ゲームクリエイター甲子園 2023に応募があった全1200作品の中から17作品が、ゲームクリエイターズギルドが運営するクリエイター支援のためのコミュニティレーベル「Seeds by Game Creators Guild」の第三弾として登場することが決定しました。
今回のインタビューでは、第三弾作品の『The One-Man Army』をピックアップします。
このインタビューシリーズでは、ゲーム作品の制作の裏側に焦点を当て、どのような構想を経て形づくられたのか、学生クリエイターのゲーム制作への思いや今後の展望についても探っていきます。
チーム名:kome_dawara/作品:『The One-Man Army』
kome_dawaraは、ゲームクリエイター甲子園 2023においてU-18総合賞 第2位を受賞した制作チーム。
- kome_dawara チームメンバー紹介
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kome_dawara 個人
「The One-Man Army」は2Dトップダウンシューティングゲームです。「多勢に無勢」をコンセプトとした本作では、圧倒的な数的有利を誇る敵をたった一人で打ち倒すカタルシスを楽しむことができます。
《「みんなのゲームパレード」からダウンロード!》
実際に遊んでみたい方は、作品紹介ページ内の「作品をダウンロードする」をクリック!
作品紹介ページ ▶ https://gameparade.creators-guild.com/works/1416
自分が遊びたいゲームを作る
──自己紹介をお願いします。
kome-dawara:
『The One-Man Army』を開発してゲームクリエイター甲子園2023でU-18の第2位をいただきましたkome-dawaraと申します。よろしくお願いします。
──まずは、名前の由来を教えてください。
kome-dawara:
ニックネームをつけた際、米が食べたかったからです。10秒かけずに決めたので特に意味はないです。
──おいくつですか。
kome-dawara:
15歳、中学3年生です。
──『The One-Man Army』は個人制作ですか。
kome-dawara:
はい、個人です。素材の一部はフリーのものを使っていますが、プログラムなどは基本的に全部自作です。
──ゲームが生まれたきっかけについてお聞かせください。
kome-dawara:
スピード感のあるトップダウンというか、2Dのシューティングで自分が遊びたかったのが1番大きな理由です。
──いいですね。影響を受けたゲームがあれば教えてください。
kome-dawara:
フロムソフトウェア『アーマード・コア』や、デザイン面は『ニーアオートマタ』や『アークナイツ』です。
──本作でこだわったところを聞かせてください。
kome-dawara:
まず第一に、世界観に統一感を持たせることを心がけました。絵を描くのはあまり得意ではないんですが、色合いや形を工夫して没入感を高めるように調整しました。その部分に一番気を配りました。
──絵ができたらもうパーフェクトですね。
kome-dawara:
だからやってみるのもありかなと思っています。
──意欲的ですね。個人制作の中でハプニングや困ったことはありましたか。
kome-dawara:
今までで最大規模のプロジェクトなので、ハプニングはまずバグが大量に発生したことです。とにかくバグの嵐でした。審査員の方からコメントをいただいたゲームバランスの調整にも時間がかかりました。パラメーターをいじって試行錯誤を繰り返しながら、なんとか形にしました。
──制作中の困ったことは、どのように解決していますか。
kome-dawara:
そうですね。持っている本を調べることもありますが、一番多いのはネット検索です。ゲームバランスについては、やはり周りの人に遊んでもらうのが一番参考になります。
──ご家族の反応はいかがでしたか。
kome-dawara:
家族はリアルタイム性の高いスピードの速いゲームをあまりやらないのですが、逆にこういったゲームが苦手な人から見たバランスについては、非常に参考になる意見をもらえました。
──いいですね。プログラミングスクールは今も通っているんですか。
kome-dawara:
はい、中3の夏から受験があったので、今は一時的に抜けていますが、4月から再開の予定です。技術を教えてもらうというよりも、フィードバックが欲しい部分が大きいです。専門的な知識を持つ人に見てもらいたいというのが主な理由です。
──これまでにもゲームを作ってきたんですか。
kome-dawara:
はい。初めてのゲーム制作は小6の春頃でしたね。とある雑誌でUnityが特集されてて、面白そうだから触ってみようと思って今に至ります。
──つまり家にパソコンがあり、Unityを動かせる環境が整っていたんですね。初めて触った時の感想はどうでしたか。
kome-dawara:
なんだこれって。それまでにScratchは触ったことがありましたが、Unityは段違いに複雑で、Scratchが易しかったと身に染みました。Unityで、自分で苦労して組み上げたものが想定通りに動くと気持ち良かったです。
実践的なチュートリアルで操作をすぐに覚えられるよう工夫
──このゲームのオススメポイントをお聞かせください。
kome-dawara:
まず操作がシンプルなことです。WASDキーとマウスだけで動かせるので、操作を覚えるのが簡単です。またパラメーター調整などの要素もないので、立ち回りを工夫し、試行錯誤を重ねればクリアできるようになっています。そして、世界観も大切にしています。
──かっこいいですよね。始めてすぐに遊び方が分かりました。こういった分かりやすいチュートリアルの作り方は、どのように学んだのですか。
kome-dawara:
これまでいくつものゲームをプレイしてきた中で、説明があっても実際の操作に時間がかかるタイトルがありました。そのため、すぐに実践できて操作を覚えられるチュートリアルスタイルが一番分かりやすいと思い、自分のゲームでもこのスタイルを採用しました。
──本作の中で、kome-dawaraさんのおすすめの銃はありますか。
kome-dawara:
基本的には最初のマシンガンがおすすめです。 ちょっと慣れてきたらその他の2種類の武器も試してみてください。見た目もかっこいいし、もっとスコアも取っていくプレーができると思います。
──このゲームは、スコア重視なんですか。
kome-dawara:
もう少しスコアとゲーム性を関連付けたいと思うんですが、いまはそこも考え中です。
ゲーム制作は行動あるのみ
──将来的にどんなクリエイターになりたいですか。
kome-dawara:
大規模なAAAタイトルも魅力的ですが、私はそれより、狭い範囲にいる人々の心を動かせるような、よりパーソナルなアプローチができる、そういうクリエイターになりたいです。
──プレイヤーさんとのつながりを感じながら制作し、そのフィードバックを反映していくようなクリエイターでしょうか。ゲームクリエイター甲子園 2024は応募されますか。
kome-dawara:
2024年も出します! すでに新作が企画の段階に入っていて、現在はさまざまな技術実験や実装を試行しています。
──楽しみです。これからクリエイターとして伸ばしていきたい能力はありますか。
kome-dawara:
まず第一に、技術力ですね。そして企画力や設計力も必要です。アイデアを組み立てていく力をつけたいです。さらにデザイン能力や絵を描く能力。それに加えて、3Dモデリングもやっていきたいです。
──最後にクリエイターに向けて伝えたいことはありますか。
kome-dawara:
ゲーム制作においては、まずは行動あるのみ!というのが私の考えですね。もちろん向き不向きはあると思いますが、下調べなどにあまりとらわれず、まずは手を動かしてみることが大切だと思います。分からないことがあれば、インターネットなどで学習できる環境が整っていますし、やる気次第でどんなことでも可能だと思います。技術的なスキルも後から身についてくるものですから、まずは行動することが最も重要だと思います。
──いいですね。そう考えるきっかけは何でしたか。
kome-dawara:
自分の体験ですね。ゲーム制作を始めた当初は正直長続きすると思っていませんでした。実際に始めてみると意外と長く続いたんです。失敗しても損失があるわけではなく、時間と労力が失われるだけと感じたことが、続けている理由だと思います。
──学びにつなげられるのは、いいマインドですね。これからどんなゲーム作っていくかとても楽しみです!
「みんなのゲームパレード」から『The One-Man Army』をダウンロード!
今回ご紹介した『The One-Man Army』は、開発中ゲームのβ版が集まるサイト「みんなのゲームパレード」にて掲載中!作品を実際に遊んでみたい方は、作品紹介ページ内の「作品をダウンロードする」をクリック!
作品紹介ページ ▶https://gameparade.creators-guild.com/works/1416
「Seeds by Game Creators Guild」とは
「Seeds by Game Creators Guild」は、ゲームクリエイターの若きスターがここから羽ばたいていくことを支援するためのコミュニティレーベルです。
クリエイターコミュニティである「ゲームクリエイターズギルド」が運営する「みんなのゲームパレード」に掲載されている作品や「ゲームクリエイター甲子園」に応募された作品の中から、特に輝いていたゲームタイトルを応援します。
本レーベルは、パブリッシャーではなくゲームクリエイター支援のためのコミュニティレーベルを基本コンセプトとし、特にコミッションなどをお支払いいただかず、必要な実費のみでご利用いただけます。
未来のある優れた作品がこのレーベルに集まることによって、ユーザーや業界への認知機会を増やし、本レーベルを通してスタジオ設立や、大手パブリッシャーへのステップアップにつながっていくことを目的とします。
Seeds by Game Creators Guild 公式サイト ▶ https://www.creators-guild.com/seeds
「ゲームクリエイター甲子園 2024」開催中!
ゲームクリエイター甲子園は「ゲームクリエイターズギルド」が主催の、ゲーム制作に関わる学生クリエイターのためのゲームコンテストです。
このゲームコンテストの最大の特徴は、“成長型ゲームコンテスト”であること。作品がない状態からでもエントリーが可能で、1年を通して作品をブラッシュアップしながらクリエイター自身の成長を目指します。
制作途中の作品でも応募すればプロのクリエイターからアドバイスがもらえるほか、学生クリエイターコミュニティに参加する仲間たちとの切磋琢磨で刺激を得ることができるのも、このコンテストの魅力の一つ。過去の参加者の中には、企業からオファーを受けて新卒採用に至った方もいらっしゃいます。
「オリジナルのゲームを作ってみたい!」「色んな人に自分の制作物を見てもらいたい!」そんな方は、ぜひご応募ください!
ゲームクリエイター甲子園 2024 エントリー情報
エントリー期間
※先行エントリーについては下記をご確認ください
エントリー締切:2024年10月31日(木)16時59分まで
作品応募期間
作品提出開始:2024年 2月1日(木)12時00分から
作品提出締切:2024年11月7日(木)16時59分まで
※作品がない状態のエントリーも可能です
※運営との連携のためLINE公式アカウントの友だち追加が必須です
応募資格
年齢:小学生以上の学生 ※社会人は応募不可
制作人数:個人・チーム、人数不問
作品数:無制限
ゲームクリエイター甲子園は作品の完成・未完成問わず参加・展示が可能です
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約7600人参加(2023年12月現在)
スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
ゲームクリエイターズギルド公式サイト ▶ https://game.creators-guild.com/