Google Play ベストオブ 2020受賞作『忘れないで、おとなになっても。』インタビュー!ボクセルアートと昭和の街並みの組み合わさった本作について迫る

『忘れないで、おとなになっても。』インタビュー

今週のインタビューは『忘れないで、おとなになっても。』をお送りします。ボクセルアートで描かれた少し古い町並みやアイテムが数多く登場するこの作品と、開発をしたGAGEX社に焦点をあてたインタビューをお送りします。今回は、GAGEX社代表の井村剣介さんにご回答をいただきました。さっそく見ていきましょう。

『忘れないで、おとなになっても。』について

「忘れないで、おとなになっても。」はノスタルジックな昭和の世界を舞台にした”シネマティック・アドベンチャーゲーム”。
ため息の出るような、美しくも懐かしい「あの頃」の街並みを舞台に、ひとりの少年ミナトの、ひと夏の不思議な冒険がはじまります。

本作は2020年2月よりスマートフォン向けに世界中で配信し、Google Play Indie Games Festival 2020「トップ3」ならびに特別賞「avex賞」を受賞、さらにGoogle Play ベストオブ 2020にて「2020:インディー部門」にも選出されたアドベンチャーゲームです。
Nintendo Switchでは、アプリ版のストーリー完結後の「後日談」が語られる新エピソードに加え、新しい「コレクションアイテム」を追加した「完全版」としてお届けします。

【ストーリー】
どこにでもある小さな町『加賀美町』
母と妹と共に訪れた、ひとりの少年『ミナト』

彼には密かな計画がありました。
それは、この町にいるはずの父を探すこと。

ある、目的のために。
ようやく父の手がかりを見つけるミナト。
しかし…。

手に入れたのは、父から託された謎の手がかり『七不思議ノート』

ノートに導かれ、ミナトは、はるかに遠く険しい旅路に出発します。
向かう先は、父と母が出会った「あの頃」の加賀美町。
そこは…33年前の世界!

■開発について

●開発のきっかけについておしえてください

「GAGEXらしい新作」を作りたいという思いがスタートです。
ノスタルジックな舞台設定、ナラティブなゲームである、という従来作の特徴に加えてアートの面でも新しいことにチャレンジしてみたいと考え、Voxel3DによるADVという企画に落ち着きました。

スマホ版はおかげさまでAppStoreで4.8点(1.1万件)と好評で、続編やシナリオ追加のご要望を多数いただきました。また、スマホの縦画面とタッチ操作ではどうしてもプレイにストレスを感じさせてしまうことを残念に思っていました。
横長の画面とゲームパッドで操作できるデバイスへの移植は念願でしたが、知人のインディーゲーム開発者から、市場性や移植の難度といったお話を聞いているうちに本作でもイケるんじゃないかと考え、Nintendo Switch、Steam版に移植することにしました。

●GAGEXらしいとは、具体的にどういうものなのでしょう?

実は……答えはなかったのですが、GAGEXを特色のあるものを作る人たちだと思ってもらえるようなものを作りたいと考えていました。それで、自分たちの得意な物語性のあるものを作ろうと考えました。

●開発チームは何人くらいでしたか

開発当初はデザイナー2名、エンジニア1名、プランナー1名という構成でしたが、開発が進むに従って不足してきました。社外のエンジニアさんや学生インターンにも活躍してもらい、最大時で10名程度のチームになりました。

●インターン生に参加してもらったのは、どういう経緯から始まったのでしょう?

これまでもアルバイトやインターンで学生には開発に参加してもらっていて、弊社の戦力になっていました。職種はエンジニアでのべ3人。プランナー2人。時間は長くかかりましたが、結果的にうまく行きました。

●開発の皆さんはどのように集まったのでしょう?

弊社社員が5名いたのに加えて、学生エンジニア・プランナーはインターンとして採用し開発に参加してもらいました。社外の外部エンジニアさんは、私(代表の井村)が知人に声をかけた経緯です。

学生は、リモートになって難しいのですがインターンのサイトで募集をしました。

●開発で苦労されたところは?

内製チームはほぼ素人の集まりだったので、あらゆる面で苦労しました。3DでもVoxelならそんなに大変ではないのでは…と当初考えたのですが、まったくそんなことは無く、試行錯誤にかなりの時間を要しました。

●当時の風景はどのように作っていったのでしょう?

鉄道模型などに昔の建物があって、参考にしたり、小物は特徴を出していきました。昭和60年をイメージしています。そのころの私は、作中のミナトくんに近い年齢ですね。

●気に入ってるボクセルを教えてください。

プラモデルのパロディが実は気に入ってます。パロディのチョイスが渋いんですよね。心霊写真も結構好きですね。

●ゲームエンジンは使っていますか?

Unityを使っています。

■ゲームについて

●本作のおすすめポイントを教えてください。

企画コンセプトは「心にしみる、ひと夏の昭和冒険奇譚」です。毎日が冒険だった「あの頃」。誰にでもある懐かしい思い出。もしあの頃に戻れるとしたら、何をするのか。現代から1980年代にタイムスリップした少年を待ち受ける運命、その決断とは!? ぜひ少年「ミナト」の、ひと夏の不思議な冒険を追体験してみてください。

●ボクセルアートの力の入れようがすごいですね

ありがとうございます。Voxelアートで昭和の町並みを構築するのは本作で特にこだわった部分です。

●昭和の町並みをボクセルアートで作るのはたいへんだったのでは?

昭和の町並みを担当したデザイナーは平成生まれですが、懐かしの風景を題材にした写真や、実際にジオラマを作って参考にしました。

●街を調べると懐かしいものがいっぱい出てくるのがいいですね

昭和生まれ世代にびびっとくるレトログッズが所狭しと登場します。おもに1980年代のアイテムですが、10代、20代の方にもひと昔まえにホントにあった身近なファンタジーとしてお楽しみいただけるようです。

●本作の今後について教えてください(セールやアップデートなどがあれば)

3/17-27の期間、Nintendo SwitchSteamで20%OFFのセールを予定しています。この機会にぜひ触れてみてください。

■会社(チーム)について

●チームの紹介をお願いします

私(代表の井村)が2011年にスクウェア・エニックスから独立し、株式会社GAGEX(ガジェックス)を創業しました。起業当初は受託開発やコンサルティングを行っていました。その後2014年にスマホ向けの自社パブリッシング事業を始めました。第一弾『心にしみる育成ゲーム「昭和駄菓子屋物語」』がスマッシュヒットしまして、以来これまで20タイトル程をリリースしています。モバイル向けゲームが中心ですが、本作で初めてNintendo Switch / Steam版を開発しました。2022年3月現在、社員5名で活動しています。

●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします

プレイした人の心に残る良質な作品を今後も作っていきたいと思います。
加えて、しっかりと利益を出して経済的な意味でも安心して前向きにものづくりを続けていこう、というのが会社の考え方です。
実現のためには個々人の高い能力が前提となりますが、われこそは、と腕に覚えのある方は是非ご連絡ください。

●ありがとうございました。

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インディーゲームインタビュー様々なインディーゲームクリエイターに開発したゲームについてお話を伺います。#インディーゲーム #開発の苦労話 #フランス #アドベンチャー #『放浪者 フランケンシュタインの創りしモノ』[…]


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※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)

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