学生チーム「SUPER STAR MINE」 プランナーの近況! 新型コロナで変化したゲーム制作!

学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。―

今回はソフトウェア研究部 学生チーム「SUPER STAR MINE」のプランナーの待永さんにインタビューを行いました。
ゲーム制作の近況についてZoomを使って伺いました!

 

新型コロナで生活はどう変化した?

Slackを使って進捗管理

― 最近はどんな風に過ごしていますか。

待永:チーム開発をリモートで進めています。週に1回はDiscordで会議をしています。あとは、オンラインのハッカソンイベントがあったので参加しました。コロナの影響で学校が休校になって時間があるので、勉強とかもしたいなと思っています。

― えらいですね。

待永:僕はこれまでゲームプランナー志望として色々とやってきましたが、やっぱりプログラミングとかエンジニアのことも理解しないといけないなと思って勉強しています。

― プログラミングも勉強しているんですね。

待永:自分でも考えたことを組み立ててエンジニアに伝えていきたいなと思いまして。

― めちゃくちゃ良いと思います。

待永:仕様書だけで伝えようとすると、言葉遣いとかそういう小さなところで認識の齟齬が生まれることがあったので、自分で動きを作ってイメージだけでもプログラマーに持ってもらうというのは、すごく大事だなって思いますね。

― リモートの開発って、どのような感じでやっていますか。

待永:「この日の作業」「今週の作業」という風に、だいたいのマイルストーンを自分で決めて、Slackでその都度進捗報告をする、という感じで進めています。

― そしてDiscordで会議もするんですね。

待永:「今週はここまでできたらいいよね」と、自分だけではなくチームメンバーにも作業期間の感覚や中長期的な目標を持ってもらって、一緒に作業しています。やっていることは今までオフラインでやっていたこととそんなに変わりはないです。1つ気付いたこととしては、face to faceの話し合いではないので、みんなのモチベーションは気になりますね。

モチベーション管理

― モチベーションは見えにくいですよね。どうやってストレス発散をしていますか。

待永:これまでオフラインでやっていた利点がだんだん見えてきた感じがします。その1つが雑談で、ストレス発散には雑談が大事だなと思います。人が今、興味を持っていることや時事的なことに対する自分の意見と、相手の意見とを混ぜ合わせて、いろいろ理解を深めていくようなことがすごく大事だったなというふうに考えています。ストレス解消としてゲームをちょびちょび遊んでいますが、雑談ができないのはちょっと精神的に不快になっている気がします。

― リモートになってチームでめちゃくちゃ困ったことって何かありますか。

待永:やっぱりチームメンバーのモチベーションが見えにくくなったことですね。これまでは顔を突き合わせてやってきたので、自分たちの興味のあることをスタンドプレーとして積み上げて成果が出る、そんなチームプレーがあるような感じでした。自分たちの興味があることをどんどんやってもらって、僕がそれをつなぎ合わせて1個の作品にしていました。ここまでコミュニケーションが希薄なものになってしまうと、今、みんながどんなことに興味があるのか、どんなことにモチベーションを感じているのかということを知ることができなくなりますね。

― たしかにそうですね。

チームメンバーで突発! お泊まり会

待永:僕の家で作業をしたときは『Ultimate Chicken Horse』を2~3時間くらい遊びました。だいたい2人は真面目にゴールを目指すんですけど、僕は全員ゴールできないような仕組みを作って、蹴落としていました(笑)。

― 悪い人ですね(笑)。こういうゲームは性格出ますよね。

待永:飯田は負けず嫌いで、歩夢も真面目にゴールを目指そうとしているんですよね。でも、僕はみんなが楽しければいいやって思って、勝利とか全然気にせずに、1番盛り上がりそうな仕掛けをかけて、みたいな感じで遊んでいました。

― イメージできます。夜は何を食べたんですか。

待永:その時は、別に泊まる予定ではなく、もともと開発の話をしようと思って2人を呼んだんです。VRのゲームを作るために、1度家に来てもらってヘッドセットを被ってもらおうと思っていました。20時くらいになってお腹が減ったのでスーパーに行ったんです。僕は弁当とかを買うと思っていて弁当コーナーを見ていたら、飯田たちが野菜を手に持っていて「料理しようぜ」って言うんですよ(笑)。話の流れでカレーを作ることになって。2人には野菜の下ごしらえを手伝ってもらいました。泊まる予定はなかったんですが、半分開発しながら徹夜みたいな感じでした。

― 楽しそうでいい思い出ですね。逆にリモート開発をして良かったことはありますか。

待永:通話をしながらの作業を繰り返してく中で「意外とリモートでもいけるんだな」という実感が得られたのは良かったかもしれませんね。これまでもデータのやり取りはオンライン上でやっていましたし、バージョン管理とかGitなども使っていたので、その辺りの作業は滞りなくできたというのは実感としてはあります。

― 私生活でめちゃくちゃ困ったこととかはありましたか。

待永:私生活では……そんなに困らないですかね(笑)。僕自身インドア派なので。外に出るより、家や大学で作業するのがいつもの休日の過ごし方なので変わらないですね。困ったことと言えば、数学やプログラミングの本を得られないことですね。

― 本は少し中を見てから読むのを決めたいですよね。

待永:大学の資産はどんどん使っていきたいですが、図書館も閉まっているので……。

ニューフェイス登場!

― そういえばチームメンバーが増えたそうですね。

待永:うちのチームで今まで弱かったのがサーバーサイドだったんです。僕たちのサークル外で、学科も違う人を大学で見つけて、その人をチームに引っ張ってきて、今は4人体制で取り組んでいます。

― サーバーの人が入ってものづくりはどうですか。

待永:先週の土曜日まで開発していた『CupRunMen』というゲームではモデリングなどを手伝ってもらいました。このゲームはカップラーメンの中にVRMのアバターが入って、お湯をこぼさないように3分以内にゴールするゲームです。そのゲームには4人ともこだわって、この間リリースしました。

― リリースしたらどうでしたか。

待永:ゲームの中にオンラインのランキングを付けたら、Twitter上で知り合った人たちが遊んでくれて、製作者の旧ログはもうすでに超えられましたね。みんな結構楽しんで遊んでくれていますね。

― うれしいですね。

待永:自分の作ったゲームを楽しんで遊んでもらうのは、クリエイターみんなだと思うんですが、反響があるとすごく励みになりますね。

ここで遊べます!

新しいことへ挑戦

新たなチャレンジ、VRの企画

― チームメンバーで今年やりたいことはありますか。

待永:今年やりたいのは、VRの企画です。そちらのほうを頑張っていきたいなという思いが個人的にはあります。                                                                                                                          

― なぜですか。

待永:これまではパソコンやスマホ上で動くゲームをずっと作ってきましたが、僕自身も興味が向くものをずっと作っていきたいなという思いがあります。ディレクションをやっていく中で、僕は何が好きなのかなって思ったら、技術と技術をつないだり、人と人とをつないでアイデアを生み出して作品として仕様化させることにやりがいを感じるということを知りました。「VRを使えばどういうことができるんだろう」とみんなで話し合った結果「これまでにない面白いものができそうだな」って感じているので、何かVRでプロダクトを作って経験値を貯めていきたいです。

― VRに興味を持ったきっかけは何かあったんですか。

待永:『サマーウォーズ』や『電脳コイル』をきっかけにSFやVRの技術にはずっと興味がありました。それが現実でどんどん実用化されていって、まるで『ソードアートオンライン』みたいな世界が実現できるかもしれなくて。そんなときVRが自分にも手が届く価格帯だったので、これはやってみるしかないなって思ってOculus Questというスタンドアローン型のVRセットを買いました。

― 高かったよね。

待永:僕自身の生活は切り詰めますが、興味のあるものがあったらすぐに買っちゃうんですよ。

― それは確かに惜しまないほうがいいですよ。

待永:欲しいものが発売されたらすぐ買っちゃう性格なので(笑)。最新技術はネット上で探してもそんなに情報が無いので、手探りながら自分たちでも開発を進めて、いつかちゃんとしたゲーム作品や映像作品として出せたらな、という思いがあります。

― すごいですね。どんなものができるか楽しみです。

待永:この間GCGのイベントで知り合った芝浦工業大学の方からVRサークルでVチューバーを作っている話を聞いて、イベント後には一緒にラーメンを食べに行って詳しく話を聞いたんです! そしたら、その方が東京大学のVRサークル「UT-virtual」というインカレサークルを紹介してくださったので、この春から僕も大学のサークルと掛け持ちで入って、いろいろVR開発とかをしていきたいです。

『UT-virtual』HP

UT-virtual

UT-virtualは全国の学生が集う、東京大学のインカレ バーチャルリアリティサークルです。 自主制作コンテンツの展示…

今の考え方

― まちこーくんは一体何者になるんでしょうね。

待永:何でしょうね、ちょっとまだ分からないです(笑)。ほんの半年前の話ですが、自分が何者なのかというのがすごく心配だったんですよ。まだ上京したての頃は「ゲーム業界に行きたい」って大した能力もないのにひたすら焦っていたんです。何かしたいなって思ってエンジニアのインターンをしてみましたが、自分の能力の足り無さや社会経験の無さを痛感して……。そんなときにバンダイナムコスタジオさんのゲームデザイナーのインターンに参加したんです。アナログゲームのゲームジャムでした。僕がプレゼンとかを努めて賞をいただいて、そこで初めて「企画いけるんじゃない?」って思ったんです。

― そんなことがあったんですね。

待永:同じころに、今のスーパースターマインを結成して『れーぞく!ネクロマンスちゃん』の企画を立ち上げ、人を集め、それから半年ずっと駆け抜けてきました。振り返ってみると、企画もすごく楽しかったし、自分の頭の中のことを実現していくのってすごく楽しかったんです。さらに深掘りして何が楽しかったかを考えると、人と人とをつないだり、自分で調べた技術を使って組み上げていくことでした。

― 組み上げる。

待永:例えば、パズルで例えると、ゲーム制作はパズルのピースを作る人と、組み合わせる人がいると思うんです。僕はたぶん組み合わせる側だなと思ったんですよね。作ってもらったピースを組み合わせて、完成図よりも面白い形にしてやろう、というのがすごくやりがいのある仕事だなって思ったので。

― なるほど。

待永:それをゲーム開発でいうと、たぶんディレクターとかプロデューサーという立場になるんですが、将来的にそこを目指すのであれば、別に企画職でなくても、エンジニアからでもいけるし、どちらにせよ知識は無駄にはならないと思います。ここから就活まで1年半あるのであれば、もっとその辺を詰める時間がまだまだあるなと思っています。今はそこを重点的に鍛え上げて、エンジニアリングもゲームデザインも両方分かる人になりたいです。

― めっちゃいいですね!

待永:考え方がこういうふうに変わったのはゲークリエイターズギルド(以下GCG)さんのおかげでもあって。

― ええっ! ホントですか!?

待永:そうなんですよ。ゲーム業界を志望する専門学校生ってゲームを作るために勉強をしているので、すごくモチベーションが高くて、これだと正攻法では勝てないなと思ったんです。総合的に自分に何ができるのかを考えました。自分は大学の情報学科として勉強をしているので、プログラミングのことも基礎を押さえて、応用ができるまでに積み上げて、ゲームデザインの知識や、チーム開発の経験も組み合わせて、総合的にディレクターのような地盤を固めていき、将来的には人と人とをつないで仕事ができるようになりたいという目標があります。GCGさんに会ってなかったら、視野を広げて考えることは無かったと思います。それこそGCGさんの理念みたいなものだと思うんですけど、人と人とをつないでいただいたことが、たぶん今の自分の考え方の基盤になっているのではないかというふうに感じますね。

― 大丈夫。考えはまたいつでも変わっていいので。

待永:この半年だけでも考え方がコロコロ変わったので、また半年後にインタビューされたら考え方も変わっていると思います(笑)。

― 良いと思いますよ。そういう成長を私は追っていきたいです。

チームメンバーへ

― チームメンバーに言っておきたいことはありますか。

待永:歩夢も飯田も、それぞれいいところがあって。僕はポジティブというか楽観的というか、物事を前向きにとらえようとするんですが、歩夢はああ見えて慎重なところがあります。そういうところで釣り合いがとれていて、歩夢の意見を踏まえつつ行動すると、うまくいくんじゃないかな、ということも多いんです。あとは、分かりやすい性格をしているところもあって、助けられている面もありますね。

― いい話ですね。

待永:飯田は、知っていることを何も顧みずに教えてくれたり、親身になって相談に乗ってくれたり、物事に対する視点の近さみたいなものを感じています。技術的な議題を投げると同じ濃度で返してくれるので、考え方を構築するのに助かっているという実感はあります。2人ともすごくいいやつですし、考え方は違っても、自分も正しいし相手も正しいんだろうなっていう視点で考えていくと、総合的に言えば2人ともいいやつです。

― 分かりました。仲が良いことは分かりました。

好奇心と行動力を大切に

― 何かアピールしておきたいことはありますか。

待永:僕が今後の製作の活動とかで、大事にしていきたいことがあります。モチベーションの維持は企業に入っても学生でも大事だと思います。でも、学生としての活動って、別に給料も出ないし、何かを顧みずにっていうのは難しいと思うんですよね。講義もあるし、課題もあるし。そうしたら学生がゲームを作っていく中で1番大事なのは、興味や好奇心と行動力だなと思っています。自分が旗振り役となって、みんなを導いていく。そういうふうに人を巻き込みながら、面白いと思えるものをどんどん突き詰めていく、というのが学生としての活動の本分というか、1番大切なものだと思っています。もちろん、遊んでもらう人に面白そうと思ってもらうのが1番ですが、自分たちとしても面白いと思える活動を、今後も続けていきたいなと思います。

― おお、いいね。

待永:それが、今はVRとかARであると自分たちは思っています。現実をゲームのような面白い空間に変えてしまうような力があると思うんですよね。今後、突き詰めていくにあたって、自分たちの生活自体を楽しいものにする。体験をデザインして、刷新していくのが個人的には今、興味があることです。これからも好奇心と行動力を大切にして、チームとして活動していきたいと思っています。

― 楽しみにしてます。

チーム『SUPER STAR MINE』公式HP

チーム紹介

2019 年11月30日(土)に開催されたゲームクリエイターズギルドEXPO2019。このイベント内の学生クリエイター作品展示ブースにおいて、約40作品の中から最多の票を獲得し、見事最優秀賞に輝き、GCG EXPO初代王者に君臨したのはホッ[…]

note(ノート)

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