『タイニードライブ』インタビュー
2023年9月に開催された東京ゲームショウ。その中でインディーゲームイベント「センス・オブ・ワンダー ナイト 2023」の最終選考会が開かれ、最高賞にあたるAudience Award Grand Prixを『タイニードライブ』が見事授賞しました。今回は、開発者の「Portalgraph」さんに疑似ホログラムドライブゲーム『タイニードライブ』についてお聞きしました。審査委員からは、「懐かしさを保ちつつ、メディアアートとしても見られる。(Portalgraphという)新しい技術で新しい体験を生み出している」とのコメントが寄せられたとのことです。
「センス・オブ・ワンダー ナイト(SOWN)」とは?
「センス・オブ・ワンダー ナイト(SOWN)」は、”見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、誰もがはっと、自分の世界が何か変わるような感覚”=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなゲームのアイデアを発掘し、ゲーム開発者に東京ゲームショウでプレゼンテーションの機会を提供する企画で16回目を迎えます。
『タイニードライブ』について
私達が開発したPortalgraphは、プレイヤーの視点に合わせたトリックアートのような映像を3Dプロジェクターで投影することで、スクリーンにまるでVR空間が存在するかのような体験を提供する技術となっています。『タイニードライブ』は、このPortalgraphを壁にかけたスクリーンではなく机に投影し、机の上を小さな自動車が走り抜けるような体験ができるゲームとなっています。
■会社(開発チーム)について
●チームの紹介をお願いします。
Portalgraphは社員3名の小さな会社です。
CTOの私が開発をほぼすべて行い、他にCEO、デザイナーが居ます。
社名となっているPortalgraphは、プロジェクタースクリーンをVR空間にして、3Dで様々な方向からスクリーン内を覗き込める技術となっています。
・チームは何人ですか。
会社は3人ですが、タイニードライブ、Portalgraphの開発は基本的に私一人で行っています。
●また、どのようにして集まったのでしょうか。
過去に同人VRゲームを作った際に、CEOと私が最初に集まって作り始め、後にゲーム業界に詳しかったデザイナーに協力を頼んで合流しました。
■開発について
●『タイニードライブ』開発のきっかけについておしえてください。
ある展示会に出展する作品のアイデアを考えていて、Portalgraphで机の上に3D物体を投影する
卓上疑似ホログラムという技術を採用することにしました。
机の上に立体物が本当に存在するように見えるところが、実際に物体がそこに存在するエレメカとの相性がよいと考え、
その中でもダイナミックに背景がスクロールするミニドライブがモチーフとして最適と考えコンセプトを固めました。
●開発で苦労されたところは?
ミニドライブのハンドリング感覚を再現したいと思って試行錯誤しましたがなかなかしっくり来ませんでした。
Youtubeで実機を分解メンテナンスしている動画の存在を教えてもらったことでどのような構造になってるかがわかり、
実機に近いものに出来たのではないかと思います。
●完成までどのくらいの期間を想定していましたか?
タイニードライブ自体は短期決戦のつもりでしたので1~2週間で仕上げる算段でした。
●実際にかかった期間はどうでしょう?
プロトタイプが3~4日で、実質2週間位だと思います。
利用してるPortalgraphは数年に渡って開発継続しています。
●ゲームエンジンは使っていますか?
Unityを使ってます。
●boothでさまざまなデモを配布されていますが、『タイニードライブ』の頒布の予定はありますか
展示向けに3分間楽しんでもらうつもりで作った作品ですので1面しか無く、頒布するにはもっと時間をかけて
作り込まないとなりません。
現在Portalgraphの拡張や展示会の出展の準備、新ハードの検証などで手一杯のため、しばらくは難しいと思います。
■ゲームについて
●本作のおすすめのポイントを教えてください。
机の上に本当に物体が存在するように感じられる存在感と、昔懐かしいハンドリング感覚です。
・操作性も『ミニドライブ』に近づけたのでしょうか。
近づけたつもりなのですが、実機を数十年触ってないのでもしかしたら全然違うかもしれません。
●パワーアップすると岩を吹き飛ばすのもいいですね。
オリジナルのミニドライブは1959年の作品ですので流石にそのまま現代に持ってくるのは厳しいと思い、
要素を追加してみました。
シンプルな内容だけにまだまだ色々付け足すことは出来ると思います。
●本作の今後について教えてください。(展示のご予定や販売の予定を教えてください)
直近では11/15~17のDCEXPOに出展予定です。
■最後に
●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします。
思いつきを軽率に作ってしまうのを信条にしています。
みなさんも軽率に色々作ってください。
●ありがとうございました
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