- 1 第2回 全日本ゲーミフィケーションコンペティション グランプリ&受賞作品をご紹介
- 2 グランプリ 高橋真さん 『ワンダーワールドツアーゲーム』
- 3 準グランプリ 顧文瑜さん(株式会社 博報堂 キャリジョ研) 『キャリジョの人生はいつだって戦略と偶然』
- 4 アイデア賞 藤井祐剛さん(株式会社CALICO DESIGN) 『【モンダイ発見ゲーム】もふもふタウン〜ふくろう町長からの頼みごと〜』
- 5 特別賞 長谷川嘉成さん(国箱プロジェクトチーム) 『いっちょかみまちづくり-カードゲームを通してまちを魅力的にする方法-』
- 6 新人賞 川津大輝さん 『ポイステップ』
- 7 コンペティション開催の主旨と、第一回および第二回全体を通しての振り返り
- 8 「ゲーミフィケーションの可能性について」パネルディスカッション
第2回 全日本ゲーミフィケーションコンペティション
グランプリ&受賞作品をご紹介
2021年11月28日(日)に表彰式が行われ、グランプリと各受賞作品が発表されました。
受賞作品、及びそれぞれの審査員評、試遊会の様子をご紹介します!
「全日本ゲーミフィケーションコンペティション」とは
環境や格差など様々な社会問題やビジネスの問題解決にゲームやその理論・ノウハウを活用する「ゲーミフィケーション」の概念とその教育が近年注目を集めています。しかしながら、未だ認知が広がっていないことが課題となっています。そうした背景の中、より多くの方にゲームを活用して様々な問題や課題を解決することの良さを広げるため、当コンペを開催しています。
社会&ビジネスゲームラボと(慶應義塾大学山形研究室内)と社会&ビジネスゲーム協会 (一般社団法人化予定)共催,株式会社オルトプラス,ゲームコミューン(GC),ゲームクリエイターズギルド(GCG)協賛
今年も、個人/法人問わず多くの作品が集まりました。その中から、1次審査での新規性、独創性、有用性の視点、2次審査での完成度、ビジュアルの視点での審査を経て、表彰式では5つの賞:グランプリ/準グランプリ/特別賞/アイデア賞/新人賞が発表されました。
見事グランプリを受賞したのは、昨年の第1回にもご応募いただいており2年連続で参加いただいた高橋真さんの『ワンダーワールドツアーゲーム』。共生社会の実現を目指し、子供たちに障害に関する理解を深めてもらうと共に、助け合うことの大切さを伝えることをテーマにした作品となっており、ゲームを通じて楽しみながら学ぶことができる点が高く評価されました。
▼ゲーミフィケーションコンペティションについてもっと詳しく知りたい方はこちらから!
グランプリ 高橋真さん
『ワンダーワールドツアーゲーム』
作品紹介
障害のある人たちとのよりよい共生社会の実現に向け
①マイノリティとの共同体験をする
②自分がマイノリティの体験をすること
…を目的に制作。
制限時間内に与えられたミッションを行い、「行く場所」「持ち物」「すること」カードを全員が集める協力型カードゲーム。障害の追体験、または障害のある人を助ける体験をしてもらう。
プレイ人数:最低3名から40名まで(学校の道徳・総合の授業などでもできるように設計)
審査員評 中野冠(慶應義塾大学 顧問)
障害者の理解を促進するために小学校高学年以上の授業に使えるカードを用いた簡便な教材を開発しており、社会的価値は大きい。作者の障害を持つ児童と日々接している中での体験とこれまで学校関係者との長年様々な取り組みをした知識を基に作られているので、障害者サポートに関わる関係者も納得する有益なゲームに仕上がっている。昨年も参加して優秀賞を獲得しているが、さらに児童でも楽しく学べるゲームとして洗練されたゲームになっている。グランプリにふさわしいゲームである。
▼「ワンダーワールドツアー」試遊会の様子はこちら
グランプリを受賞した高橋さんと『ワンダーワールドツアー』ですが、詳しくお話しを聞いています!併せてご確認ください。
「全日本ゲーミフィケーションコンペティション」は株式会社オルトプラスx慶應義塾大学の共同で開催しているコンテストです。2…
その他の受賞作品もご紹介していきます!
準グランプリ 顧文瑜さん(株式会社 博報堂 キャリジョ研)
『キャリジョの人生はいつだって戦略と偶然』
作品紹介
多様化する女性のキャリアを擬似体験するテーブルトークRPG型ボードゲーム。
大学生から社会人4年目までの若手層が主なターゲット。勝ち負けはないおしゃべり特化型のボードゲームで女性の10年間の人生を擬似体験してみましょう!
プレイ人数:2~4名
審査員評 小林陽介(株式会社オルトプラス)
キャリアというテーマはよくあるが女性にフォーカスしたこと、女子会の再現というコンセプトなどエッジのたったプロダクトとなっていて非常に良かった。
仕事のストレス発生と、プライベートのストレス発散をゲームのジレンマ構造にうまく当てはめていたところも良かった。また制作されているモノ自体も、デザイン含めクオリティが高かった。
▼「キャリジョの人生はいつだって戦略と偶然」試遊会の様子はこちら
アイデア賞 藤井祐剛さん(株式会社CALICO DESIGN)
『【モンダイ発見ゲーム】もふもふタウン〜ふくろう町長からの頼みごと〜』
作品紹介
プレイヤーは「もふもふタウン」という架空の街で、さまざまな事件やトラブルに遭遇する。
街で暮らす「もふもふ」の話を聞いたり、街の現状を調べることで、課題の真因を突き止めるプロセスと、その真因に対する解決アイデアを創出するプロセスを体験するボードゲーム。
プレイ人数:3~5名
審査員評 水山元(青山学院大学 教授)
アイディア賞の受賞おめでとうございます。このゲームはポイントの獲得を競い合う楽しさから始まるのですが、それはあくまで入り口であって、事後的に感じる一番の面白さは、同じ問題なのにプレイの前後でその見え方が大きく変わるところだと思います。それを体験することで、なにか問題に直面した際に、目先の解決策に飛び付くよりもまず問題そのものについての理解を掘り下げたいという好奇心が芽生えるのかなと思います。
そうした効果を実際に引き出すためにはシナリオの質も重要になりますが、その設計にイシューツリーを活用するアイディアにも魅力を感じました。このゲームが様々な場面で有効に活用されていくことを期待したいと思います。
▼「【モンダイ発見ゲーム】もふもふタウン〜ふくろう町長からの頼みごと〜」試遊会の様子はこちら
特別賞 長谷川嘉成さん(国箱プロジェクトチーム)
『いっちょかみまちづくり-カードゲームを通してまちを魅力的にする方法-』
作品紹介
なんでも良いから ”いっちょかみ”することで自己効力感が生まれる。
同時多発的に自然発生し、一定期間後、終了する街のイベントに、プレーヤーが『いっちょかみ』参加をしながら、自身が街に対して与える効力、『自己効力』をどれだけ感じ得られるかというカードゲーム。
プレイ人数:4名~
審査員評 宮田大介(ゲームクリエイターズギルド主宰)
受賞おめでとうございます。
社会課題の解決をゲーム企画に落とし込む際に、<ゲームとしての面白さ・体験>と<伝えるべきメッセージ・期待する行動変容>を両立させることは意外と難しいのですが、受賞作品はその点がうまく成立しているのが素晴らしいです。
ハードルが高くなりがちな市民の行政参加を「得意や好きを生かしていっちょがみしてもらう」コンセプトに集約されており、ゲームでの体験がそのまま現実でのアクションに繋がるイメージを持てました。
今後、実際にいろんな市民の方にゲームを体験していただくことで、街づくりに多くの人が参加される未来が実現することを期待しています。
▼「いっちょかみまちづくり-カードゲームを通してまちを魅力的にする方法-」試遊会の様子はこちら
新人賞 川津大輝さん
『ポイステップ』
作品紹介
ゴミのポイ捨てによる二次被害、三次被害が環境に多大な負荷をかけていることを知ってもらい、軽い気持ちでのポイ捨てを防止することが目的。
街でポイ捨てされたゴミをうまく回収し、二次被害、三次被害を防ぐため、仲間と協力しながらゴミの回収を目指すボードゲーム。
プレイ人数:4~8名
審査員評 佐藤みずほ(東京農業大学 准教授/慶應義塾大学 非常勤講師)
新人賞の受賞おめでとうございます。「ポイ捨て」という誰でもうっかりしてしまう行動から環境への二次,三次被害についてマッピングで整理され,段階的にその影響についてゲームで体験できことは,環境問題を考える方法として有効な手段と思いました。
また,プレイヤーは,自分が行った意思決定や対策に効果があったのか,また他のプレイヤーにどんな影響を与えたのかを振り返ることで幅広い学びにつながると思います。さらに幅広い年齢層の方にプレイしてもらうことで様々な知見も集まり,その知見を基にさらにゲームを発展させていただきいたいと思います。
▼「ポイステップ」試遊会の様子はこちら
コンペティション開催の主旨と、第一回および第二回全体を通しての振り返り
審査委員長 中野冠
環境問題など社会問題理解やビジネスの問題解決にゲーム的要素を取り入れるゲーミフィケーションの概念とその教育が近年注目を集めている。この分野で現在多くのゲームが作成されているにもかかわらず、ゲーム開発者の啓蒙・支援につながるような取り組みは不十分である。また、大学の研究・教育ゲーム、企業の研修ゲーム、NPOなどで生まれるゲームの接点が少ないという課題がある。
本コンペティッションは、様々なゲーム開発者が参加してその融合を図りつつ優れた若手開発者を支援するために開催している。新型コロナによってオンラインによる審査という困難がある中で、第1回から第2回に向けて応募者が増えている。一方、賞を獲得した優秀な作品の体験会などイベントが十分に行えないという残念な問題がある。2022年度は、感染状況が改善し、さらにこのコンペティッションが拡大することを期待する。
「ゲーミフィケーションの可能性について」パネルディスカッション
教育・学術・ビジネス・エンタメの各登壇者の異なる視点からゲーミフィケーションの可能性や実際に問題解決に繋げるためにはどうすることが重要かなどについてディスカッションを行いました。当コンペを開催することで、ゲーミフィケーションへの認知・関心の向上や、それによって実際に問題解決に繋がるアクションが増えていくことに貢献していきたいと、当コンペの意義を再確認するパネルディスカッションとなりました。
▼ パネルディスカッションは以下の動画でご覧になれます。
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)
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