『CRUSHER』開発者インタビュー
Fawn Hiatusチームは、「Indie Games Contect 学生選手権(以下、学生選手権)」にて審査員特別賞を受賞した、日本工学院八王子専門学校の制作チームです。
デザイナーが不在のチームで制作されたそうで、プランナーの長谷川さんに『CRUSHER』の制作でこだわったポイントはどこか、話を聞きました。
- チームメンバー紹介
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西田光樹 リーダー、プランナー
・仕様作成、進行管理、ステージ制作、難易度調整、BGM・SE長谷川夏己 プランナー
・仕様作成、ステージ制作、PV作成深瀬紫苑 リードプログラマ
・キャラクター挙動、ギミック実装、UI実装田辺光 プログラマー
・敵の挙動、アニメーション実装杉崎天 プログラマー
・プレイヤーの挙動、エフェクト追加今回のインタビューはプログラマーの長谷川さんにご参加いただきました。
シンプルに「殴って壊す」というこだわりに集点を置いた爽快3dアクションゲームです。本作品は基本的になんでも殴って吹き飛ばし、壊せます。ド派手な爆発と吹き飛ぶ演出が、とてつもなく愉快爽快でプレイヤーが次々と破壊したくなるような作品です。
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作品紹介ページ ▶ https://gameparade.creators-guild.com/works/915
殴って飛ばすアクションゲーム『CRUSHER』
―『CRUSHER』ではどんなところを担当されましたか。
長谷川:
プランナーとして参加して、ステージ1を担当しました。その他にもエフェクトを探す作業も行いました。
―続きのステージがあるんですね。
長谷川:
ステージ2が一応あるんですが、ステージ1に力を注いでしまい、ステージ2は今後のアップデートで実装予定です。
―学生選手権に参加したきっかけを教えてください。
長谷川:
コンテストに応募すれば、怠けることなく制作に打ち込めるだろうと応募したのが始まりですね。結果論ですが、面白いゲームができたので、よかったなと思っています。
ゲーム制作自体は週に2回の授業で進めていました。
―何人チームで制作されていましたか。
長谷川:
5人チームで取り組みました。そのうち、プランナーが2人とプログラマーが3人のメンバー構成で制作を進めました。
―デザイナーさんがいないチームだったんですね。
長谷川:
そうですね。デザイナーさんがいないチームなんですよ。なので、自分たちだけでアセットを活用して制作しました。
―授賞式の当日はいかがでしたか。
長谷川:
かなり緊張していました。もう1人のプランナーである友人と一緒に参加しており、他の応募チームの人とも2次審査の際に話したことがあり、そのおかげで少し緊張がほぐれました。でも、写真撮影の際にはやはり緊張してしまい、表情が超硬かったと思います(笑)。
―他の受賞者とは何を話されましたか。
長谷川:
「このゲーム、めちゃめちゃ面白かったよ」と感想を共有しましたね。
―今回の受賞を経て、周囲からの反応はいかがでしたか。
長谷川:
見た目から馬鹿ゲーっぽく見えて、「こんなゲームが受賞するとは…」という雰囲気が漂っていました。でも、みんな面白いって言ってくれていたんです。そうは言っても、最終的な審査に進むのは難しいだろう、と。それは自分たちも同じように考えていました。でも、先生は「絶対いける!」って言ってくれていたんです。先生からはめちゃめちゃ期待されていました。
―2次審査まで進んだら、もしかしたら賞をもらえるんじゃないかという思いはチームの中でもありましたか。
長谷川:
ありましたね。でも、ここまでだろうと思っていました。チーム内でも審査が進んでお祝いしたんです。
まさか審査員特別賞をいただけるとは誰も思っていませんでした。
―受賞したときはいかがでしたか。
長谷川:
びっくりしました。授賞式に5つのチームが出場し、その中で最優秀賞が1組で優秀賞が3組、そして審査員特別賞が1組選ばれていました。この中で、僕たちの賞は1番下かなと思っていたんです。余り枠かなと。ですが、実際の表彰では最優秀賞と優秀賞の中間くらいの位置に位置付けられ、なかなかいい感じの賞だと思います。本当に嬉しいです。
単純な遊びの中に広がる楽しさの魅力
―ゲームについてお聞かせください。ゲームはどんなところから着想を得ましたか。
長谷川:
実は去年の2年生の時に、ゲームクリエイター甲子園で応募していました。『トントンブレイク!』っていうパズルゲームのような作品です。このゲームでは、音を聞いて本物かどうか確かめてから壊すという遊び方が特徴です。友だちがこれを見て「もう全部壊しちゃえば楽しいんじゃない?」と提案してきたことがあり、そのアイデアもいいかもしれないと思って、今回のゲームに反映しました。
『トントンブレイク!』
ハンマーで素材を判別し破壊する3Dパズルゲーム。音で素材を確認し、新たなアプローチで進路を開拓しよう!
―全部壊してしまえ、となったんですね。今回、こだわったところについて教えてください。
長谷川:
建物を殴った後の飛んでいく角度には結構こだわっています。ちょっと見上げれば、飛んでいく様子がしっかりと見られる角度を設定しました。視点が高すぎず、低すぎないようなバランスにこだわっていますね。
―斜め45度ぐらいの感じでしたね。
長谷川:
そうですね。その先の爆発も見えるように、吹っ飛び方はこだわって制作しました。
―可愛くて印象に残っていたんですが、人間を飛ばしたらドクロの花火が上がるのはどうしてですか。
長谷川:
人間を爆発させると良くないなとチームで話し合って、ああいう風な表現になりました。
―人間の爆発は良くなかったんですね。
長谷川:
応募規約にグロテスクなものはあまり良くないとあったんです。既に人間を殴って飛ばしていますが、ああいう表現にしようとチーム内で決定しました。
―制作が難しかったところはどんなところでしたか。
長谷川:
ビルや人物などに対する殴る判定の設定は、最初はすごく複雑だったと聞いています。僕はその部分を担当していないので、詳しくは分からないんですが、特に地面との境目の関係で思ったように動かなくて、丁度いい当たり判定の大きさについて考える必要がありました。実際、地面に触れないギリギリの範囲まで当たり判定を広く取って解決しましたが、この調整には結構時間がかかりましたね。
―遊んでくれた人からはどんな反応がありましたか。
長谷川:
みんな「馬鹿なゲームだな(笑)」っていう感じで、みんな楽しそうに遊んでくれて「馬鹿なゲームだけど面白いな」と言ってもらえました。こちらが思った通りの感想をもらえて良かったです。
―今後のアップデート予定などありますか。
長谷川:
2次審査の時に、審査員さんから「ヒットストップは入っていないんですか?」と指摘を受けました。確かにヒットストップを追加すべきだと感じましたね。それからステージ2も見直す予定です。時間が許す限り全体的な改善を行いたいと考えています。また、余裕があればステージ3も作りたいと思っています。
―いいですね。どんどんゲームが膨らみそうですね。
長谷川:
このゲームの元の部分が、殴って飛ばすだけなので、拡張性はすごいものだと思っています。
―ゲーム制作を通じて伝えたいメッセージをお聞かせください。
長谷川:
このゲームで受賞して感じたことですが、こんなバカなゲームでも大きい賞を受賞できました。ゲームを作り始めるとよくあるようなRPGを作ろうとしちゃうじゃないですか。
そうじゃなくて、もっと柔軟に自由な発想で、いろんなこともバカみたいにできるゲームを作ってもいいんじゃないかなと思いますね。もう本当にみんなそういうゲームをいっぱい作ってほしいです。
―いいですね。今年もゲームクリエイター甲子園で出す予定はありますか。
長谷川:
『IgniteRush』というゲームでプランナーとして参加しています。
『IgniteRush』
IgniteRushは魔物に捕まらないように火を利用しながら宝を盗み、館からの脱出を目指すゲームです。プレイヤーは油壺を投げ、着火し火を放てる。
火事は進路を切り開くが、道の妨げにもなる。
火が味方になるか、敵になるかはプレイヤー次第!
https://gameparade.creators-guild.com/works/1050
長谷川:
だいぶ難易度が高いゲームで、火をつけて宝を盗むのが目標のゲームです。火が回ると通れるようになったり、通れなくなったり、魔物も追いかけてくるので上手く火を利用するのがポイントです。
―なるほど。早速遊んでみましたが自分はめっちゃ下手なんかなと思いました。
長谷川:
いやいや、初見じゃ分かりにくいかもしれませんね。
―次の目標はありますか。
長谷川:
このゲームクリエイター甲子園でも何かしらの賞は獲得したいなと思っています。もう少しアップデートができたら、他のコンテストでもいろいろと挑戦してみたい作品になっていると思います。
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