学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。―
今回はソフトウェア研究部 学生チーム「SUPER STAR MINE」のデザイナーとして活躍する菊地さんにインタビューを行いました。
ゲーム制作の近況についてZoomを使って伺いました!
新型コロナで生活はどう変化した?
Discordを使って進捗報告!
― 近況について教えてください。
菊地:今は『れーぞく! ネクロマンスちゃん』というシューティングゲームのアップデートを随時行いながら、チームメンバーが個人で作っているゲームのロゴなどを作っています。
― そうなんですね。実際には会ったりしていますか。
菊地:会っていないですね。オンライン通話で生存確認しながらです。
― Zoomなどのビデオ通話ツールは全然使わないんですか。
菊地:使わないですね。普段はDiscordで「やってる?元気?」と入ってきて「進捗は今こんなんだよ」という連絡を日々やっています。みんな活動時間が違うので「今日はこれを作ったよ」とログに残して、別の時間帯に活動する人がそのメッセージを確認して、うまくやっている感じですね。
― 毎日連絡しているんですか。
菊地:みんな家にいても本当にやることがないので。
― 偉いですね。ちゃんと連絡取り合ってやっているんですね。
菊地:前ほど活動はできなくなったかなぁとは思います。顔を合わせて話すことってすごく表情とかも大事じゃないですか。コミュニケーションは前の方が取り合っていたかなと思います。ビデオ通話すればいいだけの話なんですけどね(笑)。パジャマに髪の毛ボサボサで「おはよー」って、みんな睡魔と戦いながら頑張ってますね。
― 夜の時間に合わせると良かったりしますか。
菊地:朝型の人もいれば、夜型の人もいるんです。
― 朝方の人もいるんですね(笑)。
菊地:なかなか揃わなくて。
― 実際、会えなくなっていますが「ゲーム作りはできるな」という感じはしていますか。
菊地:これまでは学校に通って部室で作業していましたが、学校まで向かうのに、僕が1時間半ぐらいかかるんです。それを考えると、往復の時間がなくなったことで、返っていいかな、という感じもしていますね。
― いいことですね。
ちょっとだらけちゃうことも
菊地:でも、監視されていないということなので、だらけちゃうところもありますね。
― うちらにもありますからね。
菊地:全クリエイターにありそうですね(笑)。
― どうしたら解決するのかなぁ。
菊地:最初は監視役として僕は弟をなるべく部屋いてもらうように頼んでいました。弟を隣の部屋に呼んで、僕がサボっていたら激を飛ばさせて無理やり活動するという(笑)最終的には段々と面倒くさくなってきて、「やっぱサボってても何も言わないで!」と断っちゃいました、自分から頼んだ癖に(笑)
― 面白いですね。1人暮らしだったらできないことですね。
菊地:意識高めの人だったら、そもそもサボらないはずです。
― 毎日連絡を取り合っている時点で、だいぶ意識高いと思いますよ。
菊地:まあみんな寂しいんですよね、ゲーム制作と課題以外にすることもありませんし。
― いいじゃないですか。仲良しじゃないですか。
菊地:みんな仲は良いですよ!
永遠の日曜日
菊地:今は家にいて結構時間があるので、正直に言えば最近は『あつまれ どうぶつの森』で遊んでいます。
― 『あつ森』!(笑)。ゲームを作っている時間はどれぐらいですか。
菊地:平均すると毎日たぶん2、3時間ぐらいですね。
― 結構ちゃんとやっているんですね。
菊地:そうですね。バイトやりつつ、ゲームを作って、ちょっとゲームで遊んでという風に過ごしています。ずっと日曜日みたいな気分ですね。
― 外に出られない日曜日は辛いですね。
菊地:本当に外に出られないのがしんどくて。僕はもうずっと髪を切りたくて仕方がないです、切れないからどんどん伸びてきちゃって。適当に切ったらぱっつんみたいになっちゃったんですよねーって言うのは冗談で(笑)本当に辛いことと言えば、みんなで顔を合わせて創作できないことですね。
新しくゲーム制作も
スマホでリリース!? 『SPINNER』の今後の展開
― ゲームクリエイターズギルドEXPOから現在までで、活動に変化などはありましたか。
菊地:『SPINNER』が「ゲームクリエイターズギルドEXPO2019」で優勝して、新年会にも呼んでいただいたのでそれに向けて制作をガンガン進めていましたが、あれ以来ちょっと止まっていました。最近では「スマホ向けにアレンジしてリリースにできたらいいね」という話はしています。
― そうなんですね。
菊地:目指す目標としては、まずスマホで遊べるカジュアルゲームにして、ウケたらアーケード筐体としてイベントに出展とか出来たらなって思ってます。
― スマホでリリースする未来があるんですか。
菊地:そうですね、現在『SPINNER MOBILE(仮)』として鋭意制作中です! 目標としては今年の夏頃にはβ版をリリースしたいですね。またこういった機会があればその時の進捗をお伝えできればと思います!
ゴリゴリ制作!
― 他に並行しているのはどんな作品ですか。
菊地:最近であれば、僕のチームのプランナーであるマチコーが最近VR周りの勉強をしていて、彼が作ったVRのミニゲームのロゴを昨日作っていたりしました。
― そうなんですね。
菊地:あとは、超ハッカソンというイベントがあって、そのイベントでは『カップ麺に女の子が入ってボブスレーをする』という変わったシステムのゲームを出せればと思います、その締め切りまであと数日しかないので間に合えばですが(笑)
― 面白そうですね。
菊地:『CupRunMen』というタイトルで、カップ麺にVRMのアバターが入って、ボブスレーみたいに坂道を滑走します(笑)絵面がなかなかシュールで、タイムトライアルによるやり込み要素もあるのでぜひランキング1位を目指してみてくださいね!
ここで遊べます!
ゲームUI、エフェクトへの探求
『れーぞく! ネクロマンスちゃん』のちょこっと話
菊地:チームでは『れーぞく!ネクロマンスちゃん』というシューティングゲームをメインで作っています。どういうデザインにしようかと相談すると「ファンタジーにしてくれ」「魔女っぽくしてくれ」「ゴシック」「ポップでダーク」など、みんな好き放題言うんですよ。
― 想像できます。
菊地:それを全部取り入れると、もちろんゴチャゴチャしちゃいます。要素を絞り込むために「ネクロマンスちゃんらしさ」って何だろうと考えたときに、ネクロマンスちゃんの世界観やイメージからデザイナーである自分が直感選んだ要素を落とし込んだUIがやっぱりこのゲームに合うんではないかな、と自分の中で結論が出ました。自分でイメージしたものなので作りやすいですし。
― いいですね。
菊地:それから「UIから世界観を感じさせるようにするのはどうすればいいのか」と思い、大きな要素としては色遣いと装飾なのかなと。魔女のイメージからハロウィンのような配色をしたり、装飾はゴシックっぽいものを使ったり、金属を使った華やかな細めの線にしてみたり、そういう部分でネクロマンスちゃんらしいUIを作ろうと思って、手探りですが設定資料を自分で作って、これを軸にUIを作っています。そのゲームに合ったデザインを見つけるのがデザイナーの1番の仕事だなと思いました。最近はいろんなゲームのUIやアイコンなどの制作を頼まれるので、まずそのゲームの雰囲気を考えるようになりました。
― すぐに働けそうですね。
菊地:いや、そんなことはないですよ(笑)。
― 具体的には最近どんなことをしているんですか。
菊地:今は illustratorとPhotoshopを勉強しています。今までは、GINPという無料のソフトを使っていて、そちらで全部やっていました。illustratorやPhotoshopを使い始めてからは、格段にパフォーマンスが良くなりました。
― 独学でやってるんですか。
菊地:そうですね。ロゴなどに使うテキストエフェクトは自分で試行錯誤して「こういう見せ方のほうがいいな」「こういうテクスチャ貼り付けたら今のゲームには合うな」というのを考えながらやっています。今は直観でデザインをしていますが、この直感と今後蓄えていく知識とか経験で、もっといいものは作れるようになるかなとは思っています。
ゲームUIから学ぶ日々
― 良いなと思うゲームのUIはありますか。
菊地:遊んだことはないですが『ペルソナ5』はすごいですよね。UI自体は知っています。オープニングからタイトル画面、メニュー画面1つ1つの移行の仕方がすごくオシャレで。
― 『ペルソナ5』のUIのここがベストというポイントを教えてください。
菊地:まず、あの思い切った色遣い。普通に考えたら、目がチカチカするんじゃないか、とデザイン案がはじかれると思うんです。
― 遊んでいると眼がすっごく疲れることもありますね。
菊地:目がめちゃくちゃ疲れるとか、可読性悪いかなと思うと、多分こういうことはできないと思うんです。ひたすらにオシャレを追求した感じがします。
― 最近はオシャレを追求している感じがしますね。
菊地:しかもメインカラーが、赤と黒と白。この3色だけでよくここまで表現できるなって思うんですよね。僕は明るいゲームを作ろうとしたら色を多く使って鮮やかにしたい、華やかにしたいと思ってしまって、結局そのゲームの本来の色からずれてしまうことがあります。
でも『ペルソナ5』では背景にも赤色が使われていますが、メニュー項目を選択する際の赤色は明度を変えて色をうまく使っていたりするところが本当に凄いなと思います。
― 遊んだことはないけど、それを知っているのはどうしてですか。
菊地:プランナーのマチコーが勧めてくるので、ちょっと見たんです。「ここの演出ヤバいね」と盛り上がりました。彼はゲームについて研究熱心なんで、ちょっと気になっているゲームがあるとすぐプレゼンしてくれますね。
― オタクですからね、勧めたくなっちゃうんですよね。
菊地:仕方ないんですよね、それはオタクの性なので(笑)もう1つ好きなゲームUIといえば『スプラトゥーン』です。
― なるほど。
菊地:僕はフォントが好きで、よくネットでフォントを漁ってます。『スプラトゥーン』のフォントって本当に独特で、あのフォントを見れば「これはスプラトゥーン」って分かるんですよね。フォントの形状、クセなど少ない情報から、これはあのゲームだってすぐ直結するようなゲームのUIって、1番優秀なUIなんだなって思います。特徴的で、世界観をよく落とせている。そのゲームに合ったUI「らしさ」。その「らしさ」の部分が、ちゃんとできてるゲームだなと。
― キャリアハックさんのレポートにありましたね。
菊地:そうなんです。そのレポートを見て知りました。ゲームの世界観に合うフォントがなかったから、フォントを作っちゃおう!というのが、すごくいいなって思います。「色が無くても『スプラトゥーン』って感じる」というのを見て「確かに!」って思いました。
― ゼロから考えて作るのは好きですか。
菊地:このゲームのロゴやUIをお願いと言われたときに、何となく頭に思い浮かんでから、それを紙に書き起こして、調整していくのが楽しいです。
インプット方法
― どんな風にインプットしていますか。
菊地:ひたすらにいろんなゲームをやるかPinterestっていうサイトを見ていますね。
― 学校の授業ではそういうのは習わないですよね。自分の時間で一生懸命やっている感じでしょうか。
菊地:そうですね。通学時間など空いた時間にPinterestを開いて見ています。デザインを調べて、いいなと感じたものはまとめて、参考にしています。
― 写真で見たい人には楽しくていいですよね。
菊地:文字は極力見たくないですね(笑)。
― 文字だとイメージが分からないから写真で見たいタイプですよね、分かります。
菊地:「イメージってふわっとしていて分かりづらくない?」と言われるんですが、僕はふわっとしてくれていた方が助かりますね。
― 「ふわっとしていて分かりにくくない?」と言われるんですか。
菊地:他のメンバーは文章で読んだほうが分かりやすいらしいですね。僕は抽象的な方が伝わるので絵や写真で見て理解したいです。
学生のうちにしておきたいこと
― 学生のうちに何をしておきたいですか。
菊地:今のうちかぁ……。今のうちに、みんなで集れるうちに集まって、スポッチャ行ったりとか。
― すぐできますよね(笑)。
菊地:なかなかそれを実行に移さないので(笑)。
―チームで温泉合宿やキャンプ合宿とか行かないんですか。
菊地:「ゲーム合宿しようよ」って考案するんですが、なかなかですね……。
― 腰が重いのかな。
菊地:はい。
― パソコンさえあればできますから、全然違う環境で。
菊地:そうですね。うちのチームの2人に提案してみたいですけど、どうだろう。行きたいですけど、他のメンバーが乗り気ではなくて。
― 「僕は2人に、ゲーム合宿行きたいんだ!」と言ってもらって、マチコーのルーツを辿る旅とか行ってきたらいいんじゃないかな。
菊地:行きますか。マチコーのルーツを辿るドキュメンタリーを(笑)。
今後の目標
― では、今後の目標を教えてください。
菊地:近い目標で言えば、『SPINNER MOBILE(仮)』をアプリとして配信できればと思っています。『れーぞく! ネクロマンスちゃん』もSteamで販売したいねって話をしているので、販売されたら改めてご紹介できればなと思っています。
もっと先の目標で言えば、プレイヤーが遊んでいて気持ちいいと思う動きを作れるデザイナーになりたいですね、エフェクトやアニメーションを勉強して、ゲームの気持ちよさを作っていきたいです。
― ありがとうございます。
チーム『SUPER STAR MINE』公式HP
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