『幽限御界堂探偵社 1章』インタビュー
『幽限御界堂探偵社 1章』は北海道のゲーム会社ロケットスタジオが開発から発売までを手掛けたオリジナル作品。ジャンルは謎解きホラーアドベンチャーで2022年3月24日に発売しました。ロケットスタジオは様々なゲーム開発に携わっていますが、『幽限御界堂探偵社 1章』の開発の経緯はユニークなものでした。どのような経緯で開発がはじまったのか、さっそく見ていきましょう。
『幽限御界堂探偵社 1章』について
【全体のあらすじ】
神無市という街には、
不可思議な事件が多発していた。
しかし、犯人は一切見つかっていないにも関わらず
その不可解な事件がぱたりと止まることがある。
それはある「探偵」がその事件を解決しているからだと
風の噂では言われている。僕らの「在る」を 証明しろ!
調査を進めていき、
怪異が「存在」する理由を突き止め
呪っている原因を証明して、怪異を現世から退散させよう。【第一章 あらすじ】
ある交差点で異様に、
交通事故が発生している場所があった。
その場所ではある「奇妙な噂」が流れていた。夕暮れ時にこの坂を下ると 稀に
子供とも、青年とも、思える声で
同様の「かごめ かごめ」が聞こえてくると
必ず3日後に事故にあって死ぬ……と……。
開発について
──『幽限御界堂探偵社 1章』開発のきっかけについて教えてください。
企画自体は実はプロデューサーの蒲原が前職の時に企画した物なのですが、
色々あってペンディングとなった企画がベースとなっております。
ロケットスタジオに入社した10年ほど前にその時の企画をロケットスタジオの役員にプレゼンして、
当時は会社の状況もあり、オリジナルタイトルを作る体力は無いと判断されて没となった物でした。
ここ数年で会社の体制も変わり、デザイナー等も増えてきたことと、
自社パブリッシュタイトルの開発ラインも今後立ち上げていきたい。
でも役員の承認(予算取り)は難しいだろうと色々考えた末
「仕事とは別になるけどアドベンチャーゲーム作らない?」とスタッフ数名に相談した所、
やりたいと言うスタッフがそこそこ居ましたので、本来の作業はしつつも放課後チームとして開発を進める事とし、会社には内緒でこっそり作り始めました。
──開発チームは何人くらいでしたか?
今回はゲームのコンセプトも「ライトに遊ばせる」でしたので、社内のチームとしても少なく、プログラマー1名、シナリオ1名、デザイナー5名
後はBGMやSE、一部の背景を協力会社さんにお願いしております。
興味を持ってくれたメンバーの殆どが入社1年から3年といった若手で、そういった若いパワーで作られております。
──開発で苦労されたところは?
本業をかかえての開発となってましたので、時間の捻出が一番難しいところでした。
後は話を読ませるゲームなので、キャラクター設定やシナリオの構成、世界観はかなり苦労しました。スタッフと何度も話して、作っては壊してをくりかえしてました。
自分の中では当初、大善はもっとまじめなカッコイイ父親で考えてました。
ですがシナリオ担当の稲葉がいろいろ練って行くうちに、
今のエロ親父的なキャラクターがいいという事で今の大善ができあがったり
各キャラクターの設定や性格、世界観は二転三転しております。
──ゲームエンジンは使っていますか?
現在はNintendo Switchのみでのリリースとなってますが、今後別展開も視野に入れておりましたのでUnityでの開発を行っております。
ゲームについて
──本作のおすすめのポイントを教えてください。
2時間程度でクリアできるので、気軽に楽しめるところ、少年漫画のテイストを沢山盛り込んでいます。開発メンバーがクトゥルフTRPGが好きなメンバーで作っておりますので、このあたりが好きな方でしたらきっと楽しんでいただけると思っております。
──開発の皆さんのお気に入りキャラを教えてください。
スタッフ毎に好きなキャラクターが結構バラバラな印象ですが、やはり御界堂親子は人気です。
オヤジなのにマスコットの座を獲得している大善、主人公なのにめんどくさがりの守丸と、不安要素しかない所もいいと思います。
──第2章の告知もされていましたが、発売はいつ頃でしょう?
2022年夏頃発売を目指して開発の方進めております。
会社(チーム)について
──チームの紹介をお願いします。
ロケットスタジオの方ですと、株式会社ハドソンで昔ゲームを作っていたメンバーが独立して設立された会社となります。弊社社長の竹部はファミリーベーシックのソフトを1人で作ったプログラマーです。古参のメンバーは9割がプログラマーと言う技術者集団の会社でしたここ数年でデザイナー、プランナーともに増え、今はある意味、新生ロケットスタジオと言えるくらい社内は様変わりし、若い社員が力を発揮する場所ができたと思います。「開発が楽しい、会社が楽しい、開発したゲームが楽しい」を実現するべく、毎日開発を楽しんでおります。
──この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします。
今回の開発の話題のネタとしては、「与えられた仕事はちゃんとこなしつつ、会社に内緒でこっそり作る」でしょうか。昭和や平成初期にはよくあったと思いますが、令和でやってるところがやはりネタになるかと。とは言え近年ゲームの開発規模が大きくなり、なかなか作りたいゲームを作る機会、皆でわいわいと作る機会は減ってるかと思います。そんな中、こういった話に楽しそうと付いてきてくれるスタッフに恵まれたなと思います。
「作りたい」を実行して形にするのは大変ですが、是非学生さんは今のうちに行動して、成功も失敗もたくさん経験してほしいです。大人になって失敗しちゃうとホント取り返し付かないこともあるので。それと今回発売しました「幽限御界堂探偵社 1章」各話完結をしている物の章が進むにつれて、この世界の大きな謎が解明されていきます。今後の展開も是非期待していただきたいです。
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