自分が遊びたいダンジョンRPGを作るためUE4で1からチャレンジした『Path of the Abyss』インタビュー

『Path of the Abyss』インタビュー

今回は、Suzuki Suzuzouさんに『Path of the Abyss』についてお聞きしました。

『Path of the Abyss』について

* 主な特徴 *

  • 主観視点のRPG
  • いつでも一時停止可能な、リアルタイム戦闘
  • 自由なキャラクタービルド
  • ダンジョンに眠る様々な謎や戦利品

* 戦闘 *
戦闘はリアルタイムに進行します。
いつでも一時停止可能なので、時間を止め、モンスターの攻撃を見極め、味方を強化したり、モンスターの攻撃を阻害したり、様々な手段を行使して戦闘を有利に進めることができます。
モンスターの行動は事前に把握することができるので、それに応じて使用するスキルを選択することも重要です。
つまり…
1)一時停止して、モンスターの攻撃を見極める
2)適切なスキルを選択する
3)一時停止を解除する
以上1)~3)のサイクルを繰り返して戦闘を行うことになります。
戦闘時に使用できるスキルは、事前に9つのパネルからなる”隊列パネル”にセットする必要があります。
隊列パネルにセットするスキルの種類や位置によって戦闘結果は大きく変わります。
隊列パネルはパーティで共有するため、限られたパネルをいかに生かすかが、このゲームの大き特徴となります。

* キャラクタービルド *
キャラクターは8つのアビリティと5つの基礎パラメータ、スキル、装備によってビルドすることができます。
装備には特殊能力が付与されていることもあり、これによってキャラクターの能力は大きく変化します。

* パーティビルド *
キャラクターが持つ様々なスキルを隊列パネルにセットし、パーティをビルドします。
各種スキルには相乗効果を持つものがあり、互いの能力を補助し合うように構築していきます。

* 探索 *
Path of the Abyss では、1つの広大なダンジョンと、いくつかのサブダンジョンから構成された世界を探索します。
ダンジョンの様々な謎を解き明かし、キャラクターを強化して、ダンジョンの最奥を目指します。

* ストーリー *
東ウェルトデンにある小さな遺跡。
幾度となく盗掘され、やがて誰の目に留まることもなく朽ち果てたその場所で、恐ろしいモンスターの目撃情報が多発した。
他愛のない噂話と高をくくり、度胸試しとその場所を訪れたものは、二度と帰ってこなかった。
東ウェルトデンを治める領主は調査隊を派遣し遺跡の調査を行ったが無残な結果に終わってしまった。
この遺跡の噂はやがて各地を駆け巡り、腕に覚えのある冒険者がこの地を訪れることになる。
それは君たちも例外ではなかった。

* 動画投稿・配信について *
概要欄に「Path of the Abyss」のSteamストアページへのURLを貼ってください。
収益化などもご自由にどうぞ。

■開発チームについて

・チームの紹介をお願いします。
すずきすずぞうと申します。よろしくお願いいたします。

・チームは何人くらいですか。
基本的には私一人で開発しています。
ゲーム内のBGMについては、作曲家のhasuさんにお願いしています。

・また、どのようにして集まったのでしょうか。
ゲーム制作は当初一人で始めました。
プログラミングやイラストは自分でどうにかできるのですが、音楽だけはどうにもできないことはわかっていたので、ひとまずは無償で使用できる曲を利用するつもりでした。
ですが、開発が進むにつれてゲームの規模も大きくなり、音楽についても拘りたいと考えるようになりました。
せっかくなので、大好きなFM音源を使用したBGMを採用したいと思い、Audiostockで曲を探していたところ、hasuさんの作品を知りました。
当初はhasuさんがAudiostockで公開されている曲を購入し利用していたのですが、どうしても曲数が足らず、思い切ってオリジナル曲を作曲していただこうとご連絡したのがきっかけになります。

・ゲーム業界の経験はありますか?
無いです。本業はプログラマーなのでプログラミングはできるのですが、
ゲームと業務システムは作り方がちょっと違うので、慣れるまでは苦戦しました。

 

■開発について

・『Path of the Abyss』開発のきっかけについておしえてください。
毛色の違うダンジョンRPGをやりたいと思っていたのですが、自分の思うゲームはなかなか見つからなかったので、自作することにしました。

・開発で苦労されたところは?
苦労は色々あったのですが、まとめにくいので、開発初期から現在に至るまで、時系列に書いていきたいと思います。

1)2020年(開発開始)
Unreal Engine4で開発することは決めていたので、まずはゲームエンジンの使い方を調べるところから開始しました。
特にUdemyのUE4講座はかなり勉強になり、UE4の基本的な使い方はここで覚えました。
その後、すぐにゲーム制作に入っていったのですが、今思えばゲームのコア機能(特にUI周り)については、もっとアセットを探してから開発に入ればよかったと思っています。
※内部処理は全て自作なのですが、ゲーム作りに慣れていないため作りがよくない箇所が多々あり、ユーザーからのフィードバックに十分に答えられずに申し訳ないなあと思うことがあるためです。

2)2021年
おおよそ動くようになりましたし、これまで飽きずに開発を続けることができたので、これなら完成までこぎ着けられそうと思いSteamのストアページを作ってみました。
同時にクローズドな環境でテストプレイヤー募集を行い、フィードバックを頂きました。
テストプレイについては、リリースまでに3回実施しましたが、とても有意義で感謝しています。
ストアページの開設については、ネットで情報公開されている方の記事を参考にしました。かなりややこしい手続きが必要だったので、こちらについても情報提供いただき感謝しています。

3)2022年
ゲームシステムは大体完成し、モンスターのイラストや装備・スキルデータ等をひたすら作っていきました。兎に角、物量が多くて大変でした。
引き続きテストプレイも実施し、頂いたフィードバック対応を行ったりもしました。
あとは、初めてリアルイベント(東京ゲームダンジョン)にも参加しました。

4)2023年(アーリーアクセス版のリリース)
昨年とほぼ同じ活動を行いつつ、細部のブラッシュアップを続けました。結局リリース直前まで弄ってました。
リリース日はとても緊張しましたが、思い出深い体験ができました。たくさんの方から反応をいただけてとても嬉しかったです。

・完成までどのくらいの期間を想定していましたか?
開発開始当初は、途中で飽きるんだろうなあと思っていたので、開発期間は想定していませんでした。

・実際にかかった期間はどうでしょう?
アーリーアクセスでリリースできるまで3年かかりました。
正式リリースまで後1年くらい必要そうです。最低4年くらいは必要なのかなという感覚です。

・ゲームエンジンは使っていますか?
Unreal Engine4で作っています。
Unityと迷ったのですが、Blueprintに興味があったのでUE4にしました。
今作は全てBlueprintで開発しましたが、要所要所で使うくらいのほうが開発はし易そうだなあと今は感じています。

 

■ゲームについて

・本作のおすすめのポイントを教えてください。
隊列パネルとマナ汚染と呼ばれる戦闘システムが一番の特徴だと思います。
似たシステムのゲームはあまりないと思うので、とっつきにくいと思いますが、
理解できればとても楽しいと自分では思っています。

・早期アクセスでフィードバックは得られていますか?
想定以上のフィードバックを頂いています。ありがとうございます。
全ての要望に応えることは難しいのですが、全てに目を通しています。

・モノクロなデザインが特長的でいいですね
ゲーム制作を始める前は漫画を描こうとしていました。
機材をそろえてがんばって描いていたのですが、漫画は難しすぎて結局諦めました。
その時の機材をそのまま捨てるのはもったいないのでゲームの素材作りに活用しています。
どちらかといえば、デジタルよりも絵の具で絵を描く方が好きなので、そっちの絵をPCに取り込んでゲームに使うのも楽しそうだなと思っています。

・本作の今後について教えてください。(セールやアップデートなどがあれば)
半年後の正式リリースに向けて、追加ダンジョンやアチーブメント、英語対応を予定しています。
セールは基本的にはSteamのスケジュールに合わせて実施する感じです。
今後の活動ですが、今作と同じ世界観のダンジョンRPGを2本作りたいと思っています。
ただし、続編というわけではなくて、ゲームシステムもタイトルも全く異なるものになる予定です。

 

■最後に

・この記事をご覧の開発者や学生の皆さんに一言お願いします。
ゲーム制作は作業量が多くて大変ですが、作りたいものを好き勝手に作っていたら、いつのまに形になっていきました。本当に作りたいものを横目に習作を作るよりは、やりたいことをやったほうが良いと自分は思います。失敗したらやり直せばいいだけなので。

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