかできなくて、作っている段階で何度も何度も躓いてしまって、人の力をけっこう借りてしまったっていうところが悔しかったです。
散歩から養う観察眼
―進級制作発表会で発表した作品について教えてください。
伊藤:僕たちのチームは『PENDULIM(ペンデュラム)』を作成しました。みんなで話し合っていた時に、ぽっと出たアイデアだったんですけど、僕はその時ちょうどトイレに行ってたんですよ。トイレから戻ってきたら、振り子のゲーム案が出てるみたいな感じです(笑)
日本電子専門学校 ゲーム企画科の進級制作発表会。 「ワールドワイドに通用する」をテーマに各チームが企画・制作した作品をプレゼン発表した。
『PENDULUM(ペンデュラム)』
振り子を揺らして障害物をよけるゲーム。好きな音楽を流しながら遊ぶことができる。
伊藤:僕が考えたのは、この振り子に音楽を合わせるところです。いろんな人からフィードバックをもらっている時に、音楽と合わせたら面白いんじゃないかというアイデアをもらい、そこから音楽を中心にこのゲーム発展させたら面白くなるんじゃないかと案を出しました。
―そのきっかけで『ペンデュラム』イコール音楽が生まれたんですね。
伊藤:振り子で障害物避けるだけじゃ面白みがないけど、何か発展させるものはないかと悩んでいたときに、音楽からいい感じに発展はできたと思います。
―伊藤くんがゲームを企画するときの俺流はなんでしょう。
伊藤:僕はとにかく散歩です! 周りをよく見ていると、あっと思う発見が多いんです。例えば自動販売機はどうしてこの順番なんだろう、そういうひょんな事からアイデアって出てくるんだなと思っています。パソコンの前に座って考えていても、いい案って出てこないと思ったので、企画を考えるときはまず外をぶらぶら歩きながら1人でブレストをしています。
弟を救ったコミュ力
―将来の夢を教えてください。
伊藤:将来はゲームプランナーになってゆくゆくはディレクターだったりプロデューサーになりたいなっていう風には思っています。
―どんなプランナーさんになりたいですか?
伊藤:人と話すのが好きなので、いろんな人と話して、人と人が話す接点のようなものになれたらいいなという風に思っています。色んな職種の人の間に立って話せる人になれるのが理想です。
―今はどんなことに取り組んでいますか。
伊藤:とにかくいろんな人と話すことを心掛けています。身近な人ではなく、外部の人と連絡を取ることを意識しており、東京ゲームショウでは初対面でしたがいろんな学校の人に連絡先教えてくれってアタックして、何人か連絡先を交換できて、企画書を見せたりして交流をしています。
―一言、アピールしたいことってなんでしょう。
伊藤:僕は本当に人と話すことが好きなので会社に入っても、コミュニケーション力を生かして、いろんな人との中間に立てるような人間になれたらなと思っております。
―インタビューの最後に、最近あった面白いエピソードをお願いします。
伊藤:最近あったことですが、先日弟が高校の卒業試験をサボってしまって、卒業できないという事態になったんです。肝心の母は仕事が忙しくて学校に出向けないため、なぜか僕が弟の高校に出向いて、保護者の代わりとして学校の偉い人と弟と僕で話し合いをするという機会がありました。
―その後どうなりました?
伊藤:20歳は超えていたので兄として参加した話し合いで、再試験を実施してもらえることになり、どうにか弟は今回卒業するっていうことが決まりました。
―中々ない経験でしたね。
伊藤:ありがとうございます。
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