PERACON 2023 結果発表・審査感想戦|CEDEC2023レポ

CEDEC2023が8月23日~25日に開催されました。
楽屋でまったりでは様々なセッションのレポートをお送りいたします。

今回は、ペラ企画コンテストのPERACON2023の結果発表と審査感想戦を併せて紹介します。

PERACON 2023 結果発表

セッション内容

2021年にリニューアルしたPERACONこと「ペラ企画コンテスト」。事前に設定されたテーマに沿った企画コンセプトをA4用紙1枚(相当サイズの画像)にまとめて競う、CEDEC参加者の誰もが参加できる「コンセプトシートコンテスト」です。15秒ほどで内容が理解できるものであれば表現は自由。作品は審査員によって評価され、優秀作品を本セッションで発表・表彰します。

  • セッションでは順位ごとの作品の紹介は上位のみに限定
  • 全作品の順位は本セッションの進行に合わせてPERACONページで公開
  • 投稿者の氏名や所属は希望者のみセッションにおいて公開(応募者属性や所属の属性は公開)
  • コメントについては後日、精査したうえで公開予定
  • PERACONのルールなどの詳細はPERACONページを参照

PERACONページ( https://peracon.cesa.or.jp/

受講スキル

  1. 企画者を志す方から百戦錬磨の企画マンまで

得られる知見

  1. 自分の企画の実力,企画に対する評価の多様性

PERACON とは

時田さん
審査員特別賞については、「推し」の中で最も順位は低いが、「俺は好きだぜ!!」という強い愛がこもっていると解釈していただければと思います。

結果発表

時田さん
今回のテーマは「かえる」ということで、自由度が高いものとなっています。
𥱋瀨さん
「かえる」というテーマを聞いたとき、カエルが帰宅するランゲームが多く出てくるのかなと思っており、その通りの結果でしたね。
そこをどう料理するのかが、このペラコンですね!

第3位 Change my Identity!

時田さん
今回のテーマは「かえる」ということで、自由度が高いものとなっています。
𥱋瀨さん
推しが4名ということで訴求されるものがあったなと感じます。

第2位 ヘアーズ・クロッシング

𥱋瀨さん
これは多彩なアクションがこのペライチだけで伝わるというのがいいですね。あとカラーの使い方ですよね。沢山サムネイルが並んだときに明らかに1つ色合いが違うとまず見てもらえるので、ペラという特性をよく考えられてデザインされていますね。
時田さん
黄色と紫色のセンスが、インパクトがありますよね。

第1位 コロコロボーエキ船

時田さん
シートを見るだけで楽しい雰囲気、ゲームのノリが伝わってくるのがいいですね。
𥱋瀨さん
この情報密度で面白く、分かりやすく、本当にプロの仕業だなという感じがしましたよね。ディレクターの方ということで、ペラコン発祥のゲームを出してほしいですね(笑)。

ペラコンでは、応募があるとすぐに作品が公開されるため、過去の応募作品をチェックして傾向や対策を練ることができるようです。また、締め切りギリギリになると作品が集まることが多いとのことです。

𥱋瀨さんは、自分が応募するなら、徹底的に他の応募作品を確認し、同じアイデアだとしてもアレンジを加えて提出するだろうとのことでした。実際今回のペラコンでは先に提出されているアイデアと同じものが多く出されていたことが多かったようです。ペラを見てペラを考えるのは十分に有効な手法であり、その代わりに自分の実力が問われるともお話いただきました。

PERACON2023 結果速報ページ

審査感想戦

審査員の推し企画書を中心に様々なペライチ企画書の感想が交わされました。
その中でも学生さんの作品でピックアップされたものを紹介します。

総合25位 ふかード

三村さん
デジタルゲームが数多くある中で、アナログゲームで楽しめそうというのが心惹かれましたね。言葉を覚える学習ゲームのようなジャンルとして実際に出来るんじゃないかと思いました。
𥱋瀨さん
ペラコンの企画ではカードゲームやボードゲームが届くことも多いんですが、ゲームを理解して奥深いなというところまでいくのはかなり難しいです。この企画ではまず「楽しそう」というのが全面に出ているなと思いました。

第28位 三百円戦士ダガシオー

𥱋瀨さん
コンセプトが良かったですね。ロマンがあって取り上げたいと思いました。もう少しゲームの中身やどういった奥深さがあるのか欲しいところですね。
「買える」と判断する作品はいくつかありましたね。ただ買えるかどうかの判断は小学生低学年でもできる。そこをどう難しくするかが皆さん工夫する必要がありましたね。

第31位 フライパンファイト!!

本間さん
パンケーキ好きなんです。というのは冗談で(笑)。
食材をひっくり返すということですが、フライパンでの殴り合いが発生するとか色々書いてあって驚きました。厨房が舞台になっていると思うので、爆弾が唐突な印象を受けました。
VRということでフライパンでひっくり返すというのは面白い体験かなと思います。

第48位 オンパインザケイブ

𥱋瀨さん
エコーロケーションは考える人が多いだろうと思っていましたが意外と少なかったですね。
この作品のいいところはエコーロケーションをして、攻撃も音波で相手も音波で跳ね返す、一点突破しているところですね。
こういったペライチでは要素を入れすぎると説明もしにくくなるんですが、この企画書はペラコンらしい良さを出している作品だと思いました。

第51位 ぴょんぴょんレーシング

時田さん
僕、昔リアルでよく遊んでいたので懐かしいなと思いました。実際にあるものをノスタルジーにどう落とし込むか、というのも面白いですね。

第58位 奏でろケロゲコビート

本間さん
カエルの企画はいくつもある中で、カエルを体感できるゲームがあったら推しになるなと思っていました。カエルっぽいなと個人的に感じました。
みんなで遊ぶと合唱のようになって面白そうだな~って。

第65位 Street Magnet

本間さん
エクストリーム系のレースゲームはスピード感がある中で、さらに磁力を切り替えるというネタもあって、空中をフワンフワンと飛んでいく様がパッと見てイメージができたので、個人的に推しのポイントです。

第80位 カイヘンあたまとり

三村さん
実際に遊んでみたいと思って見ていました。改変されるというのが個人的に良くて、力士がガイコツになるという発想がすごく好き、ワハハとなれるなと思いました。

第86位 LIFE is ART

𥱋瀨さん
脱出ゲームというこの形式なら成り立つなと。上手く作れたらカッコいいゲームになりそうだと思いました。アイテムのバリエーションが少ないのでもう少し見たいところですね。「切り取る・覗き込む・組み合わせる」ここをもう少し書けたらと思います。

第286位 REPLACE!

本間さん
パッと見たときに「すりかえる」というテーマはいいなと思いました。ターゲットの物を別の品に見立ててというのが自分の中で面白いなと感じたところです。もう少し緊迫感が伝わってくるといいなと思いましたね。

審査してのまとめ

本間さん
いろんな方の審査基準を聞けたというものもあるんですが、300件ほどを審査して、推しということで、自分自身も偏っている自覚はありますが、率直に見れたというのは楽しかったですね。
三村さん
いちクリエイターとして勉強になりましたし、見る側として皆さんが普段どういった視点で見られているのかも非常に勉強になりました。作ってほしいというお客さまの視点と、作るのはちょっと…と会社目線で葛藤はありましたが、両方の視点で選べていたらいいなと思いました。
𥱋瀨さん
いいねは総合力で、推しになるのはバランスが崩れていてもどこか突破しているもの。ペラコンで上位にくるのは推しが多いものなので、人とは違うどこかおかしい、とにかくそこで一点突破しているというものをより積極的に考えられると上位を狙えるのではないかと思います。コンテストなので、人と同じことをしていると勝てないです。人と違う、世間と違う、だけど違いすぎないみたいなこのラインを探ってみてください。
時田さん
分かりやすくする、そしてサプライズを与えるということ、それによって期待させることと裏切ることがあって、「おお、そう来るか」「なるほど」と思わせるので、期待と裏切りそんなサプライズがある作品かで僕は好みを決めますね。

ご登壇者

時田 貴司

株式会社スクウェア・エニックス
第二開発事業本部
プロデューサー

<講演者プロフィール>

1966年神奈川県出身。
1984年から演劇活動のアルバイトとしてゲーム制作に参加。
株式会社スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社後
デザイナー、プランナー、ディレクターを経て現在はプロデューサーとして従事。
代表作は『FINAL FANTASY Ⅳ』、『LIVE A LIVE』、『クロノ・トリガー』、
『半熟英雄』シリーズ、『ナナシ ノ ゲエム』。
東京藝術大学大学院映像研究科ゲームコース特別教授。
CESA人材育成部会。
PERACON審査委員長。

<受講者へのメッセージ>

長く審査をさせていただいていたCEDEC名物参加企画
ペラ企画コンテスト『PERACON』!
昨年より審査委員長を務めさせていただいております。
同一テーマで自由闊達に発想、表現し切磋琢磨して盛り上げていきましょう!
よろしくお願いいたします。

𥱋瀨 洋平

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社
アドボケイト

<講演者プロフィール>

1995年よりゲームデザイナー/シナリオライターとしてゲーム開発に従事。「ワンダと巨像」「魔人と失われた王国」などの作品に携わる。2013年よりユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社(現株式会社)に勤務し、学術とゲーム産業の橋渡しをするために活動。「誰でも神プレイできるシューティングゲーム」でWISS2015対話発表賞。「Unlimited Corridor」で第20回文化庁メディア芸術祭エンタテインメント部門優秀賞を受賞。東京大学先端科学技術研究センター連携研究員、大阪芸術大学客員教授を兼務。

<受講者へのメッセージ>

ペラコンはペラコンという特殊なフォーマットでのコンペであり、ゲームデザインや企画書作成の能力がそのまま問われるわけではありません。しかしアプトプットしてフィードバックを得るという経験はすべてのクリエイターにとって必要と思っています。すべての企画を見てコメントしていますので、奮ってご応募ください!

審査感想戦からは以下のお二人も参加されました。

三村 麻亜沙

株式会社エイリム
ディレクター/アートディレクター

<講演者プロフィール>

2007年よりゲームデザイナーとしてゲーム開発に従事。2Dデザイン、UI制作、企画発案等の経験を経て、2014年より株式会社エイリムに入社。2021年にディレクターとして『Voice of Cards』シリーズを発売。現在はプロジェクトマネージメントに興味を持ち勉強中。
鉱物が好き。

<受講者へのメッセージ>

いつも楽しませていただいた企画に審査側として参加させて頂くことになり、大変うれしく思います。自分の考えを相手に正しく伝えることは、プロになっても難しいことです。ましてや本企画は1枚の資料にまとめての制限付き。アイデア、デザイン、文章力など、様々な表現方法があると思いますが、創意工夫のパワーを浴びれるのがとても楽しみです。どうぞよろしくお願いいたします。

本間 諭

株式会社ヒストリア
ゲームデザイナー

<講演者プロフィール>

いくつかのゲーム会社を経て2018年より株式会社ヒストリアに入社。以降ゲームデザイナーとしてコンシューマーゲームやVRタイトルなど様々な開発に従事。

「ライブアライブ」(アシスタントディレクター/リードプランナー)
「BIOHAZARD VALIANT RAID」(プランナー)
「ナレルンダー!仮面ライダーゼロワン」(プランナー)

趣味はロードバイクでのサイクリング。

<受講者へのメッセージ>

今回、審査感想戦に参加させて頂くことになりました本間と申します。PERACONは毎回、自由で個性豊かな企画が集まっていて、ここにしかない魅力があると思います。そんなPERACONを皆さんと一緒に楽しんで、語り合えたらと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします!

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ゲームクリエイターズギルドとは
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
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