『ゲームクリエイター甲子園 2021』総合大賞佳作の『鏡娘』を取材「みんなで出した三面鏡というアイデア」

鏡の開閉、視点の操作を活用するパズルゲーム

合わせ鏡によって映し出される鏡像に乗ることができるキャラクターを操作し、鏡の開閉、視点の操作を工夫して進んでいくパズルゲーム『鏡娘』は、全30ステージのボリュームに、サウンドトラックとギャラリーも収録した意欲作。『ゲームクリエイター甲子園 2021』で総合大賞佳作、3Dグラフィック部門第3位、また企業賞のアングー賞とクロスフィールド賞に輝きました。

制作チーム『睡眠欲』を代表して、チームリーダーの近藤要さんに作品を語っていただきました。

三面鏡に映った鏡像を視点の移動によって変化させてゴールまでのルートを構築するアクションパズルゲーム。

合わせ鏡によって映し出された「鏡像」を使い、少女を鏡の世界から助け出すゲームです。

プレイヤーの視点によって鏡像の見え方が変わり、ステージを変化させることができます。

美しくも不思議な三面鏡の世界で、鏡像を使い少女を助け出しましょう。

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イジられキャラでみんなのモチベーションアップに

──『鏡娘』の制作チームは15名の大所帯でした。特にサウンド系の担当が5人と多いです。

そうですね。僕たちのチームは学校内でも多かったです。学校のシステム上ではプログラマー、プランナー、デザイナーでチーム編成するのですが、どうしてもサウンドにこだわりたい思いがありました。プログラマーに知り合いがいると言うので頼んだら、僕は1人か2人の想定だったんですけど5人だったんです。「あっ、5人も!」という感じで(笑)。でも、サウンドの担当が1人もいないチームがほとんどの中で、こだわって作ることができました。

──その一方でデザイナーは2人体制です。

2人とも仕事量が滅茶苦茶多くてヒイヒイ言っていたんですけど、頑張ってくれました。2人とも3Dが強くて、3Dキャラクターだけど2Dで見せたら特殊だというアイデアを採用しました。

──近藤さんはチームリーダーですが、役割に「メンタルケア」と書かれていますね。

メンタルケアというか、僕がみんなのサンドバッグみたいな感じで、イラついたらリーダーに当たれ、という(笑)。僕はイジられキャラなので、それを生かしてみんなのモチベーションアップをしようと努めていました。それでチームが上手くいくならいいよ、という感じで。

──『日本ゲーム大賞2021』のアマチュア部門で佳作を受賞しています。ゲーム大賞ではテーマが『メビウスの輪』でした。そこから鏡のアイデアに、どうたどり着きましたか?

「メビウスの輪って何?」から入って概念を理解して、そこからすごく考えました。企画自体はデザイナーの案ですが、僕たちは根本的にメビウスの輪の「∞」を使うのは面白くないという意地みたいなものがあって、ブレインストーミングをする中から合わせ鏡、三面鏡というアイデアが出てきました。

でも、このアイデアを形にするのが難しすぎて、一回考え直そうとなったんですけど、結局は他に思いつかずに「じゃあやるか」って。実際、作るのは相当苦労しました。そこに至るまでに時間がかかりすぎて、「やばい、時間がない!」と言いながらラッシュをかけました。

ゲームシステムを作るのが一番大変でした。最初はキャラクターもカメラも自由に動く形を考えていたのですが、それだと自由すぎて面白くないという意見が出て、そこから今の『鏡娘』のシステムと、もう一つがプレイヤーを自動で歩くようにしてカメラを自分が操作する案が出ました。テストプレーをして、面白かった今回のゲームシステムを採用しています。

──ゲームシステムは2つとも作ったんですね?

迷ったんですけど、先生から「迷うぐらいならどっちも実装して選べばいい」との意見をいただいて、「ああ確かに」と。みんなにブチ切れられながら作ったので大変でした(笑)。本当に、みんなよく頑張ってくれました。

合わせ鏡の中の不思議な世界観をどう表現したか

──そんな厳しい制作の中で、こだわった点はどこですか?

ゲームシステムはもちろんですが、僕たちは世界観の部分にもすごくこだわって、合わせ鏡の中の不思議な世界観をどう表現したかを見てもらいたいです。それに加えてグラフィックも結構良いと思っているので、注目していただけたらと思います。

──和テイストの独特な世界観も印象的でした。

デザイナーの中でもともとイメージができていて、それをみんなに共有しました。世界観がデザイナーの中で固まっていたので、そこに僕たちが肉付けしていった感じです。

──何か参考にしたゲームなどはありますか?

実際に三面鏡を買って、実際にどう使うかを試しながら作りました。ゲームだと僕たちHAL内で数年前に日本ゲーム大賞に出した『星座ドロップ』という作品を、ゲームシステムを作る時の参考にしました。スタッフみんながそれぞれ、参考にしているものはあると思います。

──いつかこういうゲームを作りたい、というような夢はありますか?

僕が作りたいのは『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム』や『ドラゴンボール Z KAKAROT』です。アニメ系のゲームが僕はもともと好きで、原作を大事にしているゲームにいつか携わりたいと思います。

 

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受賞まとめ

『ゲームクリエイター甲子園 2021』は参加人数が約1500人、参加作品数は約700となり、65の企業にスカウト・サポートをいただきました。 表彰結果、クリエイターインタビューをご覧ください。 作品紹介ページから作品をダウンロードして遊[…]

 


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※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)

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