[ゲーム業界の就活]疑問に答えます!「採用倍率の高い大手ゲーム会社、諦めた方が良い?」

倍率が高い大手ゲーム会社、諦めた方が良い?

ゲーム業界を目指す学生、現役クリエイターのキャリアデザインを応援するゲームクリエイターズギルド。Twitterでは、就活やスキルアップ、キャリア設計に役立つ情報を発信しています。中でも #マシュマロを投げ合おう では、就活に関連する質問に答えています。

ここでは、送られた質問とその回答を掲載するとともに、もう一歩踏み込んだアドバイスや役に立つ情報をお届けします。就活生は必見!

 

就活アカウント(@game4jobhunter)の中の人、毛玉がお答えします。
コンソール・モバイル・ソシャゲと3社でゲーム業界歴16年の人事。ゲームプログラマ経験もあり。IT・Web会社での経験もあり、広くデジタル系就活を知る国家資格キャリアコンサルタント。

 

Q
23卒デザイナー志望です。
ゲーム会社の大手(いわゆる上場企業)のデザイナー採用倍率はおおよそどれくらいなのでしょうか…。私はパブリッシャーへの就職を希望しているので大手へのエントリーが多くなってしまうのですが、友人やカウンセラーの方から倍率がとても高いと聞いていて、ちょっとビビっています…。

A
バンダイナムコスタジオの倍率は約132倍、プラチナゲームズは約572倍。
採用倍率は非公開のためリクナビ2022記載の数字から推測すると、この数字が出てきます。詳細を説明すると、バンダイナムコスタジオがプレエントリー10,609名、採用予定人数40名で265倍…。実際は半分5,300名がエントリーしたとして132倍。

ガンバリオンのプレエントリー4,839名、半分エントリーで採用人数5名で、193倍。プラチナゲームズがプレエントリー17,160名の半分8,580名、採用人数15名で572倍となります。

正確なエントリー数と複数社応募が不明なので、実際はもう少し低いとは思いますが、狭き門だということが分かりますね…。あなたはこの数字を見て諦めがつくのか、それとも負けん気おこして頑張れそうか、どちらでしょうか。

最初から高倍率だからと諦めてしまうと、何も始まりませんし、あまり周りを気にせず、企業研究やES作成、自分の作品のブラッシュアップに時間をつぎ込んで全力で向き合うと良いでしょう。そして、念の為に他の業界にもエントリーしておいてはどうでしょうか?

10社を受けてすべて受かる人と、10社とも落ちる人が混在する

企業ごとに採用の選考フローは異なるので、一概に通過率を答えられないのが正直なところです。それでも企業側の視点で見れば、1人を採用するのにエントリーを100人集めて選考するイメージで、「10人採用するなら1000人のエントリーが必要」と考えます。

倍率で言うと100倍となりますが、この中には「何となく興味があるだけ」という層も多く、実質的には50%を切るかもしれません。ただ、10社を受けてすべて内定が出る人と、10社とも書類選考を通過しない人が混在するのがゲーム業界の就活です。

では、企業は選考の際にどんな点を重視するのでしょうか。一つ大事な考え方は、ゲームを作る人は芸術家というより職人に近いということです。

芸術家はお金のことより、自分の作りたいものを作ります。自分自身を表現するのが主目的なのが芸術家です。ですがゲーム作りは、製品としてチーム全体が目指す目標があり、それに向けて力を合わせて作るもの。

いかに「チームの目標の中で自分のやりたいことでプロダクトに貢献できるか」が求められるのです。

メンバーとのコミュニケーションや周りをサポートする力、提案力、そして全力で良いものを作ろうとする姿勢が揃って初めて、ユーザーに届くゲームタイトルが完成します。

そのため皆さん作品に意識が向きがちですが、企業はあなたがどういう人なのか、一緒に働きたい人なのかを知りたいので、エントリーシートの経験はとても重視されます。ゲームやアートに関係なくても、人と接する中で何らかの目標に向かった経験があるのか。

「バイトリーダーを務めていた」「キャプテンやエースだった」といったような、キラキラしたエピソードである必要はありません。

例えば、専門学校の授業でゲームのチーム制作をしていれば、メンバーに対して不満が溜まりませんか?「ダメなリーダー」と言うのは簡単ですが、チームが機能不全になった時に上手く進捗するよう工夫をしたとか、チームをポジティブに努力をする人と一緒にチームになりたいと思いませんか?

もの作りでなくても、部活や文化祭、個人制作展などのチームから学んだこと、感じたことをぜひエントリーシートで教えて下さい。

全員が陽キャで、ハツラツとしたリーダーである必要はありません。人と楽しくおしゃべりするのが苦手ではあっても、必要なことを言葉、テキストで伝える、きちんと聞ける、聞いてわからないことは確認できるというコミュニケーション能力があることをアピールできれば強い武器になります。

見かけ上の倍率がどれだけ高くても大丈夫です!
 

是非、負けん気を起こして頑張ってください。

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