2022年3月31日リリース!『ボルカノン』制作チームに突撃インタビュー

学生インディーゲームの祭典「ゲームクリエイター甲子園」で、プロクリエイターの審査員やゲーム企業各社が唸った『ボルカノン』が全面的にアップデートをしてついにSteamでリリース開始!

2022年3月31日リリース!『ボルカノン』制作チームに突撃インタビュー

 

ありっさ
今回は、ゲームクリエイター甲子園2020に応募してくれた『ボルカノン』の製品版リリースを目前に控えたトクシン財団のメンバーにお話を聞いた回です!

『ボルカノン』とは?

『ボルカノン』は2スティックで完結するハイスピードアクション。幻想的で美しい2Dドットの世界と、緻密にデザインされたステージをマグマジャンプで縦横無尽に飛び回ろう!

本作では3Dモデルを使っているものの、エフェクトをかけることにより、ステージ内のオブジェクトが全てドットという統一感のあるグラフィックとなっております。
ハイスピードアクションながらも、装飾やブロックなど細かいところまでこだわりました。

 

ありっさ
頂いたゲームの概要と特徴を纏めさせていただきました!ハイスピードアクションxドット絵グラフィックをウリにしているゲームです。

 

トクシン財団に突撃インタビュー!

 

※メンバー全員が少しずつ喋ってくれたため、全体としてチーム名表記を採用しています

 

ありっさ
突然のインタビューですが、応じていただきありがとうございます!10ヶ月の制作期間を経てリリースとなる『ボルカノン』ですが、どういう理由でリリースに踏み切ったのでしょうか?
トクシン財団さん

元々コンテスト応募に向けて制作していたゲームではあるのですが、せっかくならコンテスト以外にも何かしたいね、となっていた所「商品化しないの?」とゲームクリエイターズギルド(以下GCG)さんに聞かれたのがきっかけですね。

世に出してどれ位売れるのか気になったのと、企画からリリースまで、全行程の制作に関わったものを出せるのは学生のうちの方が社会人になった後よりやりやすいだろうと判断して、挑戦することにしました。思い出作りじゃないですけど、学生最後にやってみるか!という感じです。

ありっさ

なるほど。社会人になった後もインディーシーンに関わり続ける場合は、この経験もきっと活きてくると思うので是非!(インディーシーンに関わっているので、この界隈が賑わうと嬉しい)

ゲームクリエイター甲子園に参加して、ゲーム制作の刺激やモチベ上げになったものはありますか?

トクシン財団さん
ゲームクリエイター甲子園は沢山の学生が出ているので、他の学生や近い年齢の人がどういうゲームを出しているか知れるのはとても良いと感じます。今までは同じ学校の人や、ゲーム大賞の上位作品がほとんどの情報源だったので…あとは、たまにネットですごい熱意で1人で作っている人がいるんですが、横の繋がりがあまりないので、見える範囲が広がりました
ありっさ
あれ、そうなんですね!もっと学校同士の繋がりとかがあるのかと思っていました。
トクシン財団さん

あんまりないんですよね…。あと、ゲームクリエイター甲子園であって珍しいと思ったのが部門賞の存在です。完成品のゲームだけじゃなくてイラストや企画書だけでも参加できるのは良いと思います。

さっきの話にも繋がるんですが、完成品のゲームだけじゃなくて、色々な形で、時には個人の力を見る事が出来るので興味深いのと、自分一人じゃ完成品を作れなくて燻っている人が挑戦のしやすい環境になっていると思います。

ありっさ

そう言ってもらえるのは、すごく嬉しいです!

それでは、リリース準備の話に戻して…リリースに向けて制作をしている中で、大変だった事や印象に残っている事はなんでしょう?

トクシン財団さん

最初コンテスト用に作っていたので、無茶苦茶な仕様がちょいちょいあるんですよね。プログラムも、レベルデザインも、グラフィックも…。総合的に気になる所をブラッシュアップ・改善させながら、同時並行で学校の他の課題や就活も済ませないといけなかったのでシンプルに時間に追われていました。

作業時間はそこまで確保できなかったのですが、考える時間はまだなんとか捻出できたので、対策でき得るものはなるべく手を打っている…はずです。反省の良い機会にもなっています。

 

ありっさ

自分の昔の仕事を見て、「うわーーーー」と思うのは成長の証でもありますもんね。

『ボルカノン』は日本語、英語、中国語(繁体字)、ロシア語、スペイン語、と多言語対応の予定ですが、展開を決めた理由、そして言語選択はどのようにされたんですか?

トクシン財団さん

リリースするとなった際にSteamかSwitchとかかな、とチーム内で議論していたのですが、Steamって簡単に世界と繋がれるプラットフォームなのでそれを活用したいと考えました。

日本語、英語は必須、と考えていたのと、中国語はメンバーの一人が母語なので対応しよう、という流れになりました。ロシア語とスペイン語は変り種なんですが、そこの二国のゲームがガラパゴス状態にある、ブルーオーシャンなのではと考えて対応しました。

ありっさ

海外展開を自然と考えてくれたのは、嬉しいです!(ゲーム翻訳者なので)変り種二つは結構戦略的な採用だったんですね。ロシアは少し関わった経験があるのですが、一風変わったゲームが流行る印象があります。脱出ゲームや共産党主義やデスループなど…。『ボルカノン』はどうなりますかね?

翻訳は因みにどのようにされたんですか?

トクシン財団さん

英語と中国語はメンバーがやってくれて、別のメンバーがちょいちょい口出しして、という風に共同で進めたんですが、残り二言語に関しては、DeepLやGoogle翻訳を駆使しています。一度対象言語に訳して、日本語に戻して、繰り返して…とやっていると割と精度が高くなるんですよ。

あと、訳してみた結果、意外な問題が浮上した事もありました。例えばロシア語とかは一単語がかなり長いので、テキストボックスに収まりきらないという問題が発生。フォントを小さくして、文字の間隔を詰めて、翻訳を見直して…と細かい工夫を重ねました

ありっさ
地道な工夫を重ねていますね!話を聞いている間に疑問に思ったんですが、『ボルカノン』ってゲーム内にストーリーの展開はありましたっけ?以前背景ストーリーが存在する、とは聞いて設定なども少し聞かせてもらったのですが…。
トクシン財団さん

バックストーリーはそんなにゲーム内では展開していないですね。甲子園応募時に比べるとゲーム内ギャラリーは追加しました。

その代わり、フレーバーテキストがステージの随所に散りばめられています。これは残念ながら多言語対応が難しそうだったので、日本語ベースの暗号文っぽいものに差し替えるか検討しています。日本語だけいきなりポンっと現れたらちょっと変なので、「ゼルダ」や「モンハン」みたいに「なんちゃって異世界語」で表現して興味のある人には頑張って解読してもらおうかなと考えています。

ありっさ
おお、それも世界観を感じられて楽しそうですね!それに加え、裏情報なども聞いた感じかなりしっかりしていたので、ツイッターなどで発信し続けていると他の言語にもファンが有志で広めてくれるかもしれないです!
トクシン財団さん
そう言っていただけると嬉しいです!
ありっさ

しっかりと考え込まれた設定なので、日の目を見るのを勝手に楽しみにしています!

それでは、お話聞かせていただきありがとうございました〜!

 

 

物凄くしっかりと受け答えしている側面もあり、メンバー同士のわちゃわちゃの側面もあり、と賑やかな雰囲気でインタビューは進みました。

ありっさ
2020年のゲームクリエイター甲子園から様子を見てきたこともあり、遠くまで来たな〜と勝手に感慨深くなっていました。『ボルカノン』は手触り感が良く、直感的な気持ち良い!をとても大事にアクションが詰められている作品で、ビジュアルも綺麗なので、皆さんきっとお楽しみいただけると思います!

甲子園応募作品の中には他にも、リリースや製品版を目標に制作されているゲームが存在するので、今後紹介していけたら良いな〜と思っています。

 

『ボルカノン』開発メンバーについて

開発者グループの「トクシン財団」は9人で構成された学生インディーサークルです。
2020年に、本作「ボルカノン」にてゲーム大賞アマチュア部門佳作、ゲームクリエイター甲子園総合賞3位、他数多くの賞受賞。
2021年に、「ツキカゲ」にてゲーム大賞アマチュア部門佳作を受賞。

以下、今回インタビューに応じてくれたメンバー紹介

椿俊平
製品版に向けての渉外を主に担当。
「僕の中でノアちゃん(主人公)は女の子です」

(尚、上記の発言はチームメンバーから総反対を食らっていました。断じて、男の子だそうです)

石井貴英
レベルデザインとグラフィック周りの監修を担当。
「ドット絵はかなり気合を入れて作り込んでいるので、是非見て欲しいです!」

中村友哉
プログラム担当。色々な所を実装しました。プレーヤーと細々したもの以外全部。
「ゲームクリエイター甲子園でスカウトを頂いた企業に入社予定です。趣味はボードゲームです。語り出すと長いので、それは割愛」

馮力緯
プランナーとして参加。ボスの設計、レベルデザイン、英語・中国語の翻訳を担当。
「旧版が完成した後に加入したので、いわゆる新要素です」

 

 

『ボルカノン』詳細情報

タイトル名:ボルカノン
ジャンル :ハイスピードマグマアクション
プレイ人数:1人
リリース日:2022年3月31日
プラットフォーム:Steam
価格   :500円
対応言語 :日本語、英語、中国語(繁体字)、ロシア語、スペイン語
開発・販売:トクシン財団 (Toksin.F)

 

 


ゲームクリエイターズギルドとは
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)

スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
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