学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。―
今回は東京デザイン専門学校のカン ソジンさんにインタビューを行いました。
韓国の美大を卒業してから日本の専門学校へ入学したカンさんはどんな思いでゲーム業界を目指すのでしょうか。
韓国の美大を卒業してから日本の専門学校へ
― 自己紹介をお願いします。
カン:カン ソジンと申します。東京デザイン専門学校に通っています。
― 志望職種は何ですか。
カン:2Dデザイナーとイラストレーターです。キャラクターを書くのが楽しいので、キャラクターがいいですね。でも「背景を描いて」と言われても背景も描けます!
― 韓国の大学を卒業してから日本に来たんですか。
カン:そうです。韓国の4年制の美大を卒業してから、日本の学校に来ました。
― ゲームが作りたくて、日本に来たんですか。
カン:そうですね。私は韓国のコミュニケーション・デザイン学科がある大学に入学していました。1年ぐらい学んでから、この道は私が思っていたのとちょっと違うかなと思うようになり、2年生のときに、同じ学校の漫画・アニメーション学科に転科しました。キャラクターのイラストをすごく描きたかったんですが、イラストの授業はありませんでした。「2Dアニメや3Dアニメ・webコミックなどを学びなさい」と言われました。webコミックで卒業作品を作りました。卒業後、私はどうしてもゲームのキャラクターとかイラストレーターになりたかったので、親とも相談して、日本に留学することになりました。
アニメから学んだ日本語
― 日本語はいつ、どこで勉強したのですが?
カン:私は小さいころから日本のアニメがすごく好きで、中学のころにアニメのオープニングの歌を聞きながら、自然に学んできたというか。そのころには何を言っているかは聞き取れるようになりました。高校のときは、日本の声優さんにすごくハマっていて、声優さんのラジオを聞いて、リスニングは上達しました。
― へぇ~!
カン:平仮名や片仮名は高校で日本語の授業があって学びました。あとは漢字が1番弱かったので大学でものすごく勉強して、日本語能力試験を受けて合格しました。
― どこかの学校に通ったというわけではなく、自分で勉強したんですね。
カン: 1か月くらいは学院に通いましたね。そこでもらった本を読んで、それで勉強しましたね。漢字の勉強は特に熱心に勉強しました。日本語能力試験は、学院に通っていたときはN2に挑戦して受かりました。N1を受けたときは、私は大学の4年生で、卒業制作で通う時間がなくて、1人で頑張りました。トラブルもありましたが、何とか無事合格しました。
― すごいですね。
カン:ありがとうございます。
― 1番好きなアニメは何ですか。
カン:私は『ハイキュー!!』が1番好きです。
― どんなところが好きですか。
カン:私は体育とか運動はすごく苦手で、アニメを見ても分からないから楽しめないかなと思っていましたが、友達がすごくすごく面白いと言うので、見たら、すごく面白くて楽しくて、バレーボールってすごく楽しいんだって思いました。主人公のキャラクターもすごく良かったし、全部応援したくなる、そういうキャラクターでした。
― 他にスポーツのアニメは見たことはありますか。
カン:あります。『Free!』とか『イナズマイレブン』も見ました。
― その見たスポーツのアニメと『ハイキュー!!』は面白さが違いましたか。
カン:面白さの違いというと『ハイキュー!!』は現実性が高いです。『イナズマイレブン』は子供向けでファンタジー的な技術が使われていて現実性はなく。でも、それはそれで面白かったです。『Free!』は、キャラクターの絵がすごかったですよね。目が幸せな感じ(笑)。そういう魅力がありました。『ハイキュー!!』は、全部のキャラクターを応援したくなる魅力があります。
乙女ゲームを作りたい!
― 1番好きなゲームは何ですか。
カン:実際に遊んだことはないんですが、Nintendo Switchの『マリオ オデッセイ』を見て、すごいなと思っています。最近発売された『どうぶつの森』もすごく今、ハマっていて、実況を見ています。早くSwitchが欲しいです。あとアプリゲームも好きで、『Identity V 第五人格』というゲームもすごく好きですし、今もやっています。
― どういうところが面白いですか。
カン:最初はホラーゲームかと思いましたが、慣れてきたらホラーゲームではなくて、不思議な魅力があります。プレイヤーのかくれんぼみたいな感じです。
― そのゲームで1番面白いと思うところは、どういうところだと思いますか。
カン:スリルもあって、1番の魅力はキャラクターですね!
― デザイン面ですか。
カン:そうですね。衣装を変えられるんです。その衣装が可愛くて、欲しくて、課金してしまいますね(笑)。
― では、カンさんが作りたいゲームというのは、第五人格みたいな世界観に近いですか。
カン:いいえ、世界観はあまりそういうのではないですね。
― どういう感じのゲームを作りたいですか。
カン:私は、実を言うと、乙女ゲームが好きで、乙女向けのゲームを作れる会社に入りたいです。私は、服のデザインなどにすごく興味津々で、1度、Twitterから第五人格のファンとして服のデザインを投稿して載せたら、すごくリツイートされて反響があったんです。キャラクターの服のデザインを考えるのが好きですし、小物とかもデザインするのも好きです。
― 自分の作品で、さっきのTwitterみたいに人に褒められたことや、受賞経験はありますか。
カン:コンペに出て入賞経験があります。『FOW(フォールス・オブ・ウィール)』というカードゲームの魔法少女コンペに応募したんです。
― いい経験ですね。
カン:お菓子もすごく好きで、ケーキとかそういうのを描くのが好きで、得意かなと思っています。私は、時間に厳しい性格なので、締め切りはちゃんと守れます。これは全部私が服をデザインしたものです。
― すごいですね。
先生と交渉、自分の力でつかみ取った美大の道
― これまでで辛かった話を聞かせてください。
カン:高校3年生の大学受験シーズンで、担任の先生が合わなくて……。芸術をする生徒のことを尊重していない方でしたので、私はその先生とすごくケンカをしました。
― ケンカ!?
カン:韓国は勉強に厳しくて、高校のときは夜の10時まで学校に残って勉強しなければいけないんです。私は、夜の勉強はどうしても絵の勉強をしたかったので「美術学院にいきたいですので夜の勉強はできません」と伝えました。そしたら、先生はすごく怒っていて「ダメだ、勉強しろ、お前、成績悪いだろ」って。ケンカもすごくしました。結果、妥協して「週末にも学校に来て勉強をするから、平日の夜は美術学院に行きます」と決めました。それがすごく辛かったです。高校3年生の受験シーズンが私にとってはすごく辛かったです。
― すごいですね。その交渉で、先生は納得したんですか。
カン:納得はしたんですが、その時に、先生は怒鳴りながら「お前は専門学校しか行けないんだ」と言いました。私はそれにすごくショックを受けて、その当時、すごく泣きました。専門学校しか行けないって先生に言われましたが、私はちゃんとした4年生の美大に入って、今も日本に留学して、専門学校通っているし、先生に勝ったって思っています。
― 先生にキツく言われたけど、絶対大学に入ってやる、という思いで頑張ったんですか。
カン:はい!
― デザイナーを目指すきっかけになった出来事はありますか。
カン:高校の時に『うたの プリンスさまっ』というアニメを見て「これ何!?イケメンばっかり!」という気持ちになりまして、すごくハマったんです。原作がゲームで、そのときに乙女ゲームのことを初めて知りました。それをきっかけに、私も乙女の夢に出てくる素敵なイケメンキャラを描きたい、という気持ちになりました。今は幅広く、可愛い女の子のキャラも好きです。
― そうなんですね『うたプリ』なんですね。
カン:『うたプリ』から乙女ゲームが好きになりました。
― どういうゲームを作りたいと思いますか?
カン:私はイラスト的な立場ですから、キャラクターのデザインが魅力的だよね、という感想を言われるゲームを作りたいなと思います。絵を誉めてくれたらすごくうれしいです!
作るのが楽しいお菓子作り
― めちゃくちゃハマっている趣味はありますか。
カン:今は寮生活なのでできないんですが、お菓子作りとかにハマっていました。
― 何を作ってましたか。
カン:カステラを作って、ケーキにしてクリームを塗って、イチゴとかでデコレーションして、ケーキを作りました。あとは、パンケーキとか沢山つくりました。
― 誰かにあげるためですか。
カン:当時は友だちと一緒に2人で暮らしていたので、他の友だちも呼んで一緒に食べました。この写真は友だちの誕生日をお祝いしたときのケーキです。
― 食べるより作る方が楽しいですか。
カン:そうですね、私は作るのが楽しくて、出来上がったものを見て、作った甲斐があったなと思うタイプです。
― お菓子が好きなんですね。
カン:出来上がりもそうですし、卵、粉とかいろんな材料があるじゃないですか。それが、お菓子にできるのが不思議で、それもすごく考えるだけで楽しいです“
提案を重ねて作り上げるイラスト
― 将来はどういうふうになりたいですか?
カン:絵を描けるなら何でも。
― ものすごく曖昧な注文が来たら、考えて提案ができるタイプですか。
カン:ラフをいくつか描いて、その中で、いいものがあるかを聞いてもらう。そういうタイプです。
― 一緒にイメージを作りながら進めていくみたいな感じですか。
カン:はい。
― 今もそういう感じで描くこともありますか。
カン:お金をもらってキャラクターを描くという仕事をやったことがあります。そのときに、ラフを見せながら、提案して修正を重ねて買ってもらいました。
― それどんなイラストでしたか。
カン:個人用のアイコンとかですね!
― それは何回ぐらい仕事をしたんですか。
カン:あまり長い時間はやってなかったんですが、4回ぐらい描きました。
― 自己PRをお願いします。
カン:私は高校3年生のときに、芸術に理解のない先生と対立して苦労しました。美術の勉強ができるように提案をしましたが、先生からは「専門学校にしか行けない」と言われましたが、あきらめずに頑張ったので、4年制の美大に合格できて、今も日本に留学しています。私の選択は間違えではないと思っていて、真面目なので、どんなことでも最善を尽くします。時間も、締め切りもちゃんと守れますし、描けないところは努力して、どうしても描けるようになりたくて。頑張り屋です!
― ありがとうございます!
学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画! ― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。― …
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