UE5で先頭を走るための名越スタジオの世界挑戦|名越スタジオ×GCG トークセッションvol.2 イベントレポート

全4回に渡ってお送りする、名越スタジオとゲームクリエイターズギルドのトークセッション「国境を越えて実現したいゲーム開発の未来像」。

今回は『UE5で先頭を走るために。プログラムリーダーが語る名越スタジオの世界挑戦』とのトークテーマで、名越スタジオのプログラム開発部部長 時枝 浩司氏に「世界に通用するゲーム開発の未来像」を語っていただきました。

前編では『龍が如く』シリーズを手掛けた時枝さんのこれまでの経歴を振り返りつつ、後編では名越スタジオで今後どのような挑戦をしていくのかをお届けします!

UE5で先頭を走るために。プログラムリーダーが語る名越スタジオの世界挑戦

新卒入社でセガに

ゲーム業界には幼い頃からプログラミングに触れている人が多い中、工業大学に入るまでプログラミングには触れてこなかったという時枝さん。大学で学ぶ中でその面白さに惹かれ、徐々に自作ゲームを作るようになったそうです。当時は開発部署がいくつか分社化されている状態で、その中で名越さんが率いるアミューズメントビジョンという会社に新卒で入社しました。

宮田
当時から「名越スタジオ」みたいな感じだったのでしょうか?
時枝氏
まさにそうなんですよね。なので株式会社名越スタジオの話を聞かされた時は全く違和感がなく……(笑)。イメージ通りというか、“強くてニューゲーム”をもう一回やるんだな、という感じでした。

 

入社からわずか3ヶ月でミニゲームをリリース

入社して3日目にいきなり開発機とPCを渡されて「何でも良いから作ってみてよ」と言われたそうです。当時会社では『スーパーモンキーボール』というゲームキューブのゲームを開発していたので、そのチームでお手伝いからスタートしました。それから約2ヶ月後に「ミニゲーム作ってみない?」と言われて。『スーパーモンキーボール』の中のゴルフゲームを制作したら、そのままそれが世にリリースされました。

宮田
入社からわずか3ヶ月でミニゲームを制作・リリースできるというのは、すごく貴重な経験ですね!
時枝氏
普通は中々経験できないと思います。入社すぐからとても濃厚な時間を過ごせましたね。

 

『龍が如く』シリーズへの参画

『龍が如く』という名前がつく前からシリーズ7作目まで、スピンオフを加えると10作以上関わりました。ゲームクリエイター人生の中でも長い“龍が如く人生”でした。『龍が如く4』からメインプログラマーとしての役割を担っていました。

宮田
名越スタジオでもプログラムの責任者をされているんですよね。ご自身としてはやはり楽しみですか?
時枝氏

楽しみで仕方がないです。やっと、というと少し変かもしれませんが『龍が如く』以外のゲームをまた新たに作れるので、ワクワクする気持ちもありますが、不安な気持ちもあります。

ただ、“未知のものに挑む機会”は生きている中でもなかなか巡り合えないことだと思うので、それにチャレンジできるのはすごく楽しいです。

名越スタジオ流のゲーム開発について

名越スタジオの1作目は、Unreal Engine 5を用いたゲーム作りになるそうです。セガ時代には、独自開発のゲームエンジンも経験した時枝さんですが、立ち上げたばかりの名越スタジオの規模感でいうと「最初から自社エンジンを開発する」という選択肢は考えなかったとのこと。名越スタジオは会社設立時に“ハイエンドなゲームを作ること”を目標に掲げることを決めたそうですが、ちょうどそのときに次世代に特化した機能を持ったUE5がリリース。なので“乗るしかない、このビックウェーブに”という感じでUE5を選んだそうです(笑)

宮田
UE5のおもしろさはどこにあるでしょうか。
時枝氏
データの流用性がとても高い点ですね。前に作ったデータがそのまま生きるんです。UE5の中で作ったものであれば別のゲームを制作する際もコピペで動いてくれるで、本当に驚かされましたし目からウロコでした。
宮田
エンジン周り以外の部分で、名越スタジオの強みとして出していきたい部分はありますか?
時枝氏
技術的なこだわり部分でいうと、やはりこれまで自社エンジンでゲームを作ってきた強みは大きく働くと思っています。先ほどお話した通り今はエンジン開発は行いませんが、将来的に独自エンジンを作ることになった場合を考慮して、自社エンジンとUEの両方を知っている方に入っていただけると心強いですね。

 

名越スタジオ流のチームメイクについて

セガ時代は、基本的に手を動かさないで管理するタイプではなく、バリバリにコードを書きながらも並行して管理業務を行っていのだそう(笑)。ご自身もプレイヤーとしてコードを書かれていたのは、やりたいから。会社が「許さない」と言わない限りはずっと続けたいとのこと。

今の現場にはセガ出身のプログラマーは時枝さんだけで、他は色んな会社から集まってくれたメンバー達。なので、一旦時枝さんがこれまでのやり方で進めて、途中で違和感が生じたら他のメンバーに「ここに違和感がある」と声を上げてもらい、様々な意見を取り入れながらフローを変えていっているそうです。

チーム作りで意識していきたい部分はありますか?

時枝氏
一つポリシーがあって「前職でやっていたことをそのままウチでやってもらう」のではなく、トライしたいと思える仕事に挑戦してもらえるようにしたいですね。なので、入社された後に必ず挑戦してみたいことがあるかを聞くようにしています。
時枝氏

プログラマーは機械的に流れてくる仕事をやっているイメージがすごく強いんですが、ゲームプログラマーに関していうと、モチベーションややる気はクオリティ部分に深く関わってくると思っています。

なので、皆がメラメラと燃えているようなチームにしたいです。

「チーム内に良い意味でのストレスが一定数あるのが理想」という話をされていましたね。

時枝氏

“良いモチベーション”は、ある程度のストレスの中で生まれると思っています。ストレスという言い方だと誤解を受けてしまうかもしれませんが、たとえばある程度の時間的な制約がある中で作り出すものは、熟考しながら自分のやりたいことを最短で表現しようとするので、とてもシャープなものができるんですよね。なので、そいう意味での緊張感というか、一定のストレスは必要だと思います。

もちろん、社内の人間関係だとか、そういうストレスは無いほうがいいに決まっています(笑)。

宮田
“ストレス”と聞くと、なるべくない方が良いように感じるかもしれませんが、実はそうじゃないんですね。
時枝氏

自分自身実務を体感してみて、心地良いストレスはあったなと思いますね。たまに心が潰れそうなストレスもありましたが……(笑)。

クリエイティブな仕事をする上ではピンと気持ちが張りつめた状態は保ってほしいですが、プログラムのコードのエラーといったものに関してまで常に気を張っていると疲れてしまうので、そういった部分は機械に任せてやってもらえれば良いと思います。

 

名越スタジオが考える理想のクリエイター像

募集要項にも書いてありますが、まずC++が書ける方で、フルスクラッチでゲームが作れる方、というのが理想というか願望だそう。ただ、UE5のことを知らなくても名越スタジオ的には大丈夫とのこと。
「UE5は知らないけど自社エンジンでC++を使ってゲームを作ってた」という方にも、ぜひ来ていただきたいですね。

Unity然りUE5然り、表層的にエディターを使ってゲームを作るのは簡単にできてしまいます。
なので「どういう仕組みで動いているか」を尋ねても答えられない、という若い人も増えているので、エンジンの中がどういう風になっているのかを理解できる方に来て欲しいですね。

宮田
これから5年後、10年後でもプログラマーとして活躍できるために、どういったスキルを磨いておくと良いでしょうか。
時枝氏

5年後、10年後にはUnityやUE5を使用する動きが強まって、自社エンジンが使われる割合は減っていくと推測しています。それと同時に「エンジンの中身を深く理解できているエンジニア」も減ってしまうとも思うんですよ。

エンジンの根っこの部分を知っているプログラマーはすごく貴重なので、浅く広く技術面の目配せをして、いずれ到来するであろう未来でも活躍できるように、基礎技術・基礎情報を勉強しておいて欲しいですね。

 

視聴者からの質問

時枝さんにとって「ゲーム開発におけるプログラマー」はどういう存在でしょうか?

時枝氏

学生さんには「料理人です」とお答えしています。デザイナー達は最上の素材を作る。その素材を元に、プランナーはどう調理するかを考える。そしてプログラマーが調理を行う。

おいしい料理に仕上げられるか、はたまた台無しにしてしまうか、これがプログラマーの腕の見せ所だと思っています。

時枝氏
ただ、UE5が出てからは調理工程がかなり簡略化されましたし、ボタンを押せばある程度仕上がるようになりました。とはいえ、飾り付けや盛り付けといった最後の仕上げは、ゲームプログラマーという料理人が担う大事な役割ですね。

 

配信終了後

Vol.1に引き続き、色紙にサインとメッセージをお願いしました。
(佐藤さんから事前にお話を聞いていて、サインを考えてきてくださいました!)

時枝さんからクリエイターへメッセージ

「世界へ」

まさに世界を目指す名越スタジオさんらしい言葉ですね!

 

名越スタジオ オンライントークセッション イベントレポ一覧

当日レポート、名越スタジオ×ゲームクリエイターズギルド

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