コーエーテクモゲームスの人気シリーズ『NINJA GAIDEN』開発を手掛けるTeam NINJAにインタビュー

コーエーテクモゲームスの人気シリーズ『NINJA GAIDEN』開発を手掛けたTeam NINJAにインタビュー

様々なゲーム会社にインタビューを行うインタビューシリーズ。今回はコーエーテクモゲームス様にインタビューをお願いしました。世界累計680万本を記録する「NINJA GAIDEN」シリーズは、数多くのタイトルを有するコーエーテクモゲームスの中でも特に海外で人気が高い作品。ゲーム開発の第一線で活躍するファミコン世代の読者には『忍者龍剣伝』の名前のほうがしっくりくるかもしれません。Team NINJAのインタビューを見てみましょう。

■開発について

●2021年6月10日に発売した『NINJA GAIDEN: マスターコレクション』開発のきっかけについておしえてください

NINJA GAIDEN』シリーズは、『DEAD OR ALIVE』シリーズと並ぶ、Team NINJAの看板タイトルのひとつです。 

ただ、Nintendo Switchや、PlayStation4、Xbox Oneといった世代のハードに、『NINJA GAIDEN』シリーズをリリースできていませんでした。それが気になっていたこともあり、『仁王2』などの開発がひと区切りついたタイミングで、本作の開発をスタートさせました。 

今回は初めてSteam版も発売するので、より多くの方に遊んでもらいたいです。 

また、『NINJA GAIDEN』を当時遊んでいた世代のスタッフが、Team NINJAの開発チームに徐々に増えてきていて、彼らが開発者の立場として『NINJA GAIDEN』に触れるきっかけにしたい、という開発側の狙いもあります。 

●開発チームは何人くらいでしたか。

開発初期は20人弱でスタートしましたが、最終的には複数のタイトルを同時に開発するために40人以上に増員しました。 

● また、どのようにして集まったのでしょうか

立ち上げ当初はスタッフに『NINJA GAIDEN』シリーズの経験者が少なく、ゲームの仕様を調べたり、難易度の高いアクションに苦戦しながら開発していました。そこから徐々に原作にかかわった開発者や、グラフィックやネットワークの専門家を中心に増員していきました。また、『NINJA GAIDEN』シリーズを当時プレイヤーとして遊んでいた、思い入れがある若いスタッフにも参加してもらっています。 

●開発で苦労されたところは?

スタッフの中にはアクションゲームが苦手な人もいて、NORMAL難易度の最初のステージがクリアできなかったり、複雑なコンボ技が出せないなどで、開発以前の部分で苦労しました。一通り開発が進んで細かい部分を調整する時期には、ほとんどのスタッフが慣れていましたけどね。 

今回は3タイトルを4つのハードでリマスターしましたが、1番苦労したのは開発のスケジューリングですね。ハードごとにマスターアップの時期やシステム要件が異なるので、毎日それぞれの進捗にあわせて、作業順やスタッフの割り当てを調整しました。 

2番目に苦労したのはバグチェックです。純粋にチェックする項目が多かったということと、難易度の高いミッションのクリアが簡単にはできないということがありました。今回はアクションの得意なスタッフにも難易度の調整に協力してもらって、高難易度は熟練者が何とかクリアできるような感じに仕上げています。 

3番目はハードの性能差です。今回はすべてのハードのモデルデータは同じ品質となっているのですが、開発初期では全てのハードで同じような処理速度を達成できず、満足に遊べない状態でした。今回のようなリマスター作品ではあまりプログラムを変更しないのがセオリーなのですが、思い切ってシステムの根底部分に手を入れることで、パフォーマンスを達成することができました。 

最後はコロナ禍によるテレワークへの移行です。専門部署の協力もあってテレワークへの移行は比較的スムーズに進んだのですが、本作は対応ハードが非常に多く、PC含めて最大で7つの開発機を自宅に置いて作業していました。特に機材を置くスペースや電源が不足して苦労しましたね。 

■ゲームについて

●本作のおすすめのポイントを教えてください

・超高速ニンジャアクション3タイトルが現行ハード(PlayStation4/Nintendo Switch/Xbox One/Steam)でプレイでき、過去に配信されたDLC(コスチュームやモード)も収録されています。 

・操作のレスポンスが本当にすばらしいゲームです。 

非常に手強い敵が待ち受けていますが、操作をマスターしていけば、主人公リュウ・ハヤブサはプレイヤーの思うがまま、縦横無尽に戦ってくれます。ぜひ、ひとつひとつアクションを覚えながら楽しんでください。 

そういった部分は今もまったく色あせていませんので、過去プレイした方も、まだプレイしていない方も是非遊んでみてください! 

●開発チームお気に入りのポイントを教えて下さい

・ハイレスポンス・ハイスピードの操作感と、容赦なく真剣勝負を挑んでくる手強い敵達、そして対戦格闘のように攻撃と防御を意識させる歯ごたえのあるアクションです。 

今回はリマスターとなるため最新のグラフィック表現ではありませんが、アクション性は今もまったく色褪せていないと改めて感じます。 

・特典になりますが、デラックスエディションに付属されている「デジタルアートブック&サウンドトラック」もおすすめです。 

大ボリュームのアートや、未公開のデザイン資料、また180曲以上収録されたサウンドトラックで、「NINJA GAIDEN」の世界観をより深く楽しめると思います。 

 

■会社(チーム)について

●チームの紹介をお願いします。

我々の所属する「Team NINJA」はアクションゲームを多く開発しているチームです。 

「NINJA GAIDEN」シリーズをはじめ、「仁王」「DEAD OR ALIVE」シリーズなどが代表作となります。 

●この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします

「Team NINJA」はこれからも、アクションゲーム・アクションRPGの分野を中心に、さまざまなチャレンジをしていきたいと思っています。 

今後のタイトルにもご期待ください! 


インタビュー中にあった「『NINJA GAIDEN』を当時遊んでいた世代のスタッフが、Team NINJAに入ってきた」ことや「彼らが開発者の立場として『NINJA GAIDEN』に触れるきっかけにしたい」と人気シリーズ作を次の世代に受け継がれていた背景をお聞きすることが出来ました。世代を超えて受け継がれていく「Team NINJA」の開発スタイルやノウハウはその名の通り忍者集団を想起させるものがあります。そんな現代の忍者たちの開発作品にぜひ触れてみてください。

『NINJA GAIDEN: マスターコレクション』公式サイト
https://teamninja-studio.com/ngmc/jp/agecheck.html

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