『Q REMASTERED』インタビュー
今回のインタビューでは、数多くのプラットフォームに移植された人気作『Q』についてお届けします。1000問以上のパズルをどのように作り、どのような点に苦労したのかをお聞きしました。見ていきましょう。
『Q REMASTERED』について
解き方無限大。
大人もこどももみんな夢中になれる。
物理演算パズルの金字塔「Q」がNintendo Switchに登場!
あなたが描いたかたちでお題をクリアする、
すごくシンプルだけど一筋縄ではいかないQを1200問以上収録。
全て解きかたは自由です!あなたは
コップからボールを出せますか?
ボールを壁に当てられますか?
一体なんのこと?
自信があるならぜひチャレンジしてください!【新ステージ】
本作にのみ収録の新規20問「HELL」ステージは
作者も全問クリアできない過去最凶難易度!
本当に解けるのか誰も分かりません。【描きやすい】
タッチ操作を改良した今までで最も遊びやすいQ。
ジャイロ操作やボタン操作にも対応しTVモードやテーブルモードでもお楽しみいただけます。
■開発について
●最初に『Q』シリーズについて教えてください
2015年にスマホアプリとしてリリースした物理演算パズルゲームです。
シリーズとしては3DS、XboxOne、スマホでもスマパス、アップパス、楽天、また、天才バカボンとのコラボで単体アプリとしての展開があります。
Q自体、コラボ問題やお客様から募集した問題などを追加し、ボリュームとしては現時点で1500問ほどになっており、ユーザーが自分で作った問題をQの中にアップロードできる「Qcraft」というアプリもあるので、それも併せれば問題数は何十万問もあることになります。
●開発のきっかけについておしえてください。
カジュアルゲームの宿命ですが、スマホ版はダウンロードや売り上げも低迷してからは長らく更新もしていませんでしたが、Nintendo Switchで続編の開発に着手することになり、Qの存在を改めて知っていただく意味も込めて、まずは「最初のQ」のリマスター版をこの度リリースすることになりました。
●開発チームは何人くらいでしたか。
実際に手を動かしてゲームを作る中心メンバーは自分含めてほぼ3人ですが、プロモーションやウェブ関連など、世に送り出すまでの色々な担当を含めると十数人ほどが関わっています。
●また、どのようにして集まったのでしょうか。
デザイナーはスマホ版の頃から一緒にやっている担当者ですが、それ以外は担当案件の状況とか、都度声をかけて部分的に手伝ってもらったりという普通に会社的なアサインの感じです。
●開発で苦労されたところは?
移植に当たっては今回1200問程度を手分けして全問チェックを行いましたが、まず思い当る大変な作業はそれ。
あとは読み込みを高速化する部分はプログラマーが苦心した部分です。
●ゲームエンジンは使っていますか?
Unityです。
■ゲームについて
●本作のおすすめのポイントを教えてください。
タッチパネルに指で直接描く操作はスマホ版同様にQの基本的なプレイスタイルとして最もオススメしたいのですが、これがスマホ版より格段に描きやすく強化されておりますので是非体感していただきたいのと、これまで強くプッシュして来なかったものの、開発メンバー内ではスマホ版の頃から認識を同じくしている重要なポイントがQは「他人のプレイを見るのがとんでもなく面白い」ゲームだという点。
プレイしている人が「どういう動きを発生させたくて、その形を描いているのか?」が手に取るように判るからです。
文字面からは何を言っているのかあまりピンと来ないかもしれませんが、それは「その人の頭の中を覗ける」ということであって、それがこんなにも面白いか!?というくらい笑えます。
ですので是非ご家族など、近しい方と遊んでみて頂きたいです。
そういった特徴があるので動画配信者の方にも題材としておすすめですし、視聴勢の方は色んな動画を見てみるのも面白いと思います。
…が、見てたら絶対自分もプレイしたくなりますよ?
あとは今回Nintendo Switch版のみに収録した新規問題、数年ぶりにQの問題を作りましたが、過去最凶難易度をテーマに、作者の私が解けない問題をそのまま出しておりますのでこれまでQを遊んでくださった方にもぜひ挑戦して頂きたいです。
●開発者も全問クリアできないHELLステージは手ごわそうですね。
「ゲームデザイナーから全人類への挑戦」というのがスマホ版当初からのキャッチコピーで、
Qは「難しい」をセールスポイントにしています。
当時も、作者が解けない問題があるから解けるもんなら解いてみな!という煽り文句は成功しましたが実を言うと実際には私は全問解いていました。
デバッグもあるので当たり前ですが。
ところが今回こそは私が本当に解けない問題がHELLの中にあります。
フラグだけ絶対に正しい状態にしてクリア可能か検証せずに世に出しています。という試み。
「ゲームデザイナーから全人類への最後の挑戦」とPVの中で謳っていますが、というよりは
「全人類に検証のお願い」というほうが正しいかもしれません。
どれが解けない問題なのか?いくつあるのか?はつまらなくなるので言いませんが、是非全問クリアに挑戦してみて頂きたいです。
あなたが宇宙の中でただ一人の「解ける人」になれるかもしれません。
●動画配信用の素材がサイトに用意されていますが、動画の収益化などもOKでしょうか?
全然OKです。
その際は是非本作を視聴者の方々にお勧めしていただきたいですし、他の配信者にも勧めて欲しいです!
今回PVを何本か作りましたが、なかなか面白い仕上がりになっているので、そんな感じでプレイ動画をカット&ペーストして、ヘンカッコいい?動画を作ってみるのも面白いかもしれません。
どんどんQを拡げて頂きたいです。
●本作の今後について教えてください。
まず直近はマウス操作できるようにするアップデートを行います。
スマホ版のようにコラボ問題の取り組みがあるかどうかは未定です。
お声がけがあるか次第ですね。
■会社(開発チーム)について
●チームの紹介をお願いします。
株式会社リイカのゲーム開発部と申します。
カジュアルゲームを作っています。
Qは続編も開発中ですのでよろしくお願い致します。
●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします。
Q以降ちょいちょい耳にするようになった(ような気がするだけ?)「物理演算ゲーム」というジャンルですが、まだまだドメジャーなジャンルというところまで行ききっていないので将来性があるカテゴリーなのでは?と思います。
ご存じのとおり処理負荷が高いのでハードのスペックが上がれば表現できることも増え、物理演算を活かしたゲームシステムのアイデアは実現の幅も拡がると思います。
ハードの進化は今後グラフィックがキレイになるくらいじゃないか?みたいな意見をネット上で目にすることもありますが、自分は物理演算の処理能力向上に着目しています。
水、紐、布とか、身の回りの当たり前の物体をリアルに挙動させることが出来るようになると、
見た目地味なんだけど「すげー!」ってなるものが見られる、触れる、ようになります。
物体がリアルな転がりかたをするというだけでなぜか心が動きますから、そうするとゲーム表現のサプライズは一旦壮大な方向から、身の回りの物を動かす地味なところに戻ってくるのかもしれません。
スマホでもPCでもゲーム機でも、新しい場が出てくる度に物理演算はどのくらいまで出来るようになったか?に注目しておくと実現できることが増えるだけなので、アイデアの枯渇なんかも気にする必要が無く気楽かもしれません。
●ありがとうございました。
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