「タイピングって楽しいな〜」と思ったことから生まれたキーボード玉転がしアクション『On the Keyboard』インタビュー

『On the Keyboard』インタビュー

今回は、SBO Gamesの鯖男さんに『On the Keyboard』についてお聞きしました。東京ゲームショウにも出展していた作品で、普段触っているキーボードにこんな様々なテクニックがあるのかと思った一作でした。独創的で興味深いこの作品がどのように生まれたのか、見ていきましょう。

『On the Keyboard』について

ゲーム内のキーボードを操作してスフィアを運ぶキーボードアクションゲームです。

操作はいたってシンプルで、直感に従ってキーボードを押すだけ。
押したキーに対応したゲーム空間内のキーが動き、キーから力を受けてスフィアが動きます。
スフィアをキーボードの上から落とさないように気をつけながら、ゴールまで運ぶことが目標です。

本作はキーボードというフィールドを操作する特性上、スフィアを思うように動かせない場面が多くあります。
スフィアの不規則な挙動に対応するためには、40個あるキーから適切なキーを瞬時に判断して入力することが必要です。
そのため、見た目以上にアクション性が高く、非常に高難易度なゲームになっています。

また、スフィアを動かすだけでも難しいにもかかわらず、ゴールまでの道のりには様々な障害物が待ち構えています。
障害物の攻略には、キーボードというフィールドを操作する特徴を活かした、柔軟な発想/操作が鍵となるでしょう。

さらに、本作はキーの配置を空間的に理解することが重要であるため、タイピングゲームとしての側面も持っています。
タイピングが苦手な人はもちろん、タイピングが得意な人にとっても、タイピング精度の向上が期待できます。
アクションゲームで楽しく遊びながら、タイピング能力を鍛えてみてはいかがでしょうか。

キーボードを壊さないよう、お気をつけて。

 

■開発チームについて

──チームの紹介をお願いします。

SBO Gamesです。

──チームは何人くらいですか。

1人です。

──また、どのようにして集まったのでしょうか。

1人です。

──ゲーム業界の経験はありますか?

未経験の学生です。

3年前から趣味でゲーム制作をしています。

■開発について

──『On the Keyboard』開発のきっかけについておしえてください。

本作はunityroom主催のUnity1weekで制作した『キーボード大玉送り』という作品が元になっています。『キーボード大玉送り』がunityroomでとても高い評価は受けたから製品化を、という訳ではありません。unityroom内での評価はイマイチで、総合ランキング入りもできなかった作品でした。しかし、unityroomの評価は「楽しさ」「絵作り」「世界観」「音楽」「操作性」「斬新さ」の6項目からなる総合的な評価であり、ゲームの遊びに対する評価の比重は大きくありません。そのため、unityroomでの評価が高くないからといって、ダメなゲームなのだとは思いませんでした。そして周りの人やSNSでの反応から、このゲームシステムはもっと大きく成功する可能性を秘めていると考え、Steamでの販売を目標に本作の開発を始めました。

──開発で苦労されたところは?

全てです……
キーボードでオブジェクトを間接的に操作するシステムを活かたギミックを考えることや、有償で販売するに値するクオリティに全要素をブラッシュアップすること、リリース後のアップデートなどなど。企画/プログラム/デザイン/マーケティング等を全て自分1人でやらなければならなかったため、とても苦労しました。

面白いアイデアを考えて、自分のプログラム能力と相談しながら形を変えてどうにか実装して、ゲームの雰囲気にあったデザインになるようなんとか整えて、ネタバレし過ぎないようにSNSで公開して……とにかく考えることが多く、精神的に削られました。後述する理由で半年という期限があった点も、苦労に拍車をかけていました。

──完成までどのくらいの期間を想定していましたか?

半年です。

ちょうど開発をはじめた頃、東京ゲームショウ2024へ無料でゲームを出展できるSelected Indie 80の募集がありました。開発初期で完成度が低く自信はなかったのですが、ダメ元で申請したところ、なんと採択されました。そこで、東京ゲームショウまでにリリースすれば、専用サイトなどで取り上げられて高い宣伝効果が得られると考え、東京ゲームショウの2週間前を目安に完成させることを決めました。

今考えると宣伝するのにリリース済である必要はなかった気はしますが……

──実際にかかった期間はどうでしょう?

だいたい半年です。
実際にリリースすると、想定以上にアップデートが必要箇所が見えてきて、予定より少し開発期間は伸びました。

──ゲームエンジンは使っていますか?

Unityで制作しました。

■ゲームについて

──本作のおすすめのポイントを教えてください。

キーボードの全面を使って間接的にオブジェクトを操作するというゲームシステムです。このシステムによって、斬新でインパクトがありながらも直感的で分かりやすいゲームにすることが出来ました。

また、動かす対象となるオブジェクトが球形でコロコロと動き続けるため、タイピングの難しさも相まって、想像以上に反応速度やタイミングなどが重要で、アクション性が高い点も魅力のひとつです。

──独創的な作品ですが、どうやって思いついたのでしょう?また、どのようにゲーム性を作っていったのでしょう?

学校の課題をしていた際に、「タイピングって楽しいな〜」と思ったことがきっかけです。そこから『スイカゲーム』、『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』、『Getting Over it』などを参考にゲームとして形作っていきました。日常的に遊んだゲームや流行ったゲームの分析をしてきた結果、生みだせたゲーム性だと思っています。

ただ、最近調べていたところ、かなり近い発想のゲームが既にSteamでリリースされているのを見つけました。ゲーム性は異なるため、後追いの形になった本作にも十分価値はあるは思いますが、全く新しいゲームを生み出すのは難しいのだと痛感しました。

──本作の今後について教えてください。(セールやアップデートなどがあれば)

Steamのレビューやゲーム実況とその配信のコメントを参考に、ゆっくりアップデートをしていこうと思っています。

■最後に

──この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします。

難しいと思うことにも積極的に挑戦するのをオススメします。成功したらラッキー!失敗しても反省して成長に!!

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