【Vol.3】『第一線で活躍し続けるゲームプロデューサーの20代の過ごし方』ep.2【イベントレポ】

こんにちは! こばみです!

2019年5月23日に開催されたGame Creators Guild主催のトークイベント『第一線で活躍し続けるゲームプロデューサーの20代の過ごし方』のイベントレポをお届けします!

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#5 売ることは正義。エンターテインメントの売上=お客様の支持

高橋氏
プロデューサーをやっていると損益を見るのでよくわかるのですが、赤字を出していると次回作らせてもらえないんですよ。
成沢氏
本当にそうですね。
売ること以外にしてあげられる恩返しがないんですよね。売るって正義で、お金が絡んでくると何となく下世話な話になりそうですが、売るってお客様が喜んでお金を出してくれていることなので分かりやすい正当な評価だと思っています。売ることで次に繋げられますし、開発の皆さまも幸せになっていきますし、お客様にも面白いものを提供できます。それはとても大事なことだと思ってます。
自分が好きなようにやりたいことをやるというよりは、私がやりたいことの10個あるうちの一つだけを取入れさせてもらいます、10個全部やると絶対失敗するので若い頃は若気の至りで私がプロデューサーなんだから10やりたい!とやって大抵失敗しましたから、皆さんそうならないように(笑)
小井戸氏
成沢さんありがとうございます。
高橋さんは若い頃と今ではそのあたりはいかがですか?
高橋氏
ゲーム会社によってプロデューサーの職務領域が違ったりもするので、じゃあ一般的にプロデューサーとディレクターの仕事って何が違うかというと、大抵の会社さんのいうビジネス的な数字を持っているか持っていないかという事とは違うと思っています。数字を見るようになると、赤字になってまで現場の人が100%作りたいものを作り切ったものって果たしてそれは幸せかというと幸せじゃないんですよね
高橋氏
さっき成沢さんが言ったようにやっぱりエンターテインメントの売上はお客様の支持とほぼイコールなので、無理やりお客さんの財布に手を突っ込んで「よこせ!」なんてできないじゃないですか。
お客さんの心を動かして、そこにお金を払ってもいいと価値を感じていただいた結果なので、売れたら誇っていいと思います。ゲーム業界でもチーム内でも揉め事がよくあったりするのですが、ヒットすると割とチャラになります。僕も色々な事があって開発中は散々言われてヒットしたら「いや~高橋さんのいうことを聞いていてよかった」といわれたことがあります(笑)
大変なことがあっても売れたらすべていい方向に思い出も変わります。そりゃ狙って100%ヒット出せたらみんな大金持ちに持ちなのでそれはないですが……
(こばみの心の声)
なんという手のひら返しだ!!
成沢氏
そうですね。
Name
それはないんですけど、できるだけヒットやホームランを狙って仕事をしています
小井戸氏
ありがとうございます。

# 6  ゲーム業界の黒魔導士が語るプロデューサーの仕事とは

成沢氏
私エニックス時代の上司が「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族」 や「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」「NieR:Automata」を作った齊藤陽介さんなんですけど、入社当時私はプロデューサーの仕事がどんなことをするかわからなかったので齊藤さんに聞いたところ「プロデューサーはペテン師だ」と言われたんですよ。
5.23トークイベント時のスライド
成沢氏
「私がプロデューサーとして決めたので、絶対大丈夫だから!」と開発会社さんに言って安心させようとするけど、ぶっちゃけ、その判断で合っているかなと心では迷ってるときもあるじゃないですか。上手くいかなかったり、思うようにベータ版が出来ないとか。
チームを作るために、モチベーションを高くしなきゃいけない、なので「売れる!」と言わないといけないんです
そういうことがあって、結果がどうなるかは分からないですが信じてもらい、そこに進むように向けるんですけど、そういう意味ではペテン師なんですよ。
成沢氏
齊藤さんに「最後ペテン師か魔法使いかになるかは最後で決まる、で、魔法使いになる」と言われたことを今でも覚えていて、今でも序盤ペテン師、完全なるペテン師なんですけど、最後きちんと売れてみんなが幸せになってくれればペテン師もちゃんと魔法使いになれます。これからもそうなりたいと思います。
小井戸氏
ありがとうございます。
それで今の魔法使いがあるんですね。
成沢氏
そうなんですよ、ゲーム業界の黒魔道士っていわれています。元々、黒が好きで、黒ばっか着てます(笑)

(こばみの心の声)
黒魔道士…!
途中から成沢さんが浮いているように見えていました…!

次回は「入社当初影響を受けた人や出来事」
つづく…!
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登壇者ご紹介♪

■高橋宏典(たかはし ひろみち)
テクモ(現コーエーテクモゲームス)、ソニー・コンピュ ータエンタテインメント、キューエンタテインメントなど 、国内ゲーム会社4社、韓国ゲーム会社2社でプランナー 、ディレクター、プロデューサーとして活躍。アーケード 、家庭用、PCオンライン、モバイル、VRなど幅広いプラットフォームでの開発を経験。ソニー・コンピュータエンタテインメント在籍時代にディレクターを担当した「ど こでもいっしょ」はマルチメディアグランプリ1999通 商産業大臣賞(グランプリ)、第4回日本ゲーム大賞など 、多数の賞を受賞。シリーズ累計200万枚を超え、10 年を経た今も続編が発表され続けるロングヒットシリーズ となった。
現在、あまた 代表としてゲームを軸にした幅広いエンタテイメント制作に挑戦。最新作はVR脱出ADV「Last Labyrinth(ラストラビリンス)」。

 

■成沢理恵(なるさわ りえ)
国際基督教大学卒業後、旧エニックス(現スクウェア・エ ニックス)入社。以来、15年に渡り、コンシューマー・ PC・モバイルなどプラットフォームに縛られない幅広い分野でプロデューサーとして活躍し、スクウェア・エニックスではPlayStation 2用「エンドネシア」やスマホ版「ファイナルファンタジ ー」Ⅳ、Ⅴ、Ⅵなどを手がける。その後もゲームの最前線 でプロデューサー職に従事し、最新作は270万ダウンロ ードを超える大ヒットアプリ「おそ松さんのへそくりウォーズ~ニートの攻防~」。
現在、モノビット・モリカトロンホールディングス(東京 )、モリカトロン(東京)、モバイルファクトリー(東京 )、RingZero(東京)、ちゅらっぷす(沖縄)、 ArAtA(福岡)など、全国のゲーム会社の役員および 顧問を務める。

 

■小井戸洋(こいど ひろし)
2011年3月にグリーに入社。JapanGame事業 本部でゲームデベロッパーとのアライアンス事業を担当し 、オルトプラス社やGMOインターネットグループ、サイ バーエージェントグループ、グラニ社等との業務提携を推 進し、数多くのヒットタイトルを担当する。
2016年4月よりグリー100%子会社であるファンプ レックスを立ち上げ、執行役員副社長に就任、ゲーム事業 のM&Aを推進し年間取扱高100億を達成した。
現在、事業開発ギルドBizconcierを創業、複数 企業の顧問を務める。

 

 


ゲームクリエイターズギルドとは

ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)

スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
ゲームクリエイターズギルド公式サイト ▶ https://game.creators-guild.com/

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