ゲームクリエイター甲子園2024出展ゲームを深掘り!学生ゲーム開発者インタビュー
「ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会」が間もなく開幕します。本イベントには、全国の学生クリエイターが制作した独創的なゲーム作品が集結します。そこで、イベント前に出展作品をピックアップし、その魅力や制作秘話を紹介する特別インタビューをお届けします!この記事を読めば、イベント当日をより楽しむための予習ができるはずです。
第9回となる今回は、「Swingin’!」「Balaft!!」「Bang!Bang!バレット」を手掛けた方々にインタビューを実施。作品の特徴や開発の裏話について深掘りしました。ぜひご覧ください!
振って刺してアドベンチャー、レッツスウィング!『Swingin’!』
【作品紹介】
・棒を刺して運動の向きを変えて進む物理パズルアクションゲーム
──自己紹介をお願いします。
木蓮:ディレクション、プログラム、レベルデザインを担当しています、木蓮と申します。
おおくぼ:おおくぼです。グラフィックデザインやSE、サウンド周りのプログラムを担当しています。
なべこう:なべこうです。BGMの作曲・編曲を行っています。
──制作期間はどれくらいですか。
木蓮:棒を突き刺して運動の向きを変えて進む、物理パズルアクションゲームです。制作期間としてはプロトタイプは3週間、作品は8月から9月半ばまで一人でプログラムを組み、それ以降3人(11月のこのコンテストの提出後にはもう1名参加)で作って、12月現在で制作途中となります。
──制作過程で特にこだわったポイントを教えてください。
木蓮:テンポよく遊べること(失敗してもすぐにやり直せること)、そしてプログラムは頑健性と将来的な拡張性を両立するようにしたことです。
──制作中に苦労したことを教えてください。
木蓮:公式ステージも自作ステージも全てJSON形式で保存するようにしたので、ステージの中に追加したい要素は全て配置から保存、読込から配置のパイプラインに対応させる必要があり、気合いで乗り切りました。また、時間が限られていたので取捨選択が必要でしたが、遊ぶ人の体験を想像することでその優先順位を決めました。
──このゲーム制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
木蓮:学園祭の企画も同時並行で行っていたので、それと合わせて他の人に自分の頭の中のものを伝える技術は伸びたように感じました。また、作業量が多かったので忍耐力というかコーディング作業に対する耐性が付きました。また新たな発想を加えたいディレクターとしての自分と、バグを増やしたくないプログラマーとしての自分のせめぎ合いに慣れることができました。
おおくぼ:「チームでひとつの制作物をつくりあげる」ことそのものが、自分自身の成長に大きくつながりました。全員がずば抜けた個性や特技を持ち、それでいて各々バランスを取りながら協力しあえる。まるでRPGの最強パーティのようなチームメンバーで戦うことができたのは、とても貴重な経験だったと思います。ゲーム制作のノウハウを全く持っていなかった僕は、いわゆる「ゲーム的ここちよさ」を感じるデザインづくりに苦戦しました。それでも仲間と知識を共有し、時に夜遅くまで作業しながら完成度を高めあうことで、満足のいく仕上がりまで持っていくことができました。
なべこう:普段オーケストラの曲を作ることが多いのですが、今回初めて新しいジャンルの音楽(ポップジャズ)に挑戦しました。あとはおおくぼ氏が言ってくれたように、各分野の専門家が集まってスムーズに作業をできたのは新鮮で良い経験でした。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
木蓮:知識に裏付けられた大胆な発想力です。
おおくぼ:どんな期待にも応えられるように努力しています。仲間の追い求めてる夢に対して、常に全力で援助できるのはある種の自分の強みだと考えています。
なべこう:「どこか懐かしい」と「個性的」が両立する音楽を書くことができます。普段は映画の劇伴をしているのですが、その際には映像とのマッチと作曲スピードの速さを評価していただくことが多いです。
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
木蓮:自分の作りたいものが作れる環境を手に入れることです。
おおくぼ:デザインの力で、ふたりの挑戦を可能な限りサポートします!
なべこう:抽象的ですが、自分の芸術性を突き詰め様式と言われるまで精錬させたいです。(と言いつつも、短期的な目標はゲーム業界に就職することです)
──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
おおくぼ:マヌケ感がありつつも、どんな振る舞いをするのかが直感的に分かるようなオブジェクトのデザインとなっています。特にカム機構(ステージ2-1)のメカメカしさは必見です!
なべこう:ゲーム名が「Swingin’!」なことにちなんで、BGMはスイングしています!
木蓮:ゲームシステムとしては、何かに棒を刺している状態から素早く他のものに移ろうとして失敗すると、元の場所に棒を刺しなおすという仕組みがあります。こういった点にも注目してみてほしいです!
協力なしでは生きていけない!『Balaft!!』
【作品紹介】
これは二人プレイの協力アクションゲームです 主人公たちは筏の上でバランスを取りゴールまで生き残ることが目標です ゲームを進めるとバランスを邪魔する障害物が出現します それを排除し無事火山島から脱出しよう!
──自己紹介をお願いします。
宮良:シーンごとのシステム、エフェクト挙動を制作しています。
中村:プレイヤー、障害物周りの挙動を担当しています。
ゆうま:いかだ、シェーダー全般を制作しています。
山口/389:スケジュール管理、仕様書の作成を行いました。
キム:キムソヒョンです。キャラクターデザイン、アニメーションを作っています「。
たぴお:サウンドを制作しています、たぴおです。
──制作期間はどれくらいですか。
宮良:制作期間は1か月です。このゲームは二人プレイの協力アクションゲームです。主人公たちは筏の上でバランスを取りゴールまで生き残ることが目標になります。ゲームを進めるとバランスを邪魔する障害物が出現するので、それを排除し無事火山島から脱出しようというゲームになります
──制作過程で特にこだわったポイントを教えてください。
宮良:職種ごとにあります
プログラマーは物理演算を活用してコンセプトに沿うように筏の細かな挙動を追加しました。ゲーム全体のイメージに沿いつつ一目で海だと感じれるようにシェーダーを作成しました。具体的にはノイズ → ノーマルマップと変換をし、光の反射をよりきれいに表現できるようにしました。デザイナーはオブジェクトの見た目や色味が世界観(トゥーン調)に合うようにこだわりました。プランナーは仕様書を見やすく、わかりやすくなるように作成、活用しました。またSNSアカウントの活用にこだわりました。サウンドでは、BGMは曲の所々の水のSEを入れることで海を表現しました。SEの人物動作やオブジェクトの音は実際に収録し、シンセサイザーを使って音色を組み合わせて制作しました。
──制作中に苦労したことを教えてください。
宮良:企画段階ですチーム全員で考えたのですが一度考えた企画を自分たちで新しく考え直すことになった際に、あまりいい企画を出すことができず苦労しました自分たちがターゲットにさせたいこと、コンセプトをしっかり固めたうえで地道に考えていったことが乗り越えた理由になると思っています
──このゲーム制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
宮良:リーダーは初めての経験だったので、チームをまとめる力や、全体を俯瞰して判断する力が成長したと思っています。
中村:ターゲットからその人にあったコンセプト、面白さの考え方、その面白さからどういう遊びにつなげるかを考える力が成長しました。
ゆうま:ゲーム企画に必要な分析力、オンラインでのコミュニケーションの取り方がうまくなったように思います。
山口/389:いろいろな事に挑戦出来たと思う、Unityでのエフェクト制作や工程管理などができるようになりました。
キム:自分と違う意見に対しての尊重できるようになりました。またフィードバックや書き出す工程について正確なフィードバックや書き出す前の事前準備など今回のチーム制作を通じて学び成長したと思います。
たぴお:コミュニケーション能力があがりました。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
宮良:柔軟性と速さのある判断力と対応力です。
中村:他の人と比べると周りとコミュニケーションを取り、どういう所が問題点でどう解決すればいいと思うなどが言えます。プログラマーとしては高校からプログラミングをしていたので新しいライブラリや言語に慣れやすいというのも強みだと思います。
ゆうま:最後まで粘る気力、オンラインでのコミュニケーションの取り方は負けません。
山口/389:チームが打ち解けて自分の意見を遠慮なく言い合える環境の構築がはやいです。
キム:ゲーム企画に沿ったキャラクターデザインとモーションです。トゥーンのようなデザインを目指してデザインしました。また、キャラクターの基本アニメーションは勿論、帽子や武器などの重さも表現しようとしましたので強みだと思います。
たぴお:人を楽しませる点に関しては絶対に負けてないと思います。
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
宮良:数をこなして技術力を上げていきたいのでゲームジャムなどにも参加していきたいと考えています。
中村:学生の内に仮想化ジオメトリを理解したいです(できたら自作エンジンにも積みたい)、GPUパーティクルを実装する自分が面白いと思えるゲームを作り続けることです。
ゆうま:ツール制作のようなユーザーが直接触らない部分でチームに貢献してみたいでし。
山口/389:今後はUnityでゲームを自作したり、ゲームに関するレポートを多く書いていきたいです。
キム:アクションのモーションが得意なのでアクションゲームの開発にも参加してみたいと思います。
たぴお:どのようにしたら音楽で人を楽しませられるのか考えていきたいです。
──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
宮良:このゲームは声を出してわちゃわちゃ協力するをコンセプトにしています思わず声が出てしまうような、プレイヤーといかだの動き、実際にプレイしている人の反応などを見ていただけると嬉しいです!
色々な技でぶっ飛ばせ!『Bang!Bang!バレット』
【作品紹介】
時間以内に多くの敵を倒せ!!! 技をうまく使い敵との距離を保ち 敵を吹っ飛ばそう!!! 技はボタンの長押しやタイミングによって切り替わる 色んな技を使い敵に大ダメージを与えよう!!!
──自己紹介をお願いします。
坂内:坂内柊真です。 学校法人情報文化学園アーツカレッジヨコハマと言う専門学校でプログラミングの勉強をしています。現在DirectXを使用してゲーム制作をしています。今回は個人で3Dのアクションゲームのプログラミングを担当しています。
──制作期間はどれくらいですか。
坂内:このゲームは銃を使って敵を倒す3Dアクションゲームで、攻撃ボタンを押すタイミングなどで攻撃方法が切り替わります。このギミックを使って敵をうまく倒して楽しんでもらうのを目的としています。攻撃によってはパワーを溜めて攻撃するチャージ攻撃もあり、より操作感を楽しんでいただけるように制作しました。制作期間は2024年の6月ごろからの制作で約6ヶ月間で制作しました。今後も制作して行く予定です。
──制作過程で特にこだわったポイントを教えてください。
坂内:こだわったポイントは、攻撃してる感を出すところです。攻撃するときに画面を揺らしたり、強力な攻撃をした際に発生する反動、コントローラーの揺れなど、他にも色々攻撃をしている感を出すために工夫をしたところです。他にも攻撃が切り替わる部分は、制作途中の時に切り替えるのが難しいと多く意見をいただいたので、なるべく切り替えやすくできるように工夫しました。
──制作中に苦労したことを教えてください。
坂内:苦労したところは、制作途中で攻撃方法の仕様を変更したところです。銃を使うところは同じだったのですが、照準を合わせて攻撃するように制作していたので、そこから変更したのが苦労したところです、私はなるべく時間がかからないようにソースコードを変更するようにし、変更時間を短縮させることができたので、乗り越えることができたと思います。
──このゲーム制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
坂内:今回の制作を始めた頃は、まだ3Dでの制作に慣れていなかったと自分で感じていたのですが、制作を進めて行く過程で少しずつ慣れていったように感じました。私はこれからも、多くの技術を吸収していきたいです。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
坂内:私はこのゲームを一人で制作しているので、複数人でゲームを制作している方よりは、制作時間や自分が制作で担当した量が多い部分が強みだと思っています。
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
坂内:目指している目標がゲームのプログラマーになることなので、企業の方の目に留まるような技術やゲームの要素を追加して行くことが、今後の挑戦です。またその過程で、ソースコードをより見やすいコードにしていきたいと思っています。
<──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
坂内:私は今回のゲーム制作では、攻撃方法を切り替えて戦う部分がこだわって作った部分なので、攻撃の操作感や攻撃方法が切り替わるところを見ていただきたいです。また、ゲームの内容についても現在こだわって作っているので、このゲームがどれだけ面白いかも見ていただきたいです。
「ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会」に行こう!
「ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会」では、他にも個性豊かな学生作品が多数出展されます。当日はぜひ実際に作品を体験し、学生クリエイターたちの熱意と創造性に触れてみてください!
今回の紹介記事が、イベント当日への期待を少しでも高めるきっかけになれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
当日はぜひ、実際にゲームをプレイしながら、制作者たちの思いを感じてみてください!
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ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約7600人参加(2023年12月現在)
スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
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