ゲームクリエイター甲子園 受賞者インタビュー
~『ルックル』~
「受賞者インタビュー」シリーズは、ゲームクリエイター甲子園2021で、私が受賞者達に聞いた話と、受賞作品を紹介していく記事群となります!
尚、選別理由は特にありません。はい。受賞授与順に、お話を聞けそうな人を捕獲していった感じです。我こそ語れるよ!という方は是非、お話聞きたいのでご連絡ください〜。
突撃インタビュー!
チャット形式での掲載となります。アイコンは各自、そのゲームの要素を含んだイラストを独断と偏見で選ばせていただきました。
『ルックル』のチーム、「ウィリアムご飯できたよ」から澤下将也さん
SEモバイル・アンド・オンライン株式会社賞
男性8人、デザイナーたった1人で挑んだゲーム制作!瓶の立体性を駆使した、視点変更パズルゲームです。瓶を回転させながら、足場を確保してクリアを目指すため、下手したら主人公である精霊さんがブロックに挟まれてデスしてしまいます。理に適ってはいるんだけど、想像するとちょっとエグい死に方ですね…。ロシアの地下鉄の扉みたいな…(非常に分かりにくい例え)
因みに…今回インタビューさせていただいた澤下さんは、以前インタビュー記事を載せた『DJ.YOSHIのノリノリナイトクラブ』にもチームメンバーとして参加しています!
お話聞いていきましょう!
受賞おめでとうございます!率直な感想を聞きたいです!
受賞できるかなぁ…という温度感だったのですが、作ったゲームが企業さんに認められて嬉しかったです。チームメンバーともすぐに共有しました。
ただ、1つ後悔があるとしたら、せっかく完成させたのにも関わらず、ダウンロードして遊べるように指定していなかったので、甲子園サイト経由で遊ぶことが出来ないんですよね。それは受賞時にも指摘されちゃったので、ミスったな…と感じました。それでも、動画の映像を見て、何かを感じて、授賞を決めてくれたのは本当に嬉しいです。
なるほど、少し後悔が残ってしまったのですね…。せっかく認められたなら遊んで欲しかったですよね。
澤下さんはチームリーダーというポジションかと思いますが、主にどういう業務を担当されていたのですか?
チームのみんなに同じ気持ちで、連帯感を持って制作に取り組んで欲しかったので、色々な部分で絡んでいました。仕様書を作成したり、プログラムを少し触ったり、デザイナーさんのモチベを上げたり…。あとは進行管理として、制作物はきちんと報告するよう促したり、全体的にみんなの連携が上手くいくように立ち回っていました。
少しずつ、必要な場面で手を出していく…みたいな感じですかね?あとは、モチベ担当みたいな動きも察せられるのですが…。
ゲームの草案が出た時から、この企画はきっと面白くなると感じていて、メンバーのみんなもそのように思っていたのも感じ取ったので、最後まで自分たちの力を信じて走りきりたかった。だから、制作を通して意思疎通をしっかり取るよう意識していました。
特に、他のチームの話を聞いていると「デザイナーさんがチームに入りきれていない」という悩みを結構聞いて。僕のチームはデザイナーさんが1人しかいないから、最後までついてきてもらえるように、自分やエンジニアさんの意図は細かく、都度伝えるようにしていたら、デザイナーさんにも感謝してもらえたので良かったな、と思っています。気付いたら、彼はみんなのいじられ役みたいになってましたね。笑
他のチームの状況を聞いて、自身のチームを省みて行動に移したんですね。きちんとデザイナーさんもチームの一員になれたようで良かったです!
そうしないと勿体無い、と感じたんです。チームのデザイナーさんはきちんと描いてくれるし、すぐにドライブにアップしてくれるけど、報告がない。そうすると、成果物を見逃してしまう可能性が出てきますよね。せっかく作ってくれたものを見逃すのはそれは勿体無い、だからアップしたら報告してね、と促し続けたら最終的には問題なく報連相できるようになりました。
デザイナーさんは自信がないがゆえの行動のようでしたが、チーム全体に関しても、報連相が上手く出来ていない時もありました。例えば、ステージセレクトを作ってもらっている子に、いくら進捗を聞いても変化がない時期があったんです。おかしいと思い、様子を見に行ったら「プログラムが分からなくて、進められていない」という状況が発覚しました。言い出しにくかったと思うので、自分の方から話しかけ続けて良かったな、と感じました。
ふんわりとした優しさを感じるような、コミュニケーション方法ですね。
怒るのではなく、一緒に解決方法を探していくスタンスを常に心がけていましたね。
今回のように、チーム内コミュニケーションを意識しようと思うに至ったきっかけは何か他にもあるんですか?以前の制作環境の影響など…。
そうですね…。僕は今、4年制の専門学校に通っているんですが、2年の時にプランナーとして参加していたチームが、コロナの影響もあり、LINEのみの連絡が主となってしまったんです。僕はステージとギミックの要素などを担当していて、チームのみんなも制作はしてきたのですが、先生にROMをチェックしてもらった際に誰もテストプレイ出来ていないし、誰もクリア出来ないステージが生まれてしまっていたんです。
そういう苦い経験をしたので、今回僕がリーダーを務めるなら、全員がこのゲームを面白いと自信を持って作れるように、その時の反省を活かして動いていました。プランナーさんに各ステージの意図を確認したり、全てのステージも僕が遊んでクリアできるかチェックしたりしていました。
なるほど、苦い経験があってこその決意だったんですね。その時の経験があって、色々考えた末に今回コミュニケーションを活発にしたり、制作過程の色々な場面に関わるようにしていたんですね。
今回は狙い通りチームの連携も取れたようですし、ゲームも完成したので、その時の悔しさは払拭できましたか?
はい、払拭できたと思います。今回はゲーム制作の過程に関しても、ゲーム自体の出来に関しても満足しています!
それは良かったです!報われる瞬間ですね。それでは、面白さもチームも信じ抜いて制作してきたこのゲームですが、こだわった点や注目して欲しい要素は何でしょうか?
世界観と、その表現方法です。実は、世界観もしばらく不安定な時期があって…。男8人のチームだったので、みんな「世界観???」という感じで。笑
僕は別のチームにも参加していて、そっちは女の子もいたし、世界観にこだわりのあるメンバーもいたので、ワイワイ話しが広がったのですが、こっちは結構頑張って押さないといけなかったので、デザイナーさんに迷惑かけたな…と今でもちょっと思っています。
チーム、ぎゃばDXの方ですね!あちらのゲームも確かに世界観、キャラクター、と非常にこだわっていますよね。
世界観の重要度ってチームによってまちまちですよね。どのようにして話し合いまで持っていったのですか?
ふと思い立って、このゲームの世界観がどんなものだとイメージしているのか、チームのメンバーに聞いて行った所、マリオのゲームみたいな世界が瓶に描いてある、と想定しているメンバーもいたり、全く統一感がなかったので、世界観に対する重きをもっと置かないとイメージの共有や擦り合わせができない、と反省しました。
発覚した時点で草案が通って、既にしばらく経っていたんですが制作を一旦止めて、世界観についての議論をチームメンバーと1週間ほど重ねることにしました。
制作途中段階で!みなさん応じてくれる辺り、澤下さんの思いが伝わったのでしょうね。
また、1週間って中々、ウェイトが重いですよね。
どういう世界観で、どういう設定なら納得できるのか、突き詰めるためにはまとまった時間が必要だと思い、結果的にそれ位かかりました。話し合いの結果、「魔女の家にある瓶」という世界観で、瓶の表と裏にステージが映っている、という設定に落ち着きました。
マリオの世界観からはかなり違いますね。笑
そうですね。笑 本当に話し合って良かったと思っています。
そんな感じで、話し合いの末に決められた世界観ですが、表現方法なども工夫されたんですよね。そこの部分についても詳しく聞きたいです。
プログラム的にも、デザイン的にもそんなに高いコストをかけずに実現できたと思うのですが、そういう小さい工夫がみんなの頑張りの結晶なので、是非注目して欲しいと思います!
話を聞けば聞くほどチームへの、そしてみんなで作ったゲームへの誇りを感じますね!
最後に、今後こういうゲームが作れるようになりたいな、という憧れのゲームはありますか?
思っていたよりも細かい所の指定が来ました。笑 今後のゲーム制作などでも自分の思う「気持ち良さ」を追求していけると良いですね!
込み入った部分の話まで聞かせていただきありがとうございました〜!
チームの力を信じながらも、誰も置いていかないように適切な場面で介入し、受賞まで引っ張ってきた澤下さんのお話でした!様々な場面で課題が発生するチーム制作ですが、何か発生した際の解決の糸口を提示できたら幸いです〜!
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