講談社ゲームクリエイターズラボ×ゲームクリエイター甲子園 産学連携プロジェクト最終発表&出張編集部

2024年度が始まり、ゲームクリエイター甲子園 2024もエンジンをかけるべく、様々な施策を計画しています! 今回のイベントレポートでは昨年の様子をお伝えします。

講談社ゲームクリエイターズラボ×ゲームクリエイター甲子園 出張編集部最終発表!

HAL東京にて講談社ゲームクリエイターズラボ×ゲームクリエイター甲子園 出張編集部 最終発表を実施しました!

「年間最大1000万円差し上げますから、好きなゲームを作りませんか?」というキャッチフレーズでも知られる、インディーゲームクリエイターの発掘・支援プロジェクト「講談社ゲームクリエイターズラボ」と、日本最大級の学生インディーゲームコンテスト「ゲームクリエイター甲子園」がコラボして、学生クリエイターのゲーム作品をその場で公開チェック&フィードバックする「出張編集部」を実施しました。

【講談社ゲームクリエイターズラボ(GCLA)とは】
講談社ゲームクリエイターズラボ(GCLA)」は、「年間最大1000万円差し上げますから、好きなゲームを作りませんか?」というキャッチフレーズでも知られる、インディーゲームクリエイターの発掘・支援プロジェクトです。選考を通過したクリエイターには担当編集者がつき、制作支援やパブリッシング、海外展開、メディアミックスなど包括的なサポートを受けることができます。

最終発表では、HAL東京/HAL名古屋/HAL大阪の3校で行われた中間発表からブラッシュアップされた6作品のプレゼンがありました。

 

いよいよ出張編集部本番!

制作チームの代表者がプレゼンを行った後、講談社クリエイターズラボのお2人とゲームクリエイターズギルド宮田より、所感やアドバイスが送られます。

まずは出張編集部の目的と評価基準のおさらい

プレゼンの流れ

  • ゲーム紹介
  • 産学連携のテーマを通してブラッシュアップした前後の差分を紹介
  • 気づき、テストプレイサンプル例の紹介

評価基準+α

  • 企画性「このゲームのねらいは何か」
  • 世界観「このゲームで表現したいものは何か」
  • 新規性「このゲームが持つ他の作品にない新しさは何か」
  • 拡張性「このゲームの持つ広がりにはどんなものがあるか」
  • +α あなただけのこだわり「何のために作るのですか?」

インディーゲームとして商用作品に足る作品にしよう!

『スナックル』ゲームクリエイター甲子園2023では総合賞佳作受賞

作品紹介

スナックルは、敵を場外にぶっ飛ばして落とすだけの 「パンチバトルアクションゲーム」です! 2種類のパンチアクションで敵を爽快にリングアウトKOしよう!
みんなのゲームパレード『スナックル』作品紹介ページはこちら

ブラッシュアップした点

テーマはリリースして他のゲームと遜色のないゲーム、クオリティアップをして色々な人に遊んでもらうこと、自分たちが満足する作品を作り切りました。ストーリーの追加、挙動変更、ミッションの追加、ステージ装飾、エンドロール追加などを行いました。

今回の評価基準で気づいた点

OP・EDの追加をすることでフルプライスゲームに負けないように意識すること、またユーザーへの感謝を表現、ストーリーパート、UIなどアウトゲームの部分を作り込むことで、プレイヤーが何をすべきかの誘導などもわかりやすくなりました。
【所感・フィードバック(一部抜粋)】
中間審査の時よりもプレゼン内容もパーフェクトなのではないでしょうか。非常にわかりやすいです。ユーザーフレンドリーの観点で問題の解決ができていたと思います。プレイヤーファーストの目線に立ち返ってブラッシュアップができていました。エンドロールの配慮も素晴らしいです。発表も好感が持てて、しっかり真面目に練習されているのが伝わりました。

『でこぼこエレキトロン』

作品紹介

叩いて!形を!変える!へこみを利用して電子の道を作るアクションパズルゲーム。鉄のリング型のステージをたたいて凹ませる。ステージの凹凸を利用して電球に電子を導こう!!
みんなのゲームパレード『でこぼこエレキトロン』作品紹介ページはこちら

ブラッシュアップした点

・遊びやすさ、長く遊んでもらえるようにする
変形の気持ちよさにつながるへこみ具合や、カメラの調整、音にこだわる。ステージクリア時のランクを見直す。セーブデータの実装でユーザーの遊びやすさを向上。

・遊び方の幅や種類を増やす
ゲームの魅力であるステージの変形に幅を持たせることによって、さらに凹ませ方の幅を生み出しました。

今回の評価基準で気づいた点

ユーザーの遊びやすさや、楽しませるために必要な工夫。このゲームのどの部分を強化したらいいのか、ターゲット層を意識して、このゲームの強みを生かした制作を経験することができました。

【所感・フィードバック(一部抜粋)】

ちゃんと伝わるプレゼンでした。自分自身のゲームの強みを理解していた上で、ユーザーフレンドリーを意識できてブラッシュアップしていた。ユーザーが凹ませているという体験をさせることが難しいところだと思うが、その部分のブラッシュアップが突き詰められていたのが伝わりました。

『スノーロール』

作品紹介

太陽の暴走により、スノードームの世界が大ピンチ。主人公は雪玉に憑依し、雪をくっつけて大きくする。大きくなった雪玉を太陽にぶつけ、鎮火しよう!
みんなのゲームパレード『スノーロール』作品紹介ページはこちら

ブラッシュアップした点

ペルソナを小学5年性の男の子に設定しましたが、実際購入する親に向けたブラッシュアップを行いました。
①拡張性
・ステージのボリューム追加
・1ステージの難易度を下げ学ぶ量を少なくすることで遊びに集中しやすくしたなど。
②世界観
・OPやEDを導入して没入感をUPさせ、ゲームの目的部分の補足ができた。
・一部のオブジェクトをブラッシュアップしてステージ装飾を強化。

今回の評価基準で気づいた点

キャッチーさも相まって、メインターゲットの親へ安全なゲームだということが伝わりやすく、買ってもらいやすくすることが重要と感じました。問題点としてはゲーム内で直観的にわかるような誘導がまだ足りないと感じました。

【所感・フィードバック(一部抜粋)】

デザインがキャッチーでセンスがよかった。強みを伸ばして弱みを消すブラッシュアップになっていた。完成が楽しみ。個々人が今後どんなクリエイターになっていきたいかが少し見えてきたんじゃないかと思いました。また子供向けにしてはフォーカスが弱い気がしたので、ターゲットが全年齢向けでもいいのではないかと思った。

『もっこワンッ!』

作品紹介

「泡」にこだわったもっこもこ泡まみれアクションゲーム!  キミの旅路はまさにワンダフル。「プクプク泡」と「もっちり泡」を使い分けながら、ジョセフィーヌと共に「泡」で数々の困難をあわわワンッと乗り越えよう。
みんなのゲームパレード『もっこワンッ!』作品紹介ページはこちら

ブラッシュアップした点

オートセーブ機能追加やチュートリアルの追加。UIに絵を追加して文字が読めなくてもわかりやすくする工夫などを行いました。コレクション要素を追加し、何度もプレイすることで犬のジョセフィーヌを可愛がってもらえるようにブラッシュアップしました。

今回の評価基準で気づいた点

Switchで販売した場合の拡張性を考えた時の2人同時プレイや、親子で好きになってもらう工夫について考える機会になりました。テストプレイの感想を受けて今後の対策として、さらにレベルデザインやギミックの見直し、チュートリアル専用のステージシーンの追加を行いたいと思います。

【所感・フィードバック(一部抜粋)】

デザインがとても良かったので、ブラッシュアップの方向性もパーフェクトだった。今後はジョセフィーヌの動きにこだわると良いのかも。2Dアニメーションの可愛さで没入感が深まっていくと思う。プレゼンの中に動画を入れることでタイムキープをしているところがとても参考になった。

『コミックバチコーン!!』総合賞 第2位受賞

作品紹介

大人気マンガ家となったプレイヤーは、原稿を完成させるため マンガの世界から飛び出したキャラクター達をコマへとたたきつけて 原稿を完成させるアクションゲーム!! キャラクターをコマや地面などあらゆるところにたたきつけまくれ!!
みんなのゲームパレード『コミックバチコーン!!』作品紹介ページはこちら

ブラッシュアップした点

目標を持ってプレイできる遊びを提示していくために、サブミッションの追加、EXステージの解放をしました。新しいクリアの仕方の提示やコンプリートしたいという欲求を煽り、プレイ時間の増加を狙い、これによりレベルデザインにもいい影響がでました。

今回の評価基準で気づいた点

5段階の満足度アンケートを実施したところ、4の評価が全体の約32%を占める結果に。そこでサブミッションを追加して、新しいクリアの仕方の発見やコンプリートを目的にした進め方ができるようにしました。新しい遊び方を体験してもうことでプレイ時間の増加へつながるのではと考えました。目標は評価4の層を最高満足度へ押し上げることです。これによってチームメンバーが誰に届けるのかを考えて制作できたと思います。

【所感・フィードバック(一部抜粋)】

ブラッシュアップの方向性が非常に合理的で無駄がなく素晴らしい。ペルソナをどう広げていくか、好みの問題ではあると思うが、全年齢でも良いのかが今後の課題かと。評価4を付けたユーザーに目をつけた部分の分析の難しさがあったと想像できるが、不満点の見えずらい部分をどう見つけていくかで作品がシャープになっていくのではないか。表現力も満足度も高く、遊んでて面白い作品なのでどんどんブラッシュアップしていってもらいたい。

『Confuvision』

作品紹介

「操作の難しさ」をポジティブにとらえることで、難しいコントローラー操作を工夫しながらパズルを解くことでゴールを目指していくことを可能にしたゲームです。
みんなのゲームパレード『Confuvion』作品紹介ページはこちら

ブラッシュアップした点

このゲームのウリはほぼ全てのボタンに全部のギミックが対応している、そこに面白さがあるのではないかと思いました。難しい操作を逆手にとり、コントローラーの使い方をプレイヤーが工夫しながらクリアを目指していきます。見た目を華やかにしてプレイヤーの動きもわかりやすくブラッシュアップしました。

今回の評価基準で気づいた点

1つのコントローラーを分け合ってプレイできる点、協力しあってコントローラーシェアプレイという発想が生まれました。また対面で周りの人と仲を深められる部分は今回のブラッシュアップがあってこそでした。

【所感・フィードバック(一部抜粋)】

もともとはっきりしていた狙いがブラッシュアップされていた。難しさを逆手に取ってというところが良くて、難しいことは必ずしも悪いことではないし、修正すべき点ではないかもしれない。問題の本質を探ることになる。難しさの種類をベクトルを変えて5段階くらいに分析していくともっと与えたい表現が見えて研ぎ澄まされたものになるかもしれない。

総括

鈴木さん:今回の審査は本当に悩ましいものでした。他の作品も素晴らしかったので、皆さんは気を落とさずに頑張ってくださいね。4つのお題に+αで1つを付け加えるというのは、期待を煽りながら新たな方向性をいかに導くかだと思います。これからも皆さんには中毒性と魅力にあふれたゲームを作り続けていただければと思います。

平田さん:どの作品も素晴らしく、選ぶのが大変でした。自分の強みや他の人にはできないことを持ち続けることが大事だと思いますので、将来もクリエイターとしてその価値を大事にしてほしいですね。

宮田:今回の6作品に関しては「これはちょっと光っているものがあるな」という作品が選ばれました。お客さんに届ける段階まで進むことを期待しています。本当に僅差の差の中での選定でした。産学連携の観点からの受賞ですので、他の作品も非常に高いレベルでした。もう少しの突き詰めで、他の作品も受賞できた可能性があると思います。今後の作品制作や仕事での場面で意識してほしいポイントがたくさんあり、学びの機会となったかと思います。

結果発表

産学連携プロジェクト最終発表にて最優秀作品賞に輝いたのは『スナックル』です! プレゼン内容や作品のブラッシュアップへの評価がされました。次に、優秀作品賞に選ばれたのは、『もっこワン』と『スノーロール』です。そして、佳作として選ばれたのは、『凸凹エレキトロン』、『コンフービジョン』、そして『コミックバチコーン』です。

受賞者の皆さま、心よりおめでとうございます。今後も、さらなる創造活動を楽しみにしています。

「ゲームクリエイター甲子園」は、引き続き学生クリエイターに向けた様々な取り組みを実施予定です。詳細はLINE公式アカウント公式Twitterを要チェック!

また、本企画について実施したい・興味がある学校・教員の方は下記フォームよりご連絡ください!


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※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約7600人参加(2023年12月現在)

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