ゲームクリエイター甲子園に登場した中から18作品が、ゲームクリエイターズギルドが運営するクリエイター支援のためのコミュニティレーベル「Seeds by Game Creators Guild」の第二弾として参加することが決定しました。
今回のインタビューは18作品のうちの1つ『Z.EXE』をピックアップします。
このインタビューシリーズでは、ゲーム作品に焦点を当て、制作の裏側に迫ります。どのような構想を経て形づくられたのか、学生クリエイターのゲーム制作への思いや今後の展望についても探っていきます。
Studio403/『Z.EXE』
Studio403は「ゲームクリエイター甲子園 2022」に関連した産学連携イベントにて優秀賞を受賞した制作チーム。
アセットを使わずにBGMからすべてを総勢20名で『Z.EXE』を制作しました。ゲームのビジュアルや囲うシステムについて好評であった一方、ダッシュの難易度が高いという意見があり今後の改善点について考えていることなど聞きました。
- Studio403 チームメンバー紹介
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片桐 稜平 キャラクターモデラー・PV制作 天笠 龍希 メインゲームUI実装 川内 薫平 エネミーモデル・シーン遷移実装 竹田 直充 タイトル・ステージ選択・システムUI実装 黒宮 大貴 リードプログラマー・ゲームフロー・プレイヤー・ステージ実装 今井 智大 エネミールーチン・パラメータ実装 浮島 慎太朗 企画・タスク管理・仕様決定・エネミー設計・レベルデザイン 海東 智龍 世界観・レベルデザイン 小笠原 健人 モーション制作 佐藤 翼 世界観・背景アーティスト・コンセプトアート・PV制作 石川 博康 エフェクト・マテリアル・シェーダー制作 ヤオ ウィリアム ロゴ・UI・キャラクターモデラー・コンセプトアート制作 後藤 謙太 タイトルBGM 篠田 郁人 ステージ戦闘BGM 小鷹 龍馬 ステージ通常BGM・サウンドチームリーダー 小出 大和 ボスBGM 泉 夏暉 システム効果音 大木 伶馬 エネミー効果音 富田 裕亮 エネミー効果音 西澤 太洋 プレイヤー効果音 今回のインタビューでは片桐さんにご参加いただきました。
「スティックを素早く操作し、ダッシュで敵を囲んで攻撃する」というアクションゲームです。
移動で回避と接近を行い、隙を見て攻撃するアクションゲームの基礎を踏襲しながら、敵とその攻撃をダッシュで駆け抜ける緊張感・爽快感、敵を囲んで一網打尽にするゲーム性を大切にしました。
統一感のあるデザイン、高品質なモーションやエフェクトを通して、アクションゲームとして満足されるクオリティと納得感を感じてもらいたいです。
《「みんなのゲームパレード」より『Z.EXE』をダウンロード!》
物理演算を使用しているため動きが独特ですが他のゲームにはない自由な動きができるのが特徴です。
『Z.EXE』を実際に遊んでみたい方は、作品紹介ページ内の「作品をダウンロードする」をクリック!『Z.EXE』作品紹介ページ ▶https://gameparade.creators-guild.com/works/310
ギリシャ神話をモチーフにした世界観が広がる、爽快なタワー登攀『Z.EXE』
―囲んで遊ぶシステムにしたきっかけを教えてください。
キャラクターモデラー・PV制作 片桐さん:
スティックで囲う動作が、プレイヤーの感覚に頼った操作なので、そこから日本ゲーム大賞のテーマ「感触」が回収できるだろうとチームで話し合って”囲う”企画になりました。
―どういったスケジュールで制作が進みましたか。
片桐さん:
3週間ぐらいで企画がまとまった感じですね。最初の1週間はみんなで企画を考えて3つに絞って、2週間ぐらいで1個に絞ろうみたいな話をしていました。
―『Z.EXE』制作で特にこだわった点や、アピールしたい点を教えてください。
片桐さん:
1つは世界観を考えたデザイン、背景やキャラクターなどビジュアルにも反映できた点ですかね。もう1つがゲームとして満足いくボリュームが出せた点です。
敵のキャラもステージごとに変化があり、ボスキャラも登場して1つのゲームとして満足いくボリュームになっています。
確かアセットを使っていなかった気がします。あとミュージックさんも、本当は授業とか全く関係ないのに「一緒にやらないか」って巻き込んで作ってもらいました。
―どんな世界観か教えてください。
片桐さん:
ギリシャ神話をモチーフにした世界観で、実は主人公がロボットです。そのロボットが電気の力を使って、塔を登っていくストーリーですね。
―ギリシャ神話をモチーフとしたことは、塔のデザインやステージ選択からも感じられますね。
片桐さん:
そうですね。ギリシャ神話風に布を巻いているのをモチーフにキャラクターの服やマントなどをデザインしていましたね。
―『Z.EXE』の実装で難しかった点・大変だったことはありますか。
片桐さん:
囲う動作と連携して雷のエフェクトが主人公の後ろに出てくるんですが、そこがプログラマーさんの協力もあってなんとかできました。一番苦労した点ですね。
結構エフェクトの人もプログラマーの人も調べながら、手探りでやっていました。
実はゲーム大賞版とゲームクリエイター甲子園版でエフェクトが変わっています。ゲーム大賞版のままだと見づらいため、ゲームクリエイター甲子園に向けて改善した経緯があります。
―具体的に調整したところを教えてください。
片桐さん:
前のバージョンでは、ちょっとぼかしがあって発光していましたが、ブラッシュアップしたエフェクトでは、青色の雷など違う色を入れて見やすくしました。地面にも軌跡がつくようにして、エフェクト発光じゃなく、暗いところも置いて、明暗で見やすくしていましたね。
コアユーザーの挑戦者求む! 豊富な敵バリエーションを体感
―『Z.EXE』を試遊した方からは、どのような反応がありましたか。
片桐さん:
囲うシステムのゲームが他になかったので、その点を評価してもらえました。逆に反省点としては、囲う動作自体がちょっと難しいので「そこはちょっと難しいよね」って話も出ていました。
それから「ダッシュが難しい」という意見が印象に残っています。このゲームのターゲットはハードゲームをたくさんするユーザー向けですが、ダッシュの難易度調整については考えますね。
ゲームでよく遊ぶ学生たちがくれた意見なので、その人たちが難しく感じたなら、ターゲットユーザーも難しいと感じるはずなので、そこがちょっと個人的には印象に残りましたね。
―ダッシュのほかに今後アップデート・改善したい点はありますか。
片桐さん:
インディーを目指すならインディー販売用のゲームボリュームは出していきたいです。ステージ数やボス数、敵の数を増やして、価格設定次第ですが満足行くゲームボリュームは出していきたいです。
あと、ストーリーの説明が今回一切ないんですよね。せっかく世界観を考えたので、そこの導入もムービーやテキスト要素で少しでも出せたらなとは思いましたね。
―機能的に追加したい部分はありますか。
片桐さん:
キャラクターの強化要素はあってもいいんじゃないかな、とは思いますね。例えばダッシュの速度やダッシュの回数を増やすのもありかもしれません。バイオハザードをクリアした時の無限ロケランみたいにクリア特典とかにしても案外楽しいのかな、と思いますね。
―アピールしたい点や遊んでほしい場面を教えてください。
片桐さん:
最後のボスが1番難易度高く手ごえがあるので、最初にターゲットにしたコアユーザーの人には、ぜひ遊んでもらいたい点になりますね。
敵の攻撃のバリエーションも豊かなので、ぜひその違いを体験してもらいたいです。球を撃ったり、全本位に攻撃したり、あとは上から降ってくる敵もいます。ここはぜひ遊んでもらいたい点です。
―お気に入りの敵はいますか。
片桐さん:
上から落ちてくる敵がお気に入りですね。上にいるので普段は攻撃もできないんですよね。落ちてきた瞬間に、自分が囲わないとダメージを与えられないので、そこは僕自身お気に入りの敵ですね。
「みんなのゲームパレード」から『Z.EXE』をダウンロード!
今回ご紹介した『Z.EXE』は、開発中ゲームのβ版が集まるサイト「みんなのゲームパレード」にて掲載中!作品を実際に遊んでみたい方は、作品紹介ページ内の「作品をダウンロードする」をクリック!
『Z.EXE』作品紹介ページ ▶https://gameparade.creators-guild.com/works/310
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「Seeds by Game Creators Guild」とは
「Seeds by Game Creators Guild」は、ゲームクリエイターの若きスターがここから羽ばたいていくことを支援するためのコミュニティレーベルです。
クリエイターコミュニティである「ゲームクリエイターズギルド」が運営する「みんなのゲームパレード」に掲載されている作品や「ゲームクリエイター甲子園」に応募された作品の中から、特に輝いていたゲームタイトルを応援します。
本レーベルは、パブリッシャーではなくゲームクリエイター支援のためのコミュニティレーベルを基本コンセプトとし、特にコミッションなどをお支払いいただかず、必要な実費のみでご利用いただけます。
未来のある優れた作品がこのレーベルに集まることによって、ユーザーや業界への認知機会を増やし、本レーベルを通してスタジオ設立や、大手パブリッシャーへのステップアップにつながっていくことを目的とします。
Seeds by Game Creators Guild 公式サイト ▶ https://www.creators-guild.com/seeds
「ゲームクリエイター甲子園 2023」開催中!
ゲームクリエイター甲子園は「ゲームクリエイターズギルド」が主催の、ゲーム制作に関わる学生クリエイターのためのゲームコンテストです。
このゲームコンテストの最大の特徴は、“成長型ゲームコンテスト”であること。作品がない状態からでもエントリーが可能で、1年を通して作品をブラッシュアップしながらクリエイター自身の成長を目指します。
制作途中の作品でも応募すればプロのクリエイターからアドバイスがもらえるほか、学生クリエイターコミュニティに参加する仲間たちとの切磋琢磨で刺激を得ることができるのも、このコンテストの魅力の一つ。過去の参加者の中には、企業からオファーを受けて新卒採用に至った方もいらっしゃいます。
「オリジナルのゲームを作ってみたい!」「色んな人に自分の制作物を見てもらいたい!」そんな方は、ぜひご応募ください!
【ゲームクリエイター甲子園 2023 エントリー情報】
エントリー・チーム登録期間:2023年1月30日(月)~10月31日(火)16時59分
作品提出期間 :2023年1月30日(月)~11月7日(火)16時59分
※作品がない状態でのエントリーも可能です。
※一作品につき一回チーム登録が必須となります。個人参加の場合もチーム登録をお願いします。
※運営との連携のためLINE公式アカウントの友だち追加が必須です。
【応募資格】
年齢 :小学生以上の学生 ※社会人は応募不可
制作人数:個人・チーム、人数不問
作品数 :無制限
ゲームクリエイター甲子園は作品の完成・未完成問わず参加・展示が可能です
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。ゲームクリエイターズギルド公式サイト ▶ https://game.creators-guild.com/
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