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【Vol.2】『ぷよぷよを手掛けた米光氏が語る、 おもしろい環境で働き続ける秘訣とは』 クリエイターヒストリア#1

クリエイターヒストリアとは

クリエイターヒストリアは、ゲーム業界でお仕事をしているデザイナー、プランナー、マーケターなどのクリエイター向けに、キャリアパスをテーマに実施するセミナーイベントです。業界で成功を納めているクリエイターはどのようなキャリアを歩んで行ったんだろう…今に至るまでの努力や道のり、人生の転機等その歴史に迫っていきます。
今回は、本シリーズ記念すべき第一回目となる米光さん登壇イベントのレポをお届けしたいと思います!

 『ぷよぷよを手掛けた米光氏が語る、 おもしろい環境で働き続ける秘訣とは』?
Game Creators Guild(ゲームクリエイターズギルド)主催。
第一回は、誰もが一度は遊んだことがあるあの「ぷよぷよ」を手掛け、デジタルゲーム、アナログゲームなど幅広くデザインする、池袋コミュニティ・カレッジ「表現道場」の道場主でもある、米光 一成(よねみつかずなり)氏をゲストにお迎えし、インタビュアーのゲームクリエイターズギルド主催の宮田が、キャリアの歴史を紐解きます。

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ゲームクリエイターの楽屋でまったり by Game Creators Guild

スティングへ移動

宮田氏

それでは歴史の針をもう少し進めて…ぷよぷよリリース後ということで、10人位の規模のコンパイルさんが100人規模になっていったのですよね。米光さんも、どんどん認められるようになっていったのですが、そこで残るよりは新しいステップに進む事を選び、スティングさんという新しい会社に移籍したのですよね。スティングさんも丁度立ち上がったばかりで…。

 

米光氏

あ、立ち上がって数年経っていたのですけど、もうちょっと人数増やしていこうみたいなタイミングで。それでもまあ、20人位でしたね。

宮田氏

同期が作った会社で…誘われて入社した感じですよね。コンパイルさんがどんどん成長しているタイミングでどうして、より小さい会社に移動しよう、となったのですか?

米光氏

どんどん大きくなっていく中で、作りたいものを作りにくくなっていた。社長の会社を大きくしていく方針と、僕が思うゲームを作りやすい環境がズレていたのです。でも会社はやっぱり社長のものだから、もっと人数増やしてもっとシステマティックに!という感じで進んでいる中、スティングの方は、今すぐは無理だけど何年後かに米光が作りたいゲームを作らせてやる、と言ってくれたので、行きましょう、と。

宮田氏

なるほど。規模的にもコンパイルさんに入った感じの状況ですね。100人、200人というよりは少人数で、言いたい事言い合って、ぶつかって作っていく環境を求めていたのですかね。

米光氏

会社の規模が大きくなっても、チームごとにカラーがあって、ある程度の裁量を与えるとか、いろいろな方法があると思うのですが、そのへんで会社の方針とズレてきちゃったので…。

宮田氏

なるほど、それでスティングさんに…。でも、入った当初はやりたいこともあるけど、とりあえずは下請けという感じでしたよね。そこで働きながら、次のヒストリアポイントという所で、米光さんもう一つの大作「BAROQUE」。知っている方は知っていると思うのですが…若い人は知らないかな?是非調べてみて欲しいです。「ぷよぷよ」の柔らかい世界観とは正反対の世界観のゲームですね。

米光氏

そうですね。まあでも、それは最初に社長が言っていた「好きなものを作らせてやるから」というタイミングが来たので「作りたいもの作ろう!」と振り切りましたね

もちろん沢山の人に遊んでもらうつもりで作りましたけど、マーケティング的に正しくというよりは、この作品を全人類遊んでくれた方がみんなの人生が良くなる、という感じの気合いで作っていたので、普段だったら「そんなの売れねえよ」と言われてしまうことをスティングの社長はやらせてくれて、本当に良くしてもらえました

もう一つの名作、「BAROQUE」誕生

宮田氏

そこまで強い思いがパッとあったからこそ、今でも続く、そして熱狂的なファンが付いている作品が生まれたのでしょうね。周りの意見とか聞いていたらそこまですごい作品にはならなかったと思いますか?

米光氏

ならなかったと思います。「BAROQUE」は、独特すぎて、作ってるときに、分からない人には分からないって何度も言われました。いろいろな資料や、方向性が似ている作品を観てもらったりして、丁寧に説明したりもして大変でしたね。一方で、ぱっと分かる人は分かっちゃうんですよ。こういうのやりたかった!って言ってくれる。だから映像制作やキャラクターデザインの人は、世界観を共有できた人としか組んでない。なので、そこからは意見の対立とかすれ違いはまったくない。一緒に悩んで作り上げるという方向性になっていった。悩んだり、助け合ったり、分かってもらえない人には伝える努力をしたり、大変でした。

宮田氏

じゃあ結構難産なタイトルだったのですね。でもこれを機にスティングさんも結構規模が大きくなって、100人位になりましたね。

米光氏

あ、スティングというよりはゲーム業界全体が…ですね。PS2が出るちょっと前位のタイミングだったので、小さな規模のゲームを作りにくくなったのですよ。ハリウッド映画的なタイトルか、シリーズものじゃないと出せない、みたいな雰囲気があった時期。大きく、たくさん売れることが分かりやすく予想できるものじゃなきゃダメだみたいな方向になっていったので、辛くなってきた。あと「BAROQUE」作っていた間もスタッフがどんどん増えていって、これ以上スタッフが増えると「BAROQUE」みたいなものはもう作れなくなるな、と感じていました

宮田氏

なるほど。そこで次のヒストリーポイントになるのですが、スティングさんを飛び出してフリーになられたのですね。

米光氏

そもそも会社というものに合わない(笑)。大学の時は普通の会社無理と思ったけど、変な会社でも無理じゃん、という感じになったので、一人でフリーになってやっていく方が良いのかな、と思って。

宮田氏

それに、フリーになったのも大規模タイトルに入るというよりは、さっきも言ったように小規模タイトルに関わるためですよね?

米光氏

大きいものばかり作ろうとしてるけど、小さくて面白いものを僕は作りたかった。でも、業界的にはMMORPGみたいな大規模なのが流行っていて…出すならドンと出してよ!と言われても、そうじゃなくてもっと尖った、小さいゲームを作りたいんだ…と提案していたのですけど、中々通らなかったのですよね。

 

宮田氏

あ、じゃあ結構企画提案しながら…このフリーの時に結構色々やられていた感じですよね。

会社を飛び出してフリーに!最初はTシャツ屋さん…?

米光氏

そうですね。ライターをやったり、Tシャツをデザインして売ったり…。ネットでものを売る、ということが丁度やり始められていた頃なので、ちょっと面白くて…6、7月は結構売れたのですよ。これはいけるわ!Tシャツ屋なるわ!となるじゃないですか。9月に入って、ガクッと売れなくなったのですよ。冬になるとみんなTシャツ買わなくなって、長袖売るんですけど、全然売れなくて。あとは結構発送ミスがあったので、向かないな〜と思って辞めました(笑)。でも、ネットが面白くなってきたのでそれにチャレンジできたのは良かったと思います。

宮田氏

なるほど。それで、今でいうモバイルゲーム等も企画して、監修みたいな感じで入って…。ここのタイミングでアナログゲームにも手を出し始めましたよね?

米光氏

元々好きで、おまけで付けたりしていた位なので。立命館大学で「ゲームの作り方」みたいな講義をしていて、ゲームの講座なので別にコンピュータゲームに限らなくていいなと考えて、コンピュータゲームでもアナログゲームでも、ゲームならなんでもいいよってことにしたので、自分でもアナログゲームやリアル謎解きゲームとかを作ってみたんですよ。

 

宮田氏

ははぁ、なるほど。そこで「はぁ、って言うゲーム」等が生まれたのですね。やはり全体的に大規模感というよりは小粒でピリリと作れる環境を意識している感じですか

米光氏

はい。…社会性がないのでしょうね。大規模ゲームを作りたい時もあるのですよ。色々考えて、あ、これは人数集めて大きいプロジェクトにしないと、この感じのゲームは実現できないな、という時はあります。

 

宮田氏

社会性だけじゃなく、規模が大きくなるとどうしても一人一人の裁量が狭くなってしまうじゃないですか。

米光氏

そうですね。それと規模を大きくしていくと、どうしても丸くなっていくのですよ。届けるためにこれはやめようかな、とか。

 

宮田氏

そうですね。モバイルゲーム市場も結構今は10億とかの予算になってくるので…昔は、それこそ尖ったタイトルもいっぱいあったのですが、今はどんどん丸くなっていると言うか…。お金がかかってくるのでそう言うのしか出せないみたいな雰囲気がありますよね。

米光氏

お金かけなければ良いのですよ…(笑)。

 

宮田氏

それは実際あると思っています(笑)。尖ったまま突っ切る、というのも良いと思う。お金をかけて、沢山の人が関わってくると、どうしてもやりにくくなってしまうので…。

そういった所から米光さんはコンパイルさんから始まって、スティングさんでもうちょっと攻めれる会社に移って、ゲーム業界全体の市場が大きくなってきた所でフリーになって、自分でコンパクトに作れるモバイルとかアナログゲーム等に注力して…自分がクリエイティビティを発揮できる場所に自分で移っていったのかな、と僕は話を聞いていて思いました。

米光氏

それは、あるのかもしれませんね。土台そのものを決められると辛い。この規模で、これだけの予算で、と言われるとそういうのを出すのだけど、自分の作りたいものからズレていくのは、やっていて辛い。

 

宮田氏

もの作りとビジネスの境ではないですけど…クリエイターの皆さんが抱えていそうな悩みですよね。少人数で面白いと思えるものを作る環境に移って、移って、今に至る。百均でボードゲームやカードゲームを出す、というのは今でさえも会社ではあまりできなさそうですよね。

米光氏

そうですね。ダイソーさんは大きな会社ですけれど、作る所は僕一人でやって、売る所はダイソーさんがやってくれる、みたいな感じなので。大きい所がダメとか大きい所が嫌だ、という訳ではなく、最初に作り始める段階での大人数が嫌なのですよね

最初の企画会議で10人とか20人とかいると辛い。それだけいたら新しいチャレンジに反対する人がいるんですよ。まあ、そりゃ当然のことで…「無謀な冒険だけど面白いからやろう」ってこっちは言ってるようなものなんですから。それは10人とかでいっちゃダメでね、10人とか20人とかになったら安心なパックツアーで行くほうがいい。しょうがねーな、少数精鋭で道作っとくから、後から来やがれ、ってもんですよ。

宮田氏

そこは結構真理な部分もあると思います。「ぷよぷよ」も「BAROQUE」も最初の段階では「もうこれ絶対すごく面白い!」という訳ではなかったですものね。

米光氏

はい。「ぷよぷよ」はもう勝手にやれ!という環境にしてくれたから、プログラマと僕と、ちょこちょこデザイナーさんが顔を出してくれる、みたいな感じで3人で進めていたので、ある種上からの声がなかったのは良かったな、と。

 

宮田氏

面白い話ですね…。米光さんはなるべく少人数で最初のタネは作った方が面白いものは作れる、少なくとも自分の作りたいものはそういった環境の方が作れる、と感じてキャリアを歩んできている、クリエイターとして活躍し続けている印象ですね

駆け足で長い歴史をわーっと聞いてきたのですが、ここから質問タイムに移っていこうと思います!

 

自分が一番クリエイティビティを発揮しやすい、自分のもの作りがしやすい環境を追い求めて転々としていった米光さん。2社を経て、現在はフリーで活躍中とのこと!最初はTシャツ屋さんをやったり、モバイルゲームにも挑戦してみたり、大学の講義を通して、ついにアナログゲームに辿り着き、現在も少数精鋭で尖った、時には大きく展開する、様々なゲームを生み出しているようです。
次回のvol.3では質疑応答タイムをレポしていきたいと思います!

つづく!

登壇者ご紹介♪

■米光 一成(よねみつ かずなり)
ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学教授/日本翻訳大賞運営/東京マッハメンバー。代表作は『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』『BAROQUE』『はっけよいとネコ』『記憶交換ノ儀式』等、デジタルゲーム、アナログゲームなど幅広くデザインする。池袋コミュニティ・カレッジ「表現道場」の道場主。宣伝会議「編集ライター養成講座 即戦力コース」専任講師。著作『自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法』(日本経済新聞出版社)、『思考ツールとしてのタロット』(こどものもうそうブックス)等。
▼Twitter
https://twitter.com/yonemitsu

■宮田 大介(みやた だいすけ)
株式会社オルトプラス ゲームアライアンス事業執行役員/ゲームクリエイターズギルド主催
大学卒業後、在学中にお世話になった職人の元へ弟子入り、鉄材があれば何でも作れる職人のものづくりをネットビジネスの視点から支援。
設立間もないオルトプラスにフロントエンジニアリング兼なんでも屋として参画。プランニング部部長、第二ゲーム事業部の事業部長等を経て、オルトプラスもマザーズ、東証一部上場と成長。その後、日中韓での3拠点でのゲーム新規開発プロデュースや韓国支社の立ち上げメンバー、高知にてSHIFT社とのジョイントベンチャーの立ち上げなど、諸国を放浪する。
現在は、ゲームアライアンス事業を設立。ゲーム会社同士のマッチングコミュニティサービスである「ゲームコミューン」やゲームクリエイターの相互教育コミュニティである「ゲームクリエイターズギルド」、ゲームのマーケティング事業等、ゲーム業界を活性化するための新規事業の立ち上げを行っている。
▼ゲームコミューン
https://www.gamecommune.jp/
▼ゲームクリエイターズギルド
https://game.creators-guild.com/

クリエイターヒストリア#3は1/21開催!

詳細は下記の記事をご覧ください!

ゲームクリエイターの楽屋でまったり by Game Creators Guild

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▽ゲームクリエイターズギルドSEED LINE

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ノウハウ還流の場やクリエイター同士のコミュニケーション機会など、
クリエイターの生涯活躍を支援する活動をしています。
会社の垣根を越えて、業界全体が協力してクリエイター育成が出来る
仕組みづくりを日々模索しています。
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