元カプコンPから更に学ぶ!より良いゲーム企画書の作り方【応用編レポ】

元・カプコンのゲームプロデューサー・加藤秀樹氏が、これまでプロジェクトに携わり培ったノウハウから「企画書のつくり方」をお伝えする大人気シリーズの応用編が開催されました。

今回は前回の内容からもう一歩踏み込んでマーケティング視点を持った企画書への落とし込み方をお伝えします。
”マーケティング”と言うとプランナーの仕事ではない、企画を考える上では必要ないと思いがちですが、実は企画はもちろんデザイン、サウンド、システム全てのパートでベースになる部分です。

多くのユーザーに響くものを考えるには「そもそも何故このゲームをユーザーが遊ぶのか?」「どれくらいのレベル設定なら楽しんでもらえるのか?などを考慮をする必要があります。 新しいアイデアを考えるフレームにも、さらに自分のアイデアの裏付けにもなるマーケティングをわかりやすく丁寧にお伝えします。

登壇者ご紹介

加藤 秀樹氏 みちしるべ代表

1997年レッドカンパニーに入社、コンテンツプロデュース・企画・広報を学ぶ。
ここからゲーム人生が始まる。
その後カプコン、マーベラスエンターテイメントではプロデューサーとして自身のタイトルなども手がける。現在はソーシャル・コンシューマ問わず企画立案からプロデュース・運営などにも従事。その他、流浪のゲームプロデューサーとして活躍中。

西田 悠貴氏 GCG 公式フェロー 教育コンテンツアドバイザー

玉川大学卒業後、株式会社B.C.Membersを立ち上げ「UIデザイン」を中心に手掛ける。
UIデザインを作り続けるうちに、「どんなにUIデザインが綺麗でも、UX設計なくしてプロダクトの成功はない」とUX設計の重要性を強く感じ始め、UXそのものの研究とUX設計事業を開始。
現在はB.C.Membersにて自らもUX設計に携わる傍ら、デジタルハリウッド大学院に所属しUX研究チームを立ち上げ、UXに関わる研究を行っている。

ゲームクリエイターアカデミアではゲームクリエイターの思考を分解し、知識やノウハウを引き出す役割を担う。

元カプコンPから学ぶ!
マーケティング視点で見る企画書の作り方

今回から椎名木 るかちゃんも参加!

プランナーにとってのマーケティングとは

加藤マーケティングと聞くとどう思いますか。

椎名木何十代に向けた~みたいな?

加藤販売やコンサルティングの方の仕事じゃないのと思っている方が多くて。実はどのパートにも必要な仕事だよ、というのをお伝えしていきます。

企画書_なぜこのゲームを手に取り、何を思ってくれるかをまとめたもの。
「タイトル」「コンセプト」「世界観」「ゲームの目的」「キャラクター」「アイテム」「操作方法」「画面」「遊ばせ方」
椎名木こんなに考えないと企画書できないんだ!
西田おそらく、たくさん考えているように見えるけど、根本的にはマーケティングという1つのことを中心に考えているのでしょうか。

加藤マーケティングをしていくとたくさん思いつくので、それを具現化していくとこのように増えていきますが実際はもっとあります。


加藤例えば何か新しいものを買うとき、商品の情報・状況を調べ、まとめて次にどうするか指針を立てることが、もうマーケティングなんです。

西田僕たちも普段からマーケティングをしているということですか。

加藤そうなんです。知らぬ間にやっているんです。もしかしたら企画書に取り入れているかもしれないけど、気付いていない部分、それに気付けたら企画書にもう少し味が出るのではないかなと思います。
今流行っているからやってみようという簡単な理由で購入につながったり、そういったユーザーが考えていることを予測して、自分の企画にエッセンスとして取り入れてみるのがマーケティングの1つとなります。

【ポイント】
ユーザー(遊ぶ人)が何を考えて買うか
その要素を組み込んでいくのがマーケティング
加藤自分独自のマーケティングなんで、もう少し必要なことが、客観視していかないといけないことなんです。「こういうのが好きでしょ」「こういうのは自分は得意じゃない」と自分の押し付けてになってしまっては、自分の分析したものがどこまで他の人が好きか嫌いか客観視していく。既に発売されているものや発売が予測されているもの、こういうものを見ていくとどういうデータが取れるかわかるので、自分で数字をまとめてみると今後の展開が予測できるようになります。

【キーワード:温故知新】
昔の事柄を今また調べなおしたり考え直したりして、新たに新しい道理や知識を探り当てること。

今考えている企画/リリースされているものを過去のものと比較してメリット・デメリットを抽出させた上で次の企画を考えていく

 

マーケティングと企画書

加藤商品としての企画書で必ず必要になることは「ユーザー目線」です。クリエイターの目線で作っていかないと同じものばかりになってしまうので、そこはエッセンスを入れてもらわないといけないんですが、クリエイターの意見を押し付けるそんなゲームもあります。「この人が作ったからどんなものでも楽しもう」というのもあると思います。それはよっぽど尖っているか、好みが合う人以外は共感を得にくい。それよりは、多くのユーザーに響くものを考えるというのがマーケティングの大事なところになります。

多くのユーザーに響くものを考えるにはマーケティングが必要
なぜこのゲームをユーザーが遊ぶのか
どのくらいのゲーム量なら楽しめるのか など

現状の他社タイトルの事前登録者数や人気、ジャンル、プラットフォームなどこれらを調べる
加藤これらのデータを新しい要素として企画書に入れるともっと具体化して、ゲームの難易度も伝わりやすい説得力のある企画書になります。
自分が作りたい企画をもっといいものにしようと思って企画を書いてもらいたいです。
椎名木私はマーケティングしていたんだって自信持てました!
加藤今の流行りをそのまま作っても仕方がない、でも僕が1つ言いたいのは、流行りに乗るのも1つだけど、流行りを未来に運んでいく上で、新しい流行りを作る。これも温故知新ですが「流行り´」か「流行りB」って違うものになって新しい流行りを作れるかもしれない。未来を見据えたリリースができるかもしれないので、温故知新と今はもう過去ということを覚えておいてほしいなと思います。
アクションRPGやアイドル育成などが流行っている現在。1年後に同様のものをリリースするとして、ユーザーが購入してくれるために何をすれば良いか。
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根拠のある企画書へ

・ユーザー目線_手に取る方のイメージが出来ている
・情報収集_どんなものが流行っているか。レビューや売り場で見てみる
・分析とアレンジ_分析した結果アレンジして自分の考えに取り入れる
・自分の企画に固執しない_誰かに相談して自分だけの考えに閉じこもらない
・柔軟性_相談した内容を取り入れる柔軟性
加藤この上記の5つで企画書がだいぶ固まってくると思います。企画書の区切りとして、次のステップに移る際に自分に対して納得した決断や根拠を与えてくれるものがマーケティングだと。
西田ありがとうございます。マーケティングって難しく捉えがちですが、実は普段から私たちもマーケティングをしていたんだと気づくことができました。自分のためにも必要なんですね。自分で何かを決めるときにここまでマーケティングをしたんだからと区切りが出来て次に進めますね。

企画書添削コーナー

参加者の企画書へ直接フィードバックが行われました。
他の方が作っている企画書を見られる機会も少ないかと思います。ぜひ一緒に学びましょう!


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