ゲームクリエイター甲子園に登場した中から18作品が、ゲームクリエイターズギルドが運営するクリエイター支援のためのコミュニティレーベル「Seeds by Game Creators Guild」の第二弾として参加することが決定しました。
今回のインタビューは18作品のうちの1つ『TELEPOTRAL』をピックアップします。

このインタビューシリーズでは、ゲーム作品に焦点を当て、制作の裏側に迫ります。どのような構想を経て形づくられたのか、学生クリエイターのゲーム制作への思いや今後の展望についても探っていきます。

Balloon/『TELEPORTAL』

Balloonは、「ゲームクリエイター甲子園 2022」においてU-18 総合賞 第2位を受賞した制作チーム。

ゲームクリエイター甲子園 2021から引き続き、個人制作でゲームクリエイター甲子園 2022にも登場。さまざまなエンタメ作品から刺激を受け、ゲーム制作に反映することが多いそうです。パズル要素に力を入れて制作された『TELEPORTAL』について、そのきっかけや個人制作だからこそのつまずきなど、お話を聞きました。

Ballon チームメンバー紹介
古市太郎全て担当

格好いいをベースにパズルを構築

―『TELEPORTAL』を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

古市さん:
漫画『呪術廻戦』がきっかけです。作中で触れたものと入れ替わる能力を使って戦うキャラが現れたんです。そのキャラは敵を翻弄しながら戦っていて、すごくかっこいいなと思いました。そこで敵を翻弄しながら戦うゲームを作りたくて『TELEPORTAL』の開発を始めました。

―構想をいつ頃から考えていましたか。

古市さん:
構想自体は去年の4月に思いついて、最初の2、3ヶ月は特に何も考えず、横スクロールで当たったものと入れ替わること。それから3か月ぐらいかけてシステムを考えた感じです。

最初は本当に全然思いつかなくて、とりあえず適当なものと入れ替わるゲームにしようって思っていました。でも、制作を続けているうちに敵を翻弄する感覚ってこれだと違うなと感じていました。
そういった中でどうしたら翻弄する感覚・体験ができるんだろうって、突き詰めて考えた結果、入れ替わる先をプレイヤーが常に考える形にしました。

―『TELEPORTAL』を遊んでもらう上でアピールしたいところを教えてください。

古市さん:
パズルの部分にすごく力を入れています。弾に種類があって、チャージ弾は普通の玉よりも弾速が違ったり、壁を貫通できるという特性をつけたことによってパズルの魅力が深まったので、ぜひともパズル部分に注目して、楽しんでほしいです。あとは、グラフィックにも力を入れたので、ステージごとに変わる背景を見て楽しんでもらいたいな思います。

―パズル部分を作るのも難しい中、グラフィックにもこだわったのがすごいですね。

古市さん:
どちらかというと、パズルを思い浮かばなかったのでグラフィックをやっていました。

―パズル部分はどんな風に設計していましたか。

古市さん:
僕もそのことをいろんな人に聞きたいです。全然思い浮かばなかったんで「あれ、こんなんどうだろう?」ってぱっとひらめいて、そこから作っていくって感じなんです。論理的でもないですし、本当に自分の脳みそがいつか見つけてくれるまで頑張っていました。
僕は「プレイヤーがこう動いたら格好いいな。じゃあ、この動きをするには、どんなギミックがあったらいいだろう」と考えていました。

―格好いいという根本がブレずに作れるからいいですね。『TELEPORTAL』で実装が難しかった部分はありましたか。

古市さん:
敵のAIを作るのがすごく大変でした。見えないコライダーを敵の前に置いて、そこにプレイヤーが触れたら攻撃を開始、離れたらオンコリジョンをトリガーに使っていたんですが、入れ替わっちゃうと、コライダーから出ていったという情報が取得されなくて、そのせいでバグがまだ起きていて困っています。移動座標で位置を変えていたからか分からないですが、コライダー関係の判定がうまく動かなかった点が割と大変でした。

―ゲームの核になる部分がバグを引き起こすといいますか。

古市さん:
ちゃんと数式とかで判定をしていたら、こんな風にはならなかったんですが、今まで当たり判定という便利な条件に甘えていたので、それでちょっとつまずきましたね。

―『TELEPORTAL』を試遊された方からは、どのような反応がありましたか。

古市さん:
ほとんどの人に「面白いより難しい」と言われたのが心に残っています。僕自身が何度も遊ぶ内にうまくなりすぎて、自分の中のちょうどいいと、ブレイヤーのちょうどいいが、全然マッチしていなかったんですね。
ここを合わせるのが本当に大変で、ゲームクリエイター甲子園でもまだ間に合ってなかったんですよ。そこから1ヶ月かけてできるだけ難易度を簡単にして、調節後は別の大会で優勝もできました。ですが、この難易度調整はすごく難しかったですし、プレイヤーごとの感想の違いは印象に残っています。

―個人開発だと客観視するのが難しいですよね。

古市さん:
家族にいっぱい協力してもらった結果、家族も上手くなって参考になりませんでした。難易度と楽しさは、割と直結してる部分があるなと、この1年本当に学びました。後半に変わったギミックを作っても、クリアできなきゃ楽しいって感じる人は少ないってすごくわかったので、そこはやっぱ大切だと思いました。

―今後アップデート・改善したい点はありますか。

古市さん:
今後改善していくとすれば、まだ残っているバグを全部取って、ボス戦を追加したいですね。ただ主人公が全く攻撃できないので、どういった形のボス戦にしようか迷っているんですが、そのことを抜きにしても巨大ロボと戦うようなボス戦を作ってみたいなと思っています。

絶賛開発中! ゾンビのストラテジーゲーム

―新しい作品はどんなものを考えていますか。

古市さん:
別のジャンルをやってみようと思って、ゾンビの世界で村作りをしていくストラテジーゲームを作ろうと思っています。おそらくまだ誰も作っていないだろうと。

―まさかの方向ですね。

古市さん:
最近、韓国のドラマでゾンビの世界で王様になるのを見ていて、これもゲームにしたいなってすごく思ったんです。

―いろんなところからアイデアが浮かびますね。

古市さん:
漫画、映画、ドラマとかにすごく影響されます。

―『BalloonHead2』はどこから思いついたんですか。

『BalloonHead2』
ゲームクリエイター甲子園 2021の古市さんの応募作品。頭が風船に改造されてしまった主人公が、さまざまなギミックをくぐり抜けて研究所を脱出することを目的とした横スクロールアクションゲーム。

ゲームクリエイターズギルド公式サイト

古市さん:
あれは全然エンタメ関係ないんです。僕が赤ちゃんの頃すごく頭が大きくて、キーホルダーってあだ名がつけられていたんですよ。頭がすごく大きいのに体が小さいから。
僕は頭が大きいことを特徴にしたゲームを作ろうと思って、最初は頭のサイズを自由に変えられる人にしていたんですが、分かりづらいのと、特性がいまいち伝わりづらかったので、風船に変えてみようという感じです。

―デビュー作にして狂気を感じましたね。確かに風船だと大きさが変えられることがイメージしやすいですね。

古市:
あともう1つは割れやすいという部分で、何か当たったらすぐバルーンヘッドは死ぬんですけど、それもマッチしていたので良かったです。

ゾンビのストラテジーゲームも頑張って、今年のゲームクリエイター甲子園には間に合うように作っていきたいと思っています!

「みんなのゲームパレード」から『TELEPORTAL』をダウンロード!

今回ご紹介した『TELEPORTAL』は、開発中ゲームのβ版が集まるサイト「みんなのゲームパレード」にて掲載中!作品を実際に遊んでみたい方は、作品紹介ページ内の「作品をダウンロードする」をクリック!

『TELEPORTAL』作品紹介ページ ▶https://gameparade.creators-guild.com/works/509

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「Seeds by Game Creators Guild」とは

「Seeds by Game Creators Guild」は、ゲームクリエイターの若きスターがここから羽ばたいていくことを支援するためのコミュニティレーベルです。

クリエイターコミュニティである「ゲームクリエイターズギルド」が運営する「みんなのゲームパレード」に掲載されている作品や「ゲームクリエイター甲子園」に応募された作品の中から、特に輝いていたゲームタイトルを応援します。

本レーベルは、パブリッシャーではなくゲームクリエイター支援のためのコミュニティレーベルを基本コンセプトとし、特にコミッションなどをお支払いいただかず、必要な実費のみでご利用いただけます。

未来のある優れた作品がこのレーベルに集まることによって、ユーザーや業界への認知機会を増やし、本レーベルを通してスタジオ設立や、大手パブリッシャーへのステップアップにつながっていくことを目的とします。

Seeds by Game Creators Guild 公式サイト ▶ https://www.creators-guild.com/seeds

「ゲームクリエイター甲子園 2023」開催中!

ゲームクリエイター甲子園は「ゲームクリエイターズギルド」が主催の、ゲーム制作に関わる学生クリエイターのためのゲームコンテストです。

このゲームコンテストの最大の特徴は、“成長型ゲームコンテスト”であること。作品がない状態からでもエントリーが可能で、1年を通して作品をブラッシュアップしながらクリエイター自身の成長を目指します。

制作途中の作品でも応募すればプロのクリエイターからアドバイスがもらえるほか、学生クリエイターコミュニティに参加する仲間たちとの切磋琢磨で刺激を得ることができるのも、このコンテストの魅力の一つ。過去の参加者の中には、企業からオファーを受けて新卒採用に至った方もいらっしゃいます。

「オリジナルのゲームを作ってみたい!」「色んな人に自分の制作物を見てもらいたい!」そんな方は、ぜひご応募ください!

【ゲームクリエイター甲子園 2023 エントリー情報】

エントリー・チーム登録期間:2023年1月30日(月)~10月31日(火)16時59分
作品提出期間       :2023年1月30日(月)~11月7日(火)16時59分

※作品がない状態でのエントリーも可能です。
※一作品につき一回チーム登録が必須となります。個人参加の場合もチーム登録をお願いします。
※運営との連携のためLINE公式アカウントの友だち追加が必須です。

LINE公式アカウントの友だち追加はこちら

【応募資格】

年齢  :小学生以上の学生 ※社会人は応募不可
制作人数:個人・チーム、人数不問
作品数 :無制限
ゲームクリエイター甲子園は作品の完成・未完成問わず参加・展示が可能です

「ゲームクリエイター甲子園 2023」エントリーはこちら

 

ゲームクリエイターズギルドとは
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。ゲームクリエイターズギルド公式サイト ▶ https://game.creators-guild.com/

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