「もくもく会」はプログラミングをする人、勉強する人が集まって、黙々と作業をする会。今回は都内でもくもく会を毎週のように開催されている岩崎さんと渡邉さんにお話を伺ってきました。
岩崎さんは今年開催されるインディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン」の主催もされます。もくもく会や東京ゲームダンジョンの話を通して制作者を支えたいという思いを強く感じられました。
前編はもくもく会にフォーカスしたお話です。
登場人物
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もくもく会を主催する人ってどんな人?
──岩崎さんは5年前くらいからもくもく会を開催し始めたとのことですが、最初はどこかのもくもく会に足を運ばれていたんですか。
岩崎:最初は知り合いと2人でゲームを作り始めたのですが、その方と一緒に開発をしなくなった時にUnityの本を読んでも、どうしても分からないところや悩むところがあって、そこで当時いくつかあった中から武蔵境にあったもくもく会に入りびたるようになりました。仕事の関係で横浜に引っ越したのを機に、武蔵境の方々と話してプログラムを引き継ぎ、横浜でもくもく会を始めました。自分で改善したところもありますが、内容はほとんど変えていません。当初の参加者は5人ぐらいでした。
──それをきっかけに池袋もくもく会になっていったんですね。
岩崎:私がもくもく会を5年半くらい色々なところで開催していまして、今年から池袋もくもく会が始まったんですが、実は宮田さんからTwitterでリプライをいただいたことが始まりでした。
池袋以外でも公共施設や企業様の会場を借りて開催しています。最初は月1開催でしたが、今では毎週どこかしらで開催しています。
──渡邉さんはどういった形で加わることになったのでしょうか。
岩崎:渡邉くんはもくもく会によく来てくれていて、話を聞いてみたらお互いの家が家が近かったので(笑)。渡邉くんに主催を手伝ってくれないか話をして、主催側に引き込んで一緒に開催しています。
──お仕事はゲーム関係でしょうか。
岩崎:実は、ゲーム会社で働いたことは一度もないんです。ゲーム作りは趣味なんです。もくもく会はビジネス目的ではなくコミュニティとして考えています。自分の周りにゲームを作っている友だちがいなかったので、このコミュニティを通じて分からないところを教えてもらったり、そこから友だちになったりという感じですね。
渡邉:自分は学生の頃からゲームを作っていまして、高校生のときにUnityインターハイに出てみたところ周りの反応が良くて、ゲーム作りが面白くなってもっと作りたくなって今はゲーム作り一筋です。Unityインターハイに出したゲームをNintendo Switchでリリースしてみると、少し売れたんですが、それだけで食っていけるわけではなくて、次のゲームを作ろうという感じです。
岩崎:高校生のときに作ったゲームをNintendo Switchでリリースしているなんて早熟だと驚いた記憶があります。そういう人がどんどん増えていってほしいなって思いますね。
渡邉:増えていきますよ。自分よりすごいのが。
──もくもく会ってどんな存在ですか。
渡邉:僕は会社に勤めているわけではないので、人との繋がりがなくなってしまうんですよね。そこで銀座のオフィスで開催されていたもくもく会に参加していましたが、コロナが流行して行くところがなくなったんです。そこで岩崎さんがやっているところに転がり込んだという感じです。人との繋がりが本当になかったので、開催してもらえるのは非常に有難いと思っています。
──普段はこもりがちになるだけに、交流は良い刺激になりますね。
渡邉:個人ゲーム開発者と話せるゲーム展示イベントは楽しいんですが、年に1~2回くらいしかないので、もくもく会のような集まりに月1回出てみると、やっぱりいいなって思います。それから、ただ作業しているだけでいいんですよね。コミュニケーションはした方がいいとは思っているんですが、別にずっとコミュニケーション取る必要はないと思っていて、こういう微妙な距離感が居心地が良くて、永遠に岩崎さんのもくもく会に参加しています。
──今は渡邉さんも主催者に加わっているんですよね?
渡邉:岩崎さんから「主催しないか」と言われて「ぜひやります」って答えました。
岩崎:自分が40代で、渡邉くんが僕の半分の年齢なんですよね。自分がオッサンばっかりになっても嫌だと危惧していました。自分よりも年齢が若い渡邉くんが主催をしていく方が、参加者のハードルが下がったりするのかなと思います。高校生とか大学生がたまに来たりするんですが、そういう子たちが増えてきてほしいです。
制作に詰まったらもくもく会においで!
──池袋もくもく会は参加者が多いですね。エンジニアさんが多いイメージですが、どういった方が来られていますか。
岩崎:やっぱりエンジニアが多いよね。最初はもっとゴリゴリのエンジニアが集まっていたんですけど、もくもく会という言葉もちょっと認知されてきたのか、人が集まるようになってきましたね。
渡邉:基本はエンジニアですけど、アーティストとかモデリングをしている人もいます。面白い人が多いですよね。
岩崎:ゲーム会社の人もいますが、自分同様にゲーム会社と関係がない、エンジニアでもない、何かのきっかけがあって、Unityでゲームを作りを始める人が情報を得たり、コミュニティに参加したりと言う感じですね。色々な境遇の人がいて、作っているものも全然違うので話していて面白いです。
渡邉:本当にバラバラですよね。最近はゲームを作る敷居が低くなって、技術を共有することも大事ですが、自分のバックグラウンドを利用して何か表現していくことが大事になってきているから、こういう場にいた方が面白いものが出来るんじゃないかと思っています。
──どんな人がもくもく会に合いますか。
岩崎:家で作業した方が捗る人は、もくもく会に来る必要はないんですよ。でも、合う人はめちゃめちゃハマるんです。家だと全然作業が出来なくて、もくもく会があったおかげでゲームを完成させられたという声もあるので、開催していて良かったなって思います。毎回参加する必要はないですが、制作で詰まったり辛くなったらもくもく会に来なよみたいな。
──あったかいですね!
岩崎:作っているゲームをお蔵入りさせちゃう人が結構いるのも事実です。傍からはもう完成してるように見えるんですが、本人は「いや、全然ダメなんです」と言っていて「お蔵入りだけはやめようよ、ちゃんと形として出した方がいいよ」って言うんですが、悩みすぎちゃって出口が見えなくなることも結構あるあるかもしれませんね。
渡邉:相談相手がいないんですよね。上司というのが存在しないから
岩崎:制作で詰まって辛くなってやめちゃうくらいなら、もくもく会に来て話をしてほしいです。みんな作品を褒めてくれるので、それで救われるものってあると思うんです。
──主催する楽しみはどんなところにありますか。
岩崎:たまに中学生や高校生が参加するような、想像しないような人が来るのは面白いなって思います。普段の生活で交差することのないような人たちがゲーム開発を軸に会えるというのはなかなかないですよね。女子高校生の子はもう大学生になって、今でもゲーム開発しているようですが、そういう話が聞けるのもすごく嬉しいですよね。
──渡邉さんはいかがですか。
渡邉:主催と言っても、今まで通り参加者として楽しんでいます。参加するために主催しているような感じですね。
──もくもく会の参加に迷っている方へのメッセージをお願いします。
岩崎:コミュニティに初めて来るのはすごく度胸がいると思うんですよね。変な人がいたら嫌じゃないですか。僕が当時30代の話なんですが、他のもくもく会ですごく嫌なことがあったんです。エンジニア歴何十年の人が「C#から始めるなんて言ってんな、Cから始めろ」と物凄く説教されたんです。初対面なのにですよ。
経験がある人だから正しいんだろうけど落ち込んでしまって、僕が開催するもくもく会はそういう思いの人を作りたくないなと思いましたね。自分で学んで、自分で作りたいものがある方であればぜひ来てほしいです。
渡邉:人に話を聞いた方が解決するなら、こういうところに来てもらって質問してもらえたら、さっと伸びてすごく効率がいいと思うんで、勉強したい方はぜひ来てもらえたらと思います。
もくもく会はconnpassで案内されています!
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