小さくてかわいくてめちゃくちゃに強いキャラクターで大暴れできたら、それってすごく良くないですか?『MOCHI-O』インタビュー
『MOCHI-O』について
カワイイ殲滅兵器を育てて戦う、国土防衛アドベンチャー
侵攻する敵を倒すハンディ殲滅兵器
右手にもちおを握り締め、敵に照準を合わせて攻撃。撃破した敵は種を落とします。種を拾って得られる経験値を貯めると、ランダムな選択肢からスキルを獲得できます。戦闘の中でもちおを強化して迫りくる敵を撃破し、防衛ラインを死守しましょう。
タネを投げてもちおを育成
戦闘で得たお金を消費すると、もちおを強化できます。武器も解放できるので、戦闘を有利にしていきましょう。もちおに種を与えると信頼度がUPし、もちおのステータスが強化されます。
もちおとは
可愛いハムスター……ではなく、国土防衛用ハンディ殲滅兵器。プレイヤーの使命は、飼育員としてもちおを育成し、外敵から自国を守ること。登場キャラクターたちの、ほのぼのした掛け合いも見どころです。
クリエイタープロフィール
じぃーま
2017年から個人でゲーム開発を始め、『パラサイトデイズ』や『ポストアポカリプスベーカリー』など、10作品をリリース。やさしい終末世界を舞台にした、独特の感性が生み出すゲームシステムと不思議な世界観が特徴。『カタストロフィレストラン』は「Google Play Indie Games Festival 2022」にてTop3を受賞。
【クリエイターコメント】
小さくてかわいくてめちゃくちゃに強いキャラクターで大暴れできたら、それってすごく良くないですか?そういう気持ちだけで最初から最後まで作りました。小さくてかわいくてめちゃくちゃに強いキャラクターで大暴れしてもらえたら嬉しいです。
■開発チームについて
――チームの紹介をお願いします。
「やさしい終末」をテーマに、ゲームを作っているじぃーまと申します。
――チームは何人ですか。
ひとりです。
――これまでどんなゲームを開発しましたか?
2017年から「やさしい終末世界」をテーマにしたスマートフォン用ゲームを11作リリースしています。『MOCHI-O』は初めてのPCゲームです。
■開発について
――『MOCHI-O』開発のきっかけについておしえてください。
いつもゲームを開発しながら次にどんなゲームを作るか考える悪い癖がありまして、前々作の『フラットマシン』を作っているときに実験動物をテーマにしようと思いつき、前々作を作っている間に大体の内容が決まりました。『フラットマシン』の開発終盤は『MOCHI-O』のことで頭がいっぱいでしたが、今は新作を開発中なので、やはりその次のゲームのことで頭がいっぱいです。
――開発で苦労されたところは?
難易度調整を繰り返すうちに正解がわからなくなりました。講談社の担当さんやDiscordでファンの皆さんにテストプレイとフィードバックをもらってなんとか納得いく形にできたと思います。
また、本作はたくさんのキャラクターやオブジェクトが出現するので、軽量化するためにUnityのJob Systemを使ってマルチスレッド化したのですが、軽量化と引き換えに普段と全く違うコードの書き方をする必要があり、私の脳みそでは理解できるようになるまで辛かったです。ちなみに覚えたコードの書き方は私の脳みそに入れておくには高等すぎてもう忘れました。
――開発の中で気づいたことはありますか?
難易度調整で迷子になると非常に辛いということです。
――完成までどのくらいの期間を想定していましたか?
半年くらいかなと
――実際にかかった期間はどうでしょう?
他のことをしていた期間がけっこうあるので正確ではないですが、たぶん10ヶ月ぐらいです。
――ゲームエンジンは使っていますか?
Unityです。
■ゲームについて
――レベルが上がっていくと壮絶な火力が投射できて楽しいですね
ありがとうございます!
ヴァンサバ系のゲームが好きで色々やっているのですが、どの作品も1プレイに時間がかかってしまうのが辛いと感じていました。本作ではなるべく短時間で爽快感を得られるように調整しました。
――開発者お気に入りのスキルはありますか?
丸ノコです。
よく見るとかわいいデザインなんです。目がキラッと光ってて…凶悪で…
――もちおが可愛すぎる
本作最大のテーマです、ありがとうございます。
もちおのかわいさが本編であり、もちおのかわいさ以外はすべからくオマケと言っていいでしょう。
――Steamでリリースされましたが、海外の方にも人気なようですね。
うれしい!私がファンの皆さんと日々交流してる「じぃーまのやつ」というDiscorsサーバがありまして、こちらでも英語圏のメンバーが増えていて、やさしい終末世界のグローバル化を感じています。講談社ゲームクリエイターズラボの担当さんがやさしい終末世界を”tender post-apocalypse”と訳してくれまして、これがめっちゃイイので世界で流行らせたいです。
私のスマホゲームは中国でもよくプレイしてもらっていたのですが、近年は中国でスマホゲーの新作が公開できない状況が続いていました。Steamならまた中国圏の皆さんにプレイしてもらえるので、進出してよかったです。
――本作の今後について教えてください。(セールやアップデートなどがあれば)
リリース直後なので、細かいバグ修正を中心にアップデートを行っています。現状、大きなアプデの予定はありません。コンスタントに新しい作品をリリースしているのが私の開発者としての強みだと思っているので、現在は次の作品の開発に力を入れています。
■講談社ゲームクリエイターズラボについて
――応募したきっかけを教えてください。
2024年のIDCというイベントで登壇した際、講談社の今の担当さんに勧誘してもらいました。ちょうどスマホ市場からPCゲーム市場にも出ていきたいと考えていたところで、タイミング的にこれたぶん”運命”っヤツだな…と思いました。また同じくモバイルゲーム開発をしていた超有名開発者のところにょりさんがGCLで活躍されていたのも決め手のひとつです。にょりさんがいるなら間違いないですからね。だってにょりさんですからね。
――当選してから開発は変わりましたか?
リリース前にQA(Quality Assurance=品質保証)という工程を初めて入れていただきました。今まで「動いてるから完成だ!バグ?誤字脱字?そんなモンはリリース後に修正だ!」というノリでやってきた私のゲームに…QA!?なにそれコワイ!と最初は困惑しましたが、プロの方による鋭い指摘をいくつも修正したことで安心してリリースを迎えることができましたし、初速が大事と言われるSteamでのリリースにおいては戦略的にもよかったと思います。そして何より、まるで自分がなんかすごいちゃんとしたゲーム開発者になったかのような気分を味わうことができました。
普段の変化としては、担当さんが頻繁に打ち合わせの時間を取ってくれるので、ちょっとしたことでも気軽に相談できるようになりました。私は自分のゲームのタイトルを決めるのがとても苦手なのですが、試しに相談してみたら担当さんが考えてくれたタイトルが素晴らしかったので、次回作はそのまま採用します!担当さんは明らかにとても忙しそうなのですが、打ち合わせの中で最近プレイしたゲームの話や趣味のプラモデルの話ばかりしていて本当にいいのかな、ゴメンネと思っています。思っていますがプラモデルの話はこれからもします。
――助かった支援を教えてください。
日頃の相談(雑談?)はもちろんですが、最近ではリリースやプロモーションの一切をお任せできて助かったと感じています。今まではリリース直後は1日中プレスリリースを送付したりSNSで一生懸命発信したりストアページを改善したりと大忙しだったのですが、そういった大変なことを私より優秀な皆さんがやってくれるので安心して開発に集中できています。個人ゲーム開発者はみんなそうだと思うのですが、ゲーム開発以外の業務はなるべくやりたくないし、やると意味がわからないぐらい消耗するんですよね。
今回はその消耗がなく、なんならMOCHI-Oのリリース初日はいつもどおり新作を開発して過ごしていました。そしてMOCHI-Oは「話題の新作」に載るなど、素晴らしいスタートダッシュを見せています。これは私ひとりでは到底できなかった成果であり、講談社GCLの皆さんには感謝しかありません。私は開発だけしていればいいなんて開発者として最高にハッピー、まさに望んでいた環境です。これからも馬車馬のようにゲームを作ります。でもプラモデルも作ります。
■最後に
――この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします。
そう、健康…私ごとき木っ端ゲーム開発者が人様にお伝えできることがあるとすればただ一つ、健康の大切さです。健康が全ての土台であり、土台がしっかりしていないと何ひとつ成し遂げることはできません。ゲーム開発ではしばしば挫折や失敗が話題に上がりますが、それらの諸問題はすべて不健康のせいであって私も皆さんも、誰も悪くなどないのです。ではなぜ、ゲーム開発に失敗/挫折したという悲痛な訴えがSNS上に溢れているのでしょうか?答えは簡単、ゲーム開発者はだいたいみんな不健康だからです。
適度に運動して太陽に当たって昼夜逆転しないように生活リズムを整えつつお酒は控えてバランスのいい食事を取るだけでメンタルが上向いて大抵の問題は解決しますので、どうぞ皆様だまされたと思って健康に留意した生活をお送りください。
私ですか?私ももちろん不健康です。一緒にプラモデルの話をしましょう!
――ありがとうございました。