eSportsプレーヤー兼クリエイター、横倉龍駒さんにインタビュー!
昨年秋にオルトプラスのインターンにも参加してくれた横倉さんにeSportsのことを聞いてみました!
近況を聞いてみた所…
「最近は無事、ゲーム会社に内定をいただきました。
現在は入社後に向けての準備や卒業制作展の準備を行っています。
今年度のゲームクリエイター甲子園にも13名で制作した『Spiral Wonder』というゲーム作品を出展しているので、是非ともチェックしていただければなと思います!
クリエイター甲子園にエントリーしてくれた『Spiral Wonder』の動画はこちら!注目度ランキングにもランクイン、最近配信された熱血道場でも取り上げられています!٩(ˊᗜˋ*)و ▼
詳しくはこちら!(ダウンロードもできそう…!)
eSportsは仲間集めの場!
ゲームを遊んでいくと、必然的に他のプレーヤーと関わる機会も増える。各々の持っている情報や戦術を共有しあって、内側から技術を高めていける環境に魅力を感じる。eSportsはコミュニケーションツールの1つとして強みを見出している。
「大会に参加する事で味方を集めるような感覚です」
特に非公式の大会などは、出場する際のチームメンバーを各々集める必要があるので今までの交流や、以前の対戦相手など一緒に組みたい人に積極的に声をかけていく事が多い。縁が繋がっていく事もよくあるので、様々なプレーヤーに出会う事ができる。
「自分が考えられるもの、得意だと思うものって限界があると思うんですよ。eSportsのコミュニティは自分のレベルアップに繋がるような場所だと思っています」
ゲームバランスを見極め、実現させるため、クリエイターの道へ
ゲームをやり込んでいくと他にも「この仕様ってどうなんだろう?」と疑問が浮かび上がってくる。特に対人で遊ぶ場合は、普段1人で遊んでいるときは気にならない点も気になってくる。例えばあるアイテムを持っていけばほぼ確実に勝てると判明した時。シューティングゲームを遊んでいる際にエフェクトが過剰に乗りすぎて、モーションが上手く確認できない時など…。
もっと詳しい例を出すと『スプラトゥーン2』の「アメフラシ」というスペシャル技をある特定の場所で使うと、敵がほぼ靄みたいな状態になってしまう。敵が見えなくなる瞬間があると、攻めと守りの間に差が生じてしまう。
バグではなく、ゲームの仕様上の問題でこういう差が生まれると、プレーヤーによってはその段階で勝敗が決してしまう。ゲームとしての視覚的要素は見ていて楽しいけど、競技的な目線で見ると致命傷となる場合もある。華やかさと公平さ、そのバランスを保つために考えてみた結果、「自分だったらこうするかな」とか「こういう要素を組み込んだらフェアに戦えるかも」と様々な案が浮かんできた。
最近のゲームは発売後もDLCやアプデを発表して、改善を重ねる事によってどんどん良くなっていくから、耐えの時期もあるとは思うけど、自分の案を実現してみたらどうなるんだろう?という興味がきっかけとなってクリエイターの道を検討するように。
目指すはマルチな能力を持つクリエイター
最初は既存のゲームをどういう風に調整したら更に良いゲームになるのか考えていたけど、システムや仕様を考えていく内に「これは別のゲームの方がもっと当てはまるのでは…」という思考に。既存ゲームから派生して新たなゲームを考える機会が増えたので、マルチな能力を持つプランナーを目指そうと最近は考えている。
ゲームを作るなら実装まで考えないと、技術的に可能なのか見当がつかない。
やり方を想像できないビジョンを他人に伝えるのはすごく難しい。
エンジニアさん、そしてもちろんデザイナーさんも専門的な知識を磨いてきた人たちなので、自分も知識を身につけていないと相談すらできないと感じる。
なので、今は、伝えるための一手段としてプログラミングを捉えている。
今までの経験、今蓄えている経験
大会で活躍してインパクトを残すためには優勝を目指す必要が出てくる。中途半端な結果だと満足できないので、練習に使うための十分な時間を確保できるまでは選手活動を休止しようと決めた。
だけど、関わっているコンテンツが盛り上がるような事には積極的に取り組みたいと思っているので、可能なら社員となる企業さんのチームに加入したり、非公式大会に選手として登録することも考えている。選手活動時代、大会練習や大会本番の配信、他にも有名プレーヤーさんとの対戦なども配信した経験があるので、動画作りや配信などの面でも貢献できる可能性がある。
その他、ゲーム自体はカジュアルに遊び続けている。
ユーザーとして感じた違和感や疑問点、楽しい点などはクリエイターとしても大事な視点となる。ユーザーの過半数が納得できるようなものが作れないとついてきてくれないので、ユーザーとしての自分の感性も大事にしていきたい。
「今までの経験が、今積み上げている経験がきっと活きてくると信じて突き進んでいます」
eSportsシーンをどんどん盛り上げていきたい!
『実況パワフルプロ野球(パワプロ)』と『スプラトゥーン』を主に遊んでいます!
実は、『パワプロ』に関しては、プロ入団テストも受けました。予選は突破できたんですが、本戦で前年プロとして活動していた方に負けてしまいました…。だけど、今でもその時のご縁からプロの方々と連携して活躍を続けられている。
お!前年プロと対戦できたというのも楽しそうですし、その経験が縁となり繋がっているのは良いですね!
『スプラトゥーン』は非公式大会では何回か準優勝、そして「スプラチャンピオンシップ」という800チーム程参加する大きな大会にも参加しました!32チームのみが選出される本戦にも参加でき、プロ団体からも声がかかるようになりました。
『スプラトゥーン』の方でもしっかり成績を出しているんですね!このゲームは私も遊ぶので、ちょっと親近感(笑)。そして、上手い人のプレイは見ていてすごい参考になるので、そこでも準優勝、本戦出場、プロへのお声がけなどはすごいです!
最初はどのように大会に出場するようになったのですか?
始まりはツイッターです!
「ゲームのタイトル、大会」と調べると競技性のあるゲームだとヒットすることもあるので、調べてみると良いと思います。格ゲーなどは1人で飛び込み参加も受け付けているので、好きな格ゲーがある場合は特にチャレンジしやすいかもしれません。
確かに、格ゲーはよく大会があるイメージがあります。ゲームセンターなどでも行なっている場合がありますよね。
反対に『スプラトゥーン』みたいなチームゲームは仲間を集めないと少し難しいかもしれません…。あ、けど、2対2の試合形式や、エントリー者の中からランダムでチームをマッチングするルールを採用している所もあるので、運営会社によりますね!諦めないで検索してみると、参加しやすい、参加してみたい大会が見つかるかも!
ランダムでチームマッチングされる、ってそれこそスプラトゥーンの仕様をリアルに再現しているのですね!それは、それで面白そう…。初めて会った人とどんな連携が取れるか、みたいな感じですものね。そこで生まれる縁などもありそう!
ユーザーとしてもこんな風に活躍されているeSportsコミュニティですが、今後どのように発展していったらワクワクしますか?
日本のeSportsシーンに限ると、ゲームの内容は面白いものが多いのに、宣伝やマーケティングにあまり力を入れていなく、黒字になっている所が少ないと感じます。これは、日本でのeSportsの運営方針がまだ確立されていないということです。
今のeSportsを見ていると、配信者を沢山集めて、カジュアルな大会を行い、ワイワイしている雰囲気を強く感じます。それはそれで楽しいのですが、プロチームが沢山集まってきてばちばちに戦う場はまだあまり国内にないので、運営にこれからどんどん成熟していって、集客、収入含めて大きくなっていてほしいと思います。日本には賭博法などもあるから課題は多いと想像できるけど…。
カジュアルに楽しめる試合も、真剣勝負が押し寄せてくるようなハイレベルな試合、どちらも楽しめるような環境が育って欲しい、ということですかね。様々なレベルの試合があると、集まってくる選手や観客も多様になってくる気がします。
希望としてはeSportsも野球とか、他のスポーツみたいに気軽に、且つメジャーに楽しめるようなものに成長してほしい。ゲームを遊んでいる本人たちはもちろん、観戦者も楽しめるようなイベント。他にも、プロとなったプレーヤーには色々な業界の企業さんがスポンサーについて、様々な分野のプロがシーンを盛り上げようと尽力してくれたら…と考えたらワクワクしてきますね!
なるほど!確かに他のスポーツにはミニリーグとかメジャーとか分かれていますもんね。タイムリーな話題だと、オリンピックレベルになれば普段はあまり関心を示さない人も見るイベントとなるので、ゲームでそれができるかもと考えると心が躍ります!
質問に答えていただきありがとうございました!最後は記事を読んでくれた人にメッセージをお願いしたいと思います!
eSportsに興味を持っているみんなへのメッセージ!
自分の好きなゲームが競技性のあるタイトルで、大会なども行われている場合はとりあえず参加してみると良いと思います!企業さんが運営している公式の大会などは比較的人が集まりやすい環境を作り出せていると思いますが、非公式の大会となるとそうもいかない時もあるので…。
自分の実力にあまり自信がなくても、一歩踏み出すことによって仲間に出会えるし、スキルアップできるかもしれない。そして、何よりそのコンテンツが盛り上がるきっかけとなる。ユーザーさんがこんなに盛り上げて、楽しんでくれているのだから次回作も頑張ろう!というモチベに繋がる。自分の好きなゲームのため、ゲーム業界のため、面白いものがどんどん出てくる様にイベントや大会には積極的に参加していくのが良いと思います。
今後のeSports、そしてゲーム開発の発展にきっと繋がっていきます!
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