2024年度が始まり、ゲームクリエイター甲子園 2024もエンジンをかけるべく、様々な施策を計画しています! 今回のイベントレポートでは昨年の様子をお伝えします。
専門学校HAL名古屋・HAL大阪・HAL東京と、講談社ゲームクリエイターズラボ、ゲームクリエイター甲子園による産学連携プロジェクトの中間発表&出張編集部を実施しました。本稿では、HAL名古屋の中間発表&出張編集部の様子です。
出張編集部第3弾レポ ~HAL名古屋編~
専門学校HALとの産学連携プロジェクトのテーマは「インディーゲームとして商品化できるクオリティの作品を制作する」こと。学生がコンテスト向けに制作したゲームをさらにブラッシュアップさせ、講談社ゲームクリエイターズラボに通用するような高クオリティなゲームに仕上げることを目的としています。
「講談社ゲームクリエイターズラボ(GCLA)」は、「年間最大1000万円差し上げますから、好きなゲームを作りませんか?」というキャッチフレーズでも知られる、インディーゲームクリエイターの発掘・支援プロジェクトです。選考を通過したクリエイターには担当編集者がつき、制作支援やパブリッシング、海外展開、メディアミックスなど包括的なサポートを受けることができます。
今回は、講談社ゲームクリエイターズラボと日本最大級の学生インディーゲームコンテスト「ゲームクリエイター甲子園」がコラボして、学生クリエイターのゲーム作品をその場で公開チェック&フィードバックする「出張編集部」も兼ねて、HAL名古屋とオンラインを繋いで開催しました。
いよいよ出張編集部本番!
まずは制作チームの代表者がゲームのプレゼンを行い、その後講談社ゲームクリエイターズラボの平田京市郎さんと鈴木隆介さんから所感やアドバイスが送られました。
『ミミっと!ウサーチ!』
「探知」して「探査」する宝さがしアクション。フィールドに隠されているアイテムを主人公の”ミミ”で探知!探知にヒットするとコントローラにビビ!っと振動!振動の強弱を頼りに捕まっている子ウサギをすべて助け出そう!
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このゲームは「探知」「探査」の楽しさにとことんこだわり考案・制作しました。主人公のウサギは特殊な”ミミ”を使ってステージ内を360°探知し、何かに反応すると”ビビ!”っとコントローラーに振動として伝わります。この振動は反応した物との距離で強弱が変化するようになっており、このギミックを駆使して捕まっている子ウサギを探します。
3Dのフィールドやブロック以外のほぼ全てのオブジェクトは2Dで制作しており、Spineを用いた滑らかなアニメーションとキャラクターの可愛らしさにもこだわっています。
作品詳細・ゲームダウンロードはこちら ▶ https://gameparade.creators-guild.com/works/1199
(平田さん)
全体的にクオリティが高くて面白そうなゲームですね。キャラクターや世界観の可愛らしさもズバ抜けて良い印象です。2Dと3Dが上手く掛け合わされていて、2Dグラフィックを得意とする皆さんの強みが活きていると思います。コントローラーの振動を頼りに宝探しをする発想も面白いです。Seamだけでなく、Nintendo Swichでも遊びたくなるゲームだと感じました。
(鈴木さん)
クオリティの高さとゲームデザインがとても素敵ですね。ただ、主人公はウサギなので「木箱を壊して宝探しをする」だけでなく、もう少しウサギに関する要素が入っているとより設定に深みが出るのではないでしょうか。また、Steamでの販売を想定されていると思いますが、iOSやNintendo Swichなどにも移植しやすそうな作品だと思います。
「小学3~6年生がターゲット」と仰っていましたが、高度な操作テクニックを要する部分もありますし、そもそもお子さんにとってSteamでのゲーム購入のハードルは高いので、あまりターゲットを絞り込み過ぎない方が良いかもしれません。
《学生からの質問》
Nintendo Swichに移植する場合、Joy-Conを活かした遊びを足したいのですが、どのような要素があれば面白くなるかアドバイスをいただきたいです。
《平田さんの回答》
コントローラーの振動を利用する要素は既に実装されているので、遊びを足す、というよりもJoy-Conの操作が簡潔で分かりやすいように実装すると良いのではないでしょうか。
《鈴木さんの回答》
タッチスクリーンに対応させるなど、操作の直感性を上げて遊びやすいゲームにすると良いかもしれません。
『SAI∞DICE』
特殊なアイテムで増殖するサイコロを操作して、敵を倒すアクションゲームです。ステージ毎のボスを倒せばステージクリア、サイコロの数がゼロになるとゲームオーバーになります。操作方法は簡単で、進みたい方向めがけてマウスをクリックしてサイコロを振るだけ。マウスでサイコロを操作して敵にぶつけると、敵に当たった面の数字分のダメージを与えることができます。
とにかく大量にサイコロが出てくるので、ゲームバランスに力を入れました。コロコロ転がりながら敵にぶつかって倒していく、一見とてもシュールだけど、どこかかわいいサイコロ達が見どころです。アクションゲームをやってみたい人、ちょっと変わったゲームをしてみたい人に、ぜひ遊んで欲しいです。
作品詳細・ゲームダウンロードはこちら ▶ https://gameparade.creators-guild.com/works/1188
(平田さん)
サイコロで遊ぶゲームは沢山ありますが、サイコロを敵にぶつけるアクションゲームは中々ないので、面白い発想だと思います。この他にも「サイコロの出目の数が増減してサイコロの形も変わる」「サイコロの角が丸くなってスピードアップする」といったように、サイコロにこだわったギミックが追加されると、より面白くなるのではないでしょうか。
(鈴木さん)
とても面白いギミックで、斬新なゲームですね。「パワーアップすると面の数字が全部6になる」「ボスのサイコロが100面体」などのように、サイコロの特性を活かした演出があれば、より一層面白くなると思います。
《学生からの質問》
現状はサイコロを誘導して敵にぶつけて攻撃する仕様ですが、敵をクリックして特殊なモーションを発動させて攻撃する、という仕様に変更するか悩んでいます。どちらの方が良いでしょうか。
《平田さんの回答》
現状のままでも十分に面白いゲーム性だと思うので、無理に変更する必要性はないと思いますよ。
《鈴木さんの回答》
自分も同意見で、基本的には動作の少ないシンプルな操作で貫いた方が良いと思います。
『AINEXSUS』
近年話題のAIを取り入れたゲームを作ろうと考え、AIの強化学習にこだわったゲームを制作しました。AIの行動評価に「Good」「Bad」の指示を出して、ステージ内の全ての目的地にたどり着くように誘導する、というシンプルなゲームルールです。「Good」評価のルートは積極的に通りやすくなり、反対に「Bad」評価のルートは通りにくくなるため、いかに効率的なルートで目的地にたどり着けるか考えながらプレイする必要があります。
前回のバージョンからの変更点としては、矢印の方向に強制的に進む「アクセラレータ」や、ロックされたドアを解除できる「カードキー」などのギミックを追加したほか、ステージ数の増加、AIらしさの向上を図りました。
作品詳細・ゲームダウンロードはこちら ▶ https://gameparade.creators-guild.com/works/1197
(平田さん)
AIの特性を上手くゲームに落とし込めていて面白いですね。最近はAIの技術を応用した抽象的なゲームが多くリリースされているんですが、もし今後このゲームにストーリーやキャラクターを実装して「目的地にたどり着く動機づけ」ができれば、より一層楽しめる作品になると思います。
(鈴木さん)
シンプルかつ面白いゲーム性だと思います。ただ、平面のステージだとAIの学習が単調になりやすいので、立体的なステージを設計するとより面白くなりそうですね。現状はSFのような世界観ですが、これをホラーやファンタジーなど、様々な世界観に合わせて展開していけると思うので、ぜひ色んな可能性を探ってみてください。
《学生からの質問》
我々のチームにはプランナー1名とプログラマー9名がいるんですが、デザイン特化のメンバーがいないため、どうしてもシンプルなデザインになってしまいます。このメンバー構成でデザイン勝負をするためには、どうすれば良いでしょか。
《鈴木さんの回答》
たとえば、UIデザインをプログラミング画面のようにして、プレイヤーにプログラミング体験をしてもらえるようなゲームデザインにするのも良いかもしれませんね。プログラマーであっても、プランナーやデザイナーとしてのセンスを磨いていくのはアリだと思うので、ぜひ職域に縛られず自分たちの強みを活かしたデザインを作っていってください。
『テクノファンタジー』
ゲームの世界に魔法をかけて、ゲーム概念自体を操作していくアクションパズルゲームです。オブジェクトの質感をソフトボディにして岩を跳ね返したり、岩をガラスに質感変化させて破壊したり、視点を3Dビューからサイドビューにして普通なら通れない道を通れるようにしたりと、ゲーム技術・表現をオンオフしながらゴールを目指します。
以前のバージョンでは画面の動きが少なかったため、全体的にピクトを追加・改修したり、オブジェクトを追加したりするなどしてステージに彩りを持たせました。
作品詳細・ゲームダウンロードはこちら ▶ https://gameparade.creators-guild.com/works/1195
(平田さん)
ギミックが沢山盛り込まれていて、とてもこだわりを感じました。きっと実装も大変だったんじゃないでしょうか…(笑)。様々なギミックを組み合わせることで、バリエーション豊かな遊びを持たせられる、良い作品だと思います。
(鈴木さん)
多様なギミックを用いたゲームの場合、ギミックの仕様を直感的に理解できないユーザーも出てきてしまいます。チュートリアルなどでギミックの使い方をレクチャーできれば、より一層面白くなるのではないでしょうか。とても良いゲームなので、これからもぜひ頑張ってください。
《学生からの質問》
もしお二人がテクノロジーを用いたギミックを追加するとしたら、どのようなものを追加されますか。
《平田さんの回答》
既に没になっている案かもしれませんが…(笑)。ゲームの中でしか通用しない、実現不可能な動きを反映すると面白くなると思います。
『目立ちたがりのペンギン君』
このゲームはペンギンを操作して、自分の人気を上げることを目的とした、謎解きアクションゲームです。基本ルールは、制限時間内に自分(ペンギン)の展示ブースに目標人数を集めること。ただし、園内を巡回している飼育員に見つかると戻されてしまいます。園内には様々なモノがあるので「モノをつかむ・はたく・ひきずる」などのアクションを使って、よりたくさんの人気を集めましょう!
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『とにかく注目を集める』ことにこだわったゲームで、ペンギンの可愛いアニメーションやそれを引き立たせるステージの景観に力を入れて制作しました。アクションの動作も本物のペンギンらしい自然な動きを目指しています。このゲームをより長く・深く遊んでいただくために、今後はギミックを追加したり演出を新実装したりする予定です。
作品詳細・ゲームダウンロードはこちら ▶ https://gameparade.creators-guild.com/works/1193
(平田さん)
承認欲求という人間ならではの欲をゲームに落とし込む発想がとても面白いですね。たとえば「来園者にスマホで撮影をしてもらう」「撮影された写真の枚数を競う」といったように、色んな展開が考えられるゲームだと思います。今後の完成形を楽しみにしております。
(鈴木さん)
今後のブラッシュアップ内容の一つに「来園者の年齢幅を増やす」という項目がありますが、これは素晴らしい方針だと思います。「大人と子供で求められるリアクションが違う」など、来園者の年齢幅に沿った課題を追加するとより一層深みのあるゲームになるのではないでしょうか。ぜひブラッシュアップを頑張ってください。
《学生からの質問》
プレイヤーに「次はもっと上手くプレイしよう!」と思ってもらえるような演出をするために、ゲームクリア後にハイライトを流して最も良かったプレイを追体験してもらおうと思っているのですが、他に良い案がないかアドバイスをいただきたいです。
《平田さんの回答》
来園者が自分の方を向いているような、ペンギン目線の映像があれば「注目されている」感が強まって面白そうですね。
《鈴木さんの回答》
来園者が良いリアクションをした時に「Excellent!」などの吹き出しを出したり、音が鳴ったりするのも良いかもしれません。
プレゼン会を終えて
平田さん:
どの作品もクオリティが高くて、特にアイデアの出し方やゲームデザインへの落とし込み方がとても優れていました。今後はプレイヤーにより一層楽しんでもらうためにどうすれば良いかを考えて、ブラッシュアップに臨んでいただければと思います。次回も楽しみにしております。本日はありがとうございました。
鈴木さん:
どの作品もこだわりを感じられる、素晴らしい作品でした。次にブラッシュアップする時は、自分自身のこだわりを掘り下げていただければと思います。ブラッシュアップで迷った時は、まずは自分のこだわりを優先させるのも良いと思うので、ぜひ自分の作品を掘り下げていってください。
今回はHAL名古屋の5チームのプレゼン内容を一部ご紹介しました。今回プレゼンしていただいた作品はもちろん、プレゼンされていない方の作品も甲子園2023で見られることを楽しみにしています!HAL名古屋の皆さん、そして講談社ゲームクリエイターズラボの鈴木さん、平田さん、大変お疲れ様でした!
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2024年度が始まり、ゲームクリエイター甲子園 2024もエ […]…
2024年度が始まり、ゲームクリエイター甲子園 2024もエ […]…
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