ウマ娘は面白い?ゲーム業界の競馬ファンのひとりごと
2021年2月24日、ついにリリースされたアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」
同時期に初報が発表されたプリコネが3周年を迎える中、満を持して配信された本作ですが
めちゃくちゃおもろいし、細部のこだわりがすごい!
ウマ娘のかわいさ、お互いに切磋琢磨するストーリー、しっかり競馬要素のあるレースシーン
とにかくゲームとしての出来がすごい……
でもこれだけは言わせてほしい。
ウマ娘化した競走馬のこと、競馬のレースのことなど
競馬ファンだからこそわかるポイントから、ウマ娘の魅力を伝えたい!
そう思い立ち、ドバイのレースの馬券を買いながら筆をとりました。
……競馬記者かな?
登場ウマ娘のチョイスがいい!
ウマ娘たちの元ネタとなった競走馬は、1980年代後半から2000年代にかけての馬が多いです。
今回紹介したいのはトウカイテイオーやシンボリルドルフ、メジロマックイーンといった
GⅠ競走をいくつも制した歴戦の名馬たち
……ではなく、記録よりも記憶に残る、いわゆる個性派の馬たちです。
大逃げで湧かせたツインターボやメジロパーマー、「新聞が読める馬」と呼ばれたダイタクヘリオス、3着が指定席のナイスネイチャ、GⅠでは惜敗続きの不運の良血馬マチカネタンホイザ……
といった、競馬史を彩った個性派たちがしっかり登場しています。
後続を引き離すハイペースの大逃げが持ち味。
とにかく逃げて圧勝か惨敗、という派手なレーススタイルで人気を博した。
アニメでも取り上げられた、93年のオールカマーのレースぶりが有名。
信条どおりの大逃げで、当時最強との声もあったライスシャワーに完勝した。
主な勝ち鞍:91年ラジオたんぱ賞(GⅢ)、93年七夕賞(GⅢ)93年オールカマー(GⅡ)
90年代の競馬シーンを席巻したメジロ牧場の生産馬で、こちらも大逃げが持ち味。
当初は骨折などもあり、同期のマックイーン、ライアンに比べてあまり期待はされていなかった。
しかし、92年の宝塚記念を逃げ切りGⅠ初制覇を果たすと、
惨敗続きで迎えた同年の有馬記念も15番人気で制し、春秋グランプリ制覇を達成。大逃げというレーススタイルから激走がフロック視されることも多かったが、
93年の天皇賞春でもライスシャワーとマックイーンに続いて3着入線と、地力があるのは確か。
主な勝ち鞍:91年札幌記念(GⅢ)、92年宝塚記念(GⅠ)、92年有馬記念(GⅠ)
1番人気で凡走し、人気薄で激走することが多いムラの大きい馬。
実際にキャリアであげた10勝中、1番人気での勝利は1度のみで「オッズが見える」と言われた。
気性も悪く、騎手との折り合いがつかないことも多かったが、きれいに折り合った時よりも、かかりまくりのドタバタなレースになったほうが好走率が高い。マイルチャンピオンシップ連覇など地力はあるが、上述の特徴に加えて・脚質からメジロパーマーとやり合うことが多く、ハイペースになりよく直線で共倒れになる
・同期の牝馬ダイイチルビーと同じレースに出走すると頻繫に好走するなどエピソードに事欠かず、各媒体でネタにされやすい。
主な勝ち鞍:91・92年マイラーズC(GⅡ)、91・92年マイルCS(GⅠ)
キャリア通算41戦7勝、うち重賞4勝とかなり力はあるが、
なぜかGⅠになると3着ばかりのブロンズコレクター。中でも有馬記念での3年連続3着は、ネイチャを代表するエピソードとして有名で
勝ちきれないながらもGⅠで奮闘する姿には多くのファンがついた。ネイチャの現役時代は、2着までに入ると馬券になるという券種がほとんどだったが
引退後に3着までに入ると当たる確率の高い「ワイド」馬券が発売されると
ネイチャの功績をたたえてJRAのポスターに起用された。ゲーム内の専用スキルも「3番手で負けそうになるとスピードが上がる」というネイチャの戦績を意識したものになっている。
主な勝ち鞍:91年京都新聞杯(GⅡ)、91年鳴尾記念(GⅡ)、94年高松宮杯(GⅡ)
ノーザンテースト産駒で母方も超良血と、デビュー当初から大きな期待を背負った馬。
当然クラシックでの戴冠も期待されたが、同期にいたのがあのミホノブルボン。
朝日杯3歳ステークスから皐月賞、日本ダービーとすべてブルボンの後塵を拝し、
夏を超え、大きく成長して迎えた菊花賞も、一度はブルボンを差すなど健闘するが3着敗退。
古馬になってもGⅠは惜敗続きで、絶好調のなか日本馬の総大将として迎えた94年ジャパンカップも発走直前で鼻出血により競走除外。その後は有馬記念に向かうも、直前に蕁麻疹が出て出走取消。
年明けにもフレグモーネ(脚に細菌が入って化膿)を発症するなど体調不良に泣いた。この蕁麻疹はエサに紛れ込んだクモを食べてしまったことが原因とされており、鼻出血と合わせてオマージュした場面がアニメに登場する。
主な勝ち鞍:93年目黒記念(GⅡ)、94年AJCC(GⅡ)、95年高松宮杯(GⅡ)など
育成時のイベントも史実に忠実!
ライスシャワーの育成シナリオでの宝塚記念が京都開催
本来の宝塚記念は阪神競馬場での開催ですが、
ライスシャワーのシナリオでは京都レース場での開催になっています。
実際に、7歳時にライスシャワーが出走した宝塚記念は、同年の阪神大震災の影響で
阪神競馬場が改修中だったため京都競馬場での開催されました。
史実のライスシャワーは、このレースで悲しい結末を迎えてしまいますが
ゲームではその先を見せてくれる、という意味でもグッとくるものがありますよね…
ゴールドシップの宝塚記念勝利後、「ゲート難」のスキルがつくことがある
「ゲート難」は、その名の通りゲートを出にくくなる(=スタートで出遅れやすくなる)スキルです。
破天荒なキャラクター通り、史実でもエピソードに事欠かないゴールドシップですが
なぜレースに勝ってマイナスのスキルがついてしまうのか…?
ゴールドシップが3連覇をかけて挑んだ、2015年宝塚記念の映像を見るとわかります
やたらとお祭りが好きなキタサンブラック
3月末にサポートカードとして実装されたキタサンブラック。
衣装やイベントの内容、ところどころの発言などからお祭り好きが伺えます。
それもそのはず、キタサンブラックの馬主は演歌歌手の北島三郎さん(登録は大野商事名義)
キタサンが引退レースの有馬記念を制し、レース後のセレモニーで「まつり」を熱唱しました。
キャリア通算でGⅠ7勝と、競馬史でも指折りの実績を残したこともあり
キタサンのサポートカードも破格の性能になっています。
カードのスキルは逃げウマ向けが多いですが、
特に若駒時は差し切りや先行抜け出しなど、脚質に幅がありました。
ただ、中距離~長距離で活躍したキタサンブラックが勝っても人気しなかったのは
母の父がサクラバクシンオーという「モロ短距離血統」が原因。
「得意の1200mを2回走れば2400mだから、中長距離も走り切れるはず!」
というゲームでのバクシンオーの言葉をまさに体現したような?馬ですね!
レースシーンがしっかり競馬になっている
僕も最初は「なんでかわいい女の子ウマ娘が見慣れた競馬場を走ってるんだ…」
と思っていましたが、ただのかけっこではなく実はちゃんと「競馬」になっています。
現実の競馬や、本格的な競馬シミュレーションゲームと同じく、ウマ娘たちは
時に(逃げウマでも)出遅れ、道中かかってスタミナ切れ、またある時は詰まって馬群を抜け出せず惨敗と、まさに「あるある」な挙動をします。
「ハナを切る」「かかる」「詰まる」などの競馬用語が世間にこれだけ浸透したのも、競馬ファンとしては不思議な感じですね…
でもやっぱり、一番はウマ娘たちのかわいさ
なんだかんだ言いつつ、ウマ娘のみんながかわいい!!
テイオーの天真爛漫さ、グラスの穏やかさと内に秘める闘志、ハルウララの健気に頑張る姿勢…
元ネタの競走馬を程よく取り込みつつ、うまく脚色して魅力を引き出していると思います!
アニメで描き切れていないウマ娘についても、ゲーム内のストーリーでしっかり語られているので、アニメ派や元ネタの馬のファンにもぜひ遊んでほしい!!
現実の競馬もいよいよ春のGⅠシーズン。
ゲームで輝くウマ娘たちの名前が血統表に残っている馬もたくさんいます。
JRAは引退馬の支援事業も行っているので、100円からでも馬券を買ってレースを楽しみつつ、
余生を送っている馬たちを応援してあげるのもよいですね!
今はネットで馬券を買える時代なので、みんなも原作課金競馬をやってみよう!
ちなみにドバイの馬券は記事を書いている間に外しました……
普段はこんな活動をしています
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)
スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
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