『ゲームクリエイター甲子園』審査員を務めた榊原寛が当コンテストを推す理由「お互いの制作が⾒えるのが良い仕組み」

※この記事は2022年5月19日に公開したものです。

『ゲームクリエイター甲子園 2021』で審査員を務めた3DCGクリエイターの榊原寛さんに、『甲子園』に参加するメリットや他のゲームコンテストにはない魅力を語ってもらいました。

榊原寛(さかきばらひろし)
個人製作者 エンバイロメントアーティスト 「畳部屋」名義でUE4を使ったゲーム個人開発を行う。 「NOSTALGIC TRAIN」は文化庁メディア芸術祭審査員会推薦作品に選出。 「最涯(さいはて)の列車」はBitSummit THE 8th BITにて、技術、アイデアなど革新的な作品に贈られる賞「革新的反骨心賞」にノミネート。 一方これまで10年近く2K Games、CD PROJEKT REDなど海外3か国の大手スタジオにエンバイロメントアーティストとして所属し、大規模オープンワールドゲームの背景班とりまとめ役等を勤める。 これまでの経験を活かして業界人向けセミナーや、人気Youtubeチャンネル「ゲームさんぽ」でゲーム開発技術を解説するなど様々な活動多数。

最初に応募してからクオリティを⾼めていけるコンテスト

──審査員のオファーを快諾してくださり、ありがとうございました。

『ゲームクリエイター甲⼦園』という学⽣のコンテストの存在⾃体は聞いていました。ゲームコンテストの審査員なんてやったことはなかったですが、せっかくいただいた機会なので、⾃分にとって刺激になりそうだ、⾯⽩そうだ、というのが一番でお受けしました。

──初めて審査員を務めた感想はどうですか?

審査の進め⽅や流れも初めてで不安はあったんですけど、私⾃⾝はいろいろなゲームを遊ぶのがすごく楽しかったですね。仕事ということを忘れて熱中して遊ぶことができました。映像を⾒たり、ゲームとしての総合完成度、手触り感とかの審査は楽しくやらせてもらいました。

──ゲームクリエイター甲⼦園は、他のコンテストと違って募集期間中は何度でもブラッシュアップした作品を提出し直せる『成⻑型』が特徴です。このシステムについてどう思いますか?

私⾃⾝が遊んだのは最終バージョンばかりでしたが、学⽣でもプロでも⾃分の作っているもののハードルを上げようと思ったら切磋琢磨が⼀番です。先⽣から「こうやるのが正しいですよ」と教えてもらってそのまま作るのではなく、同年代の⼈たちが作っているゲームを⾒て、他の⼈がこうやっているなら⾃分ももっとできるはずだ、と制作を進められます。お互いの制作が⾒えるのが良い仕組みだと思いました。そういう意味で、このコンテストは最初に応募してから段々クオリティを⾼めていける。そこが成長型であり、学⽣さんたちにとって良い仕組みだという印象を受けました。

──全体的な学⽣作品のレベルはいかがでしたか?

⾃分の知っていた頃の学⽣作品とは段違いでレベルが⾼く、びっくりしました。ゲームエンジンを使えるのも⼤きいと思うし、切磋琢磨できてみんなで競い合えるプラットフォームもそうでしょうし、いろんな理由があるんでしょうけど、とにかく多様でした。ゲームはやっぱりアイデアがユニークであること、そして操作の手触りや⼼地良さと、2段階の建築物だと思うんですね。その両方が揃った作品が上位層に複数あったのが、とにかく印象的でした。たまたますごい作品が一つあったのではなく、⾯⽩いアイデアと⾯⽩いゲームとしての完成度両⽅を持ったゲームが複数あったのが、すごく思い出に残りました。皆さんすごく良くやっていると思うので、この調子で今年の学⽣もまたエントリーして、前年度の自分たちを超えるという気持ちでやっていただけたらと思います。

──一番のライバルは昔の⾃分ですね!

⾃分、あるいは同年代ですね。

⽇本の常識じゃない部分をあちこち⾒てほしい

──ゲーム制作は皆さん頑張って取り組んでいると思うのですが、他の人と差をつけるために勧められることなどはありますか?

万⼈にお勧めできるわけではないのですが、私個⼈的には外国のいろいろなところに旅行するのが好きなので、⽇本の常識じゃない部分をあちこち⾒てほしいと思います。ゲームを遊ぶ⼈も、⽇本で作ったゲームを日本で遊んで消費するという狭いサイクルではなくて、日本や自分のものとは全然違う常識があったりする場所に⾏き、そういう世界に⾶びこんでいく。そういった中で刺激を得て、頭の中を引っ掻き回して、新しいアイデアを見つけだしてほしいです。

──体験することが⼤事なんですね。

そうですね。良い映画を⾒るとか良いゲームを遊ぶとかも良い体験だと思うんですけど、皆さんすでにやっているので、むしろ今までとは真逆のことをやってみる。その時に自分がどんな刺激を受けるのかという体験を楽しみにしてほしいです。という点で、世界中の変わったところを回ってみるのはどうですかね。

──ゲームでリアルに表現されていても、実際はやはり違いますものね。今後の甲⼦園の展開についてあったら良いなと思うこと、期待はありますか?

今の感じで良いと思っています。強いていうなら継続していってほしいです。『ゲームクリエイター甲子園』が続いていけば3年前の受賞作とか、過去の受賞作が溜まっていくわけですよね。そうやって超えるべきハードルがどんどん増えていけば、学⽣のレベルがどんどん底上げされると思います。

──『ゲームクリエイター甲子園 2022』もスタートしました。今年のコンテストでは去年以上に魅せてほしいですか?

いやいやいや…前回が良い意味で意外だったので「もっともっと」という気持ちはないですね。「学⽣さんがこのレベルまで作ってくるんだ」と驚かされましたから。「この調⼦で作ってください!」という気持ちです。強いて言えば、前回の自分のもの以上の作品を作ってもらいたいです。

 

GCG公式VTuberが「NOSTALGIC TRAIN」を実況配信

榊原さんが販売しているインディーゲーム「NOSTALGIC TRAIN」をGCG公式VTuberが実況プレイしました。
美しい田舎の風景の中を自由に歩き回って、この土地に眠る記憶に迫っていく。
景色の細やかな描写ももちろん、電車の再現度の高さにたまらなく懐かしい気持ちになります。

すごく切ない物語の裏に美しい景色がなんともノスタルジックな気持ちになった(;O;)

▼【初配信!】日本の田舎を再現した超エモいゲームやります!【ノスタルジックトレイン:NOSTALGIC TRAIN】

Amata Games 『NOSTALGIC TRAIN』ページ: https://amata.games/game/nostalgic-train/ Steam
『NOSTALGIC TRAIN』ページ:https://store.steampowered.com/app/801260/NOSTALGIC_TRAIN/


 

ゲームクリエイターズギルドとは
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。

※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約3000人参加しています。(2021年12月現在)

スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。

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