自由が欲しい!フリーランスという生き方、メリット・デメリット【ゲームクリエイターのキャリア設計】

組織に縛られず自由に仕事をしたい、独立してやっていきたい、クリエイターの将来の夢としてよく語られるフリーランスという働き方。実際、ゲーム開発現場にも多くいらっしゃいます。が、自由に働けるということは責任も発生するもの。メリット・デメリットを考えてご自分のキャリアを設計していきましょう!

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早速フリーランスの働き方のメリット・デメリットを見ていきましょう!
その前に:フリーランスって何?
企業や組織に所属せず、独立して自分のスキルを提供して仕事を行うことを指します。自営業・個人事業主などの名称もあります。ゲーム業界ではこの形態で働く人も少なくありません。エンジニア、シナリオライター、イラストレーター、サウンドクリエイターなどが多い印象です。
最近では自由な働き方として注目を集めています。

メリット

  • 自分の得意なもの、好きなものでキャリアが伸ばせる

最大のメリット、自由。会社関係なく、自分でタイトル・担当業務を選べるので自分に合ったもの、キャリアにとってベターなものを選ぶことができます。会社都合でなく、自分で自分の人生を決められるというのが醍醐味です。

  • 雑務や業務外イベントの参加義務がない

会社員だといろいろ開発の他に発生する仕事やイベントがあったりします。開発仕事に集中したい人にとってはこれがないだけでもかなり嬉しいことです。

  • プレイヤーに専念できる

会社にいると後輩の教育係になったり、役職があがってマネジメントの仕事をする必要があったりと、現場で開発の仕事に専念できなくなりがちです。フリーランスであればプレイヤーとして活躍できます。

  • 時間に融通がきく

クライアントとの契約内容によって、会社員とは違う、就業時間通りに働く義務はありません。そのためフレキシブルに働く、平日は別の仕事で土日に作業をする、ということも可能です。

  • 人間関係が楽

現場ごとに働く人達が違うので、職場の人間関係のしがらみに囚われにくい可能性があります。とはいえ、人間関係を円満にできることもできるフリーランスの条件です。

デメリット

自力で仕事を見つけることが必要

  • 営業必須

会社にいると、ぼんやりしていても仕事が降ってきますが、フリーランスは自分で営業をしないと仕事がありません。仕事がないということは収入ゼロということ。喰えません。そのためできるだけ条件の良い仕事を取ってくる必要があり、営業したり、スキル・ノウハウの記事でアピールしたりして仕事を増やす努力が必要です。

  • 新しい技術を学ぶ

ゲーム開発の技術は日に日に進歩しています。会社員であれば未経験でも実務を担当したり、会社が研修を実施したり、勉強のための書籍やセミナー費用を負担してくれたりと学びの機会が多いのです。

フリーランスは自分でやらなければ学ぶ機会はありません。必要なツールや技術が未経験なら、当然その仕事は回ってきません。フリーランスは日々、新しいことにアンテナを貼り、自力で学んでいくことが大切なのです。

事務処理が増える

  • 契約、請求関連の管理

これまでは会社の誰かがしていてくれたことを自分でやらないといけません。契約は特に自分の仕事に直結するので自分で理解し、交渉できるレベルになっておくと良いでしょう。クライアントからの入金が漏れるなんてこともあるのでしっかりお金の管理も必要です。請求書は必ず期日までに発行しないとお金をもらうタイミングが遅れてしまうので、細やかな事務スキルも大事です。

  • 税金や社会保険等等の手続き

これも自分でやると面倒なもの。そして間違ったり遅れたりすると追徴課税されたり、もらえるはずのものがもらえなかったりと困ってしまうものなのです。税理士さんや社労士さんに委託することも可能ですが、その場合は当然費用がかかります。

安定は減る

  • 保障がない

労働者ではなく、一事業者として業務委託契約を締結するため、労働者が得られる保障がありません。例えば、労災保険、傷病手当、失業手当、育休手当などの給付金は対象外となります。有給休暇もないので、休んだ場合は純粋にその分の収入が減るだけです。

  • 地味に出費がかさむ

社会保険料は会社負担分がなくなるので自分が払う金額が高くなります。内容は同じなのに。また福利厚生がないので、住宅手当や定期代がなくなったり、安価で利用できる宿泊施設がなくなったりと地味に出費が増えます。その分稼げばいいよ!という話でもありますが、負担が増えるのは寂しい気持ちです。

  • 孤独

気軽に相談したりや愚痴を言えたりする上司・同僚がいません。もちろん、現場にはチームメイトがいますが、その企業の社員からしたらフリーランスは外部の人。外部の人に愚痴を言うというのは場合によっては守秘義務違反になることもあり、どうしても距離ができてしまいます。同じ組織でずっと一緒に働くというのはそれだけで仲間なのです。

  • 年齢が高くなると仕事が減る
よほど実績がないと年齢とともに仕事が減る傾向があります。経験を積めばその分、単価が高くなるので予算面で敬遠されます。また、現場責任者の方が若いことも増えるので年上の人は使いづらいと敬遠されることもあります。実際、私の元同僚たちは50代に差し掛かると仕事がなくなっていきました。残念ながらゲーム業界を離れて他の仕事を選んだ人も少なくありません。
フリーランスになったものの、不安がある人は30代のうちに会社員に戻るという手段もあります。正社員も年齢が高くなると戻りづらくなるので40歳前後までには戻ると安全です。

社会的信用の問題

住宅や車の購入など大きい買い物に必要なローン。フリーランスということでローンが組みづらいことがあります。家の賃貸契約でもフリーランスの場合は厳しく審査されることもあります。
正社員ブランドは絶大で、これは体を壊しても何をしても会社員でいればお給料が支払われるので、ローンや家賃を払えると認識されるからです。フリーランスは仕事が終わったら収入ゼロになるのでそれを心配されています。

正直、サラリーマンより厳しいフリーランス

ここで紹介したのは正社員待遇と比較しての一般論です。人によってはメリットがデメリットに、デメリットがメリットになるでしょう。
しかし、安定という面から見るとフリーランスにはデメリットが大きいことがおわかりいただけた方と思います。フリーランスは継続した努力が求められる働き方です。そのため「会社が嫌だから」と安易に目指すことはおすすめしません。嫌なこと、面倒なことがちょっとあっても我慢して会社に従っていれば毎月きちんとお給料が支払われる、決して悪いことではありません。
では、どんな人がフリーランスに向いているのでしょうか?
企業に所属していたらできない、目指すことが明確にある人

が活躍するケースが多く見受けられます。

  • レベルデザインを極めるために企業を超えてさまざまなタイトルを経験したい
  • ゲームグラフィックだけでなく、挿絵や広告イラストも経験し、自分の画集を出したり個展を開くようなイラストーレーターになりたい
  • ドラマシナリオも手掛けるシナリオライターを目指す

などですね。

また、生活軸の都合でフリーランスを選ばれる方もいらっしゃいます。

  • 朝起きられないから就業時間が決まっている会社は無理
  • 仕事以外にライフワークがあるから週4日勤務がいい
  • 家庭の都合で地方在住在宅勤務希望、オフィス出社は月1回

など。この場合、かなり腕利き、クライアント企業と以前一緒に働いた実績があり信頼関係が構築されていることが前提になります。

正社員より拘束時間が少なくても、その人に是非お願いしたいというポジションを確立できれば、フリーランスは大変働きやすいものになります。

フリーランスとして生き抜くためには?

フリーランスとして生き抜くには、できるだけやりたいことに専念できる安定した環境をつくれるかどうかにかかってきます。では、どんなことをしたら良いのでしょうか。

自分の武器を磨こう

独立のタイミングはまず「自分はこれでやっていける!」と自分で自信を持てるスキル・経験を身に着けている必要があります。しかし、業界には同じようにスキル・経験がある人材が会社員・フリーランス問わずひしめき合っています。
その中で「この人に任せたい!」という武器を持つことが大事です。他の人との差別化が重要なのです。
自分が何を目指したいのか、またクライアントやゲーム市場が何を求めているのか双方のニーズをすり合わせながら自分のウリ、武器を見つけて実務や学習を通じて磨いていきましょう。

良いクライアントを見つけよう

フリーランスとして重要なのは良いクライアントと出会い、良好な関係を継続して築くことです。仕事があれば喰っていけるし、実績が増えれば指名で声がかかることも増えてきます。
クライアントはゼロから探さなくてもいい状態でフリーランスになるとベストです。具体的には務めていた会社や取引先企業・知人企業から仕事をもらったりできると最初は働きやすいです。開発環境や相手の人柄、仕事の進め方を知っていると現場に入りやすく、また、これまでの築いた信頼関係があれば働きやすい環境です。
そして、元会社の同僚、案件で一緒になったメンバーと良好な関係を築き、すぐに声かけてもらえる関係を保っていきましょう。ゲーム業界は狭い業界なので、人のつながりで仕事を紹介されることが多いのです。(転職も知人のツテが多いです)
クライアントの要望をしっかりヒアリングし、期待を裏切らないクオリティを保ち、周囲のメンバーと良きチームとなり、納期を守る。そんな人絶対欲しい。信頼してもらえる仕事をしていきましょう。

良きエージェントを見つける

仕事を回してくれる業界の知り合いが少ない場合はエージェントに登録するもの良いでしょう。フリーランスとクライアントを取り持ってくれるエージェント業務を行う企業があります。エージェントに登録すると営業活動や契約・請求実務を代行してくれるのです。もちろん、手数料を払う必要がありますが、面倒事を任せられる必要経費と考えられる人なら使ってみてもいいでしょう。
エージェントも企業や担当者ごとに良し悪しがあります。適当なところもあるし、単純にあなたと相性がわるいこともあります。エージェントの情報も、フリーランスの方たちの間でやりとりがされています。現場で一緒になった方たちに聞いてみて、実際にエージェントとやりとりをしながら見極めていきましょう。

会社化して強くなる

一人で稼ぐことには限界があります。会社化して従業員を雇い、全体の売上を増やすことで堅固な体制をつくるという方法もあります。
自分が社長になることで自分で決める自由と安定した機能の両方を持てるのは悪くないと思います。もちろん倒産というリスクはありますし、面倒なことも増えますが、もっと一人ではできない大きいことをやりたい、自分のゲームをつくりたいという欲求を叶えることができます。

まとめ

フリーランスとしてキャリアを築き、成功するためには会社員時代からの努力が必要です。会社員としてある程度実績を出し「これなら独立してもやっていける」という確信を持ってからフリーランスになるのが生き残る確率が高いです。
不安は多いですが、自分ひとりの力でやっていけるのでそこにやりがい・魅力を見いだせる人も多い働き方です。

興味ある方は自分がどうなりたいのかをイメージし、メリット・デメリット併せて考えてみてください!


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