8月23日~25日に開催されたCEDEC2022。楽屋でまったりで事前に行ったアンケートを元に、様々なセッションのレポートをお送りします。
今回はゲームクリエイターズギルドを運営する株式会社STANDの代表取締役 宮田が登壇した『学生インディーゲームクリエイターの現況/トレンドとそこから見えるゲーム業界の未来』の内容を振り返ります。
若手クリエイターの育成に関心のある方必見です!
2年で3000名の学生ゲームクリエイターが参加した「ゲームクリエイター甲子園」が伝えたい学生インディーゲームクリエイターの現況/トレンドとそこから見えるゲーム業界の未来
株式会社STANDが運営するゲームクリエイターズギルドでは、ゲーム業界の将来を担う学生ゲームクリエイターの育成を「ゲーム業界の未来を創る」重要なミッションとして捉え、年間を通して学生がゲームクリエイターとして成長するインディーゲームコンテスト「ゲームクリエイター甲子園」を毎年開催しております。
昨年開催した「ゲームクリエイター甲子園 2021」には、学生インディーゲームクリエイター約1500名のエントリー、約700作品の応募がありました。
本セッションでは、累計3,000名以上のゲーム業界やゲームクリエイターを志望する学生をサポートしてきた体験や、参加学生に対して実施したアンケート結果をベースに、学生ゲームクリエイターのゲーム開発における現状とトレンドをデータと事例、生の声を交えて紹介します。
また、今後のゲーム業界のより良い未来を作っていくための、学生インディーゲームクリエイターとゲーム業界の協同の可能性などについての提案も行います。
受講スキル
※プロ・アマ・学生など問いません!
- ゲーム業界に携わっているクリエイター
- ゲーム開発に興味があるクリエイター
- クリエイターの教育、育成に興味がある方
得られる知見
- 学生クリエイターのゲーム開発/業界に関する現状認識
- 学生クリエイターのゲーム開発に関するチーム体制や制作作品数、エンジンやツール、プラットフォーム等の統計データ
- 日本の学生クリエイターのゲーム開発の現状理解を通した日本人ゲームクリエイターの未来像や改善点に関する考察
- 学生クリエイターによる”就職”に対する志向
- ゲームクリエイターを志す学生の学生時代のモデルケース
ゲームクリエイター甲子園とは
ゲームクリエイター甲子園は、株式会社STANDが運営する「ゲームクリエイターズギルド」が主催の、ゲーム制作に関わる学生クリエイターのためのゲームコンテストです。コンテストの出場者は全国の専門学生や大学生をメインに、小中高生などさまざま。
2019年から始まったこのコンテストは、2021年には参加学校数214校、応募作品数670作と、年々参加団体が増えてきています。
前提情報
学生クリエイターのゲーム開発に関する現状
ゲームクリエイター甲子園に参加された方に「過去に何本ゲームを制作されたか」をアンケートしたところ、以下のような回答結果が得られました。
またプレイアブルなゲーム応募者の制作チームの人数傾向としては、平均値で3~4名、中央値は6~9名という結果が出ました。
専門学校で大規模開発チームを組んで制作されることも多いため、最大人数が大きく振れている傾向にあります。
一方で個人制作や少人数制作の数を見ていただくと分かるように、毎年およそ半数の方が個人で制作されています。また少人数チームのほとんどは、平均3名以下で制作していることが多いですね。
応募作品の利用エンジン内訳
ゲームクリエイター甲子園に応募いただいた作品のうち、Unityを利用した作品は全体の約6割以上を占めています。
また、ほとんどの学生がアセットを活用している傾向にあり、使用率は約88%という結果に。主にSEや効果音、BGMなどのサウンド周りで活用されることが多く、次いでグラフィック関連でもアセットを利用している学生が多いことが分かりました。
開発ゲームの対応デバイス
ゲームクリエイター甲子園に応募された作品の対応デバイスとしては、2021年、2022年共にPC向けのゲームが9割を占める、という結果が出ました。
パブリッシング(一般販売)経験について
「制作したゲームをプラットフォームでリリースした経験はありますか?」というアンケートに対し「あり」と答えた方は7.9%に留まっています。
ゲームクリエイター甲子園の応募作品もプレイアブルでゲームボリュームも十分な作品が揃っているものの、パブリッシングまでトライしている学生はまだ少ないのが現状です。
ゲーム開発に関するハードルについて
ゲーム開発のハードルに関してアンケートを行ったところ、以下のような意見が多く挙げられました。
- 担当外のプログラムやUI、デザインなどの素材の準備や人員の調達に時間を要した
- どこまでフリー素材やアセットを使うか判断するのが大変だった
- チーム内の管理やコミュニケーション、イメージの意思統一が難しかった
- おもしろい、オリジナルな企画を考えるのに苦労した
- 企画通り、仕様通りに作るのが難しかった
- ストア配信を行う際の手続きやお金周りのことを決めるのが大変だった
- 端末の画面比率の違いによるUIの調整が大変だった
- テストプレイ・ビルドが難しかった
- タップやフリックなどモバイルで限られた動作の中で遊び心地を調整するのが難しかった
就業後の個人クリエイターとしての制作意向
「就業後に本業以外でもゲーム制作をしたいですか?」というアンケートに対し「とてもそう思う」「ややそう思う」と考えている学生は、全体の約7割という結果になりました。
第一部のまとめ
学生クリエイターの就職に関する現状
学生クリエイターがゲーム業界への就職に関してどのように思っているか、アンケートを取りました。
基礎情報
ゲーム会社の認知度
「ゲーム会社と聞いて思い浮かぶ会社はいくつありますか?」という質問に対する回答は以下の通りです。
ゲームクリエイター甲子園に参加されている学生クリエイターはかなり熱量が高い印象なのですが、過半数の学生さんが多くても10社程度のみ知っている、という結果でした。
この結果には就活をされている学生さんも含まれるので、中には20社以上知っている方もいらっしゃいましたね。とはいえ、全体的にもう少し認知数が多くても良いのかな、という気持ちではあります。
今後どういう会社で働きたいか
「就職先を確定するときに決め手になる/なったと思う項目は何ですか?」というアンケートに対しては、以下の通り。「認知度の高さ・会社の規模感」ではなく「自分に合っているか」を重視している学生が多いことが分かりました。
第二部のまとめ
おまけ「学生が憧れている/参考にしているゲームクリエイターとは」
「憧れている/参考にしているゲームクリエイター」についてアンケートを取ったところ、熱量高くゲーム業界を志望している学生でも6割近くが「分からない」と答えていたのが驚きでした。
個々のクリエイターブランディングには、まだまだ対策の余地がありそうです。
全体のまとめと考察
ゲームクリエイターズギルドでは成長型コンテスト「ゲームクリエイター甲子園」を絶賛開催中!
そして「ゲームクリエイター甲子園」から生まれた新レーベル「Seeds by Game Creators Guild」を設立しました。第1弾タイトルとして『ボルカノン』がリリースされています。
ゲームクリエイターズギルドはこれからもクリエイターの支援・育成から業界全体を盛り上げていきます。
Tweet to @gcg_miyata
登壇者
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宮田 大介
株式会社STAND 代表取締役
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<講演者プロフィール>
株式会社オルトプラスで、モバイルタイトルのディレクター、プロデューサーから、プランニング部門長、第二ゲーム事業部の事業部長等を経て、韓国・中国での3拠点でのゲーム開発事業の責任者や高知でSHIFT社とのJVであるSHIFT PLUS社の立ち上げを歴任。その後、アライアンス事業部の執行役員として各種ビジデブや新規事業の立ち上げを行う。
2021年に株式会社STANDとして子会社化。ゲームクリエイターが自分らしく生涯活躍できる世界を目指して、クリエイターコミュニティのゲームクリエイターズギルドなどを運営している。
<受講者へのメッセージ>
株式会社STANDが運営するゲームクリエイターズギルドでは、ゲーム業界の将来を担う学生ゲームクリエイターの育成を「ゲーム業界の未来を創る」重要なミッションとして捉え、年間を通して学生がゲームクリエイターとして成長するインディーゲームコンテスト「ゲームクリエイター甲子園」を毎年開催しております。
昨年開催した「ゲームクリエイター甲子園 2021」には学生インディーゲームクリエイター約1500名のエントリー、約700作品の応募がありました。
本セッションでは、累計3,000名以上のゲーム業界やゲームクリエイターを志望する学生をサポートしてきた体験や参加学生に対して実施したアンケート結果をベースに、学生ゲームクリエイターのゲーム開発における現状とトレンドをデータと事例、生の声を交えて紹介します。
今後を担う学生クリエイターの現状を知り、みなさんと業界の未来を考えていくきっかけにできれば幸いです。
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※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)
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