独特の世界観を表現したパズルゲーム
ゲームクリエイター甲子園 2021で総合大賞に輝いたのは、『LUMINO La ruta naturaL』でした。『メビウスの輪』状に空間を繋ぐ、というパズルのアイデアはもちろん、独特の世界観を美しく表現するグラフィックやアニメーションなど、全体的なバランスの良さが高い評価を受けました。
今回はGCG主催の宮田とゲームクリエイター甲子園運営のまこちんがHAL名古屋さんにお邪魔し、制作チーム『てーぶるぱんち』の皆さんに、あらためて受賞を振り返ってもらいました!
学校法人・専門学校 HAL名古屋は、ゲーム・アニメ・ミュージック・IT・カーデザインの幅広い世界をカバーし、コンピュータ…
「どう画面を区切り」「どうメビウス状にループするか」
主人公「ルミノ」は迷子になってしまった光の精霊を探して、自然豊かな5つの世界を巡る冒険に旅立ちます。
画面を「区切る操作」で『メビウスの輪』状に空間を繋ぎ、「空間の端を通る」ことで位置と向きを『反転』する、この2つのアクションで全ての光の精霊を救出しましょう。
「どう画面を区切り」「どうメビウス状にループするか」を試行錯誤する本作は
このゲームにしかない思考要素のアクションパズルとなっています。幻想的で美しい世界観を演出する「グラフィック」、全部で50ステージ遊べる「ボリューム感」。最後まで余すことなくお楽しみください。
『ゲームクリエイター甲子園 2022』は4月から開催予定!
現在ティザーサイトが公開中で、先行エントリーも受付中なので皆さんからのエントリーお待ちしてます。
ティザーサイトはこちらから!
ドリームチームを組みました
──『ゲームクリエイター甲子園 2021』総合大賞の受賞、3Dグラフィック部門賞、さらにはサウンド部門と企画部門で第2位、ユーザー大賞第3位、おめでとうございます。まずは皆さんの自己紹介と、『LUMINO La ruta naturaL』での担当を教えてください。
谷川
ゲームプランナーを担当した谷川海童です。企画立案から進捗管理を行いました。
宇佐美
リードプログラマー兼グラフィックスプログラマーとして開発に携わりました、宇佐美晃之です。グラフィックスに関わる部分と、ゲーム内の特殊な描画の部分をメインで担当しました。
中西
中西香奈水です。ゲームプログラマーとして、主にUIの処理を担当しました。
松野
テクニカルアーティストの松野大河です。シェーダーの制作や、パックの制作などを主に担当しました。
山下
ゲームプログラマーの山下翔大です。ゲーム内の挙動を主に担当しました。他にはシステムなども少し触ったりしました。
掛橋
掛橋なのんです。職種としてはモデラーで、今回は背景モデルのアセットを一部と、各ステージのメインの背景のモデリングを3種類ほど担当しました。
山口
モデラーの山口凱世です。オトモのモデリング、メビウスのギミック、障害物のギミック、スピニング、リギング、アニメーションと、結構いろんなところに手を出させてもらいました。
加藤
デザインリーダーの加藤希咲です。キャラクターデザイン、木と水と土のステージのデザインコンセプトを考えたり、あとはロゴUIなどを担当しました。
木多
木多健太です。火と金のコンセプトアートを担当しました。ほかにはロードのアニメーションなども担当しました。
──このチームができた背景を教えてください。
谷川
学校で10名を選ぶということで、いわゆる『ドリームチーム』を組もうと、2年生の進級コンテストで結果を出した人に声をかけて集めました。技術職的に宇佐美と加藤さんが、どういう組み合わせだったらバランス良くなるかというのを考えて集めてくれたと思います。
『スマブラ』がみんなの距離を近づけてくれた(笑)。
──チーム名の『てーぷるぱんち』にはどんな意味があるんですか?
谷川
チームで考えました!(みんなから指をさされつつ) キレイめな理由だと「机上の空論をぶっ壊す」という意味なんですが、『スマブラ』をみんなでやっている時にエンタテインメントの一種として台パンをした時に盛り上がって(笑)。あとはUnityがよく落ちたので(笑)。
宇佐美
それで台を殴るので、『てーぷるぱんち』です(笑)。
──ではゲームタイトルの『LUMINO La ruta naturaL』はどうやって生まれたのですか?
谷川
光がメインテーマだったので「ルミナス」というラテン語から「ルミノ」というかわいい音を選びました。サブタイトルは木多くんがスペイン語で「自然の道」という意味の「La ruta」を持ってきて、「Natural」と組み合わせて回文になっています。
山口
しっくりくるのが見つかったと思いました。
──回文になっているのに気づいた時は「すごい!」と思いました。
谷川
回文になっているんですけど、意外と気づかれなかったです(笑)。
──制作は授業だけで完結しましたか?
谷川
全然ですね。春休みもなかったし、最後はみんな寝てないです。褒められた作り方はしていません。ただ、ギスギスすることはなかったと思います。面接だといつもチーム内でうまくいかなかったことを聞かれるんですけど、あまりなかったと思っています。
掛橋
『スマブラ』で力関係をはっきりさせていたので(笑)。
谷川
『スマブラ』がみんなの距離を近づけてくれたかな(笑)。
▲視線は一気に谷川さんに集まっていました。
「もっと作りたい」という思いに繋がった
──受賞をした時の気持ちを振り返っていただけますか。
谷川
ずっとみんなで「大賞でしょ」、「いや違うかも」という話をしていて、受賞が決まった時に喜びが爆発した感じでした。月並みな言葉ですけど、うれしかったです。
宇佐美
『日本ゲーム大賞』のときは、優秀賞で終わっちゃって。(なので総合大賞は)最後まで信じられなかったというか。発表されたときはうれしかったです。
中西
言われたときは衝撃で受け止めるのに時間がかかりました。みんなの喜ぶ声を聞いてつられて何も考えずに兎に角喜んだという感じですね。
加藤
デザインをイチから考えてやっていたので、コンテストで認められたのは大きいことだと思います。うれしいです。
山下
もちろんうれしかったですが、賞をいっぱい取ってちょっと怖くなりました(笑)。
松野
ディスコードを通じてやり取りしていて、遅延のせいかもしれないですが、僕が総合大賞と認識する前にみんなが「やったあ!」と騒ぎだして、って感じでした。
木多
「こんなことがあるんだ」って思いました。夢みたいだと思っていたんですけど、Gatherでみんなで踊っているうちに実感が沸いてきました。チームとしてやってきたことが結果になってうれしかったです。
山口
きちんと作品を見てくれて、総合大賞をいただけて、うれしい気持ちがありました。アニメーションも褒められて、ちゃんとやった甲斐があったなと思いました。
掛橋
総合大賞もうれしかったんですけど、モデラーとして3Dグラフィック部門賞を受賞できたうれしさが大きかったです。就活も控えていたので、自分たちが担当した部分を認めていただけたことが自信にもなりました。ゲームの面白さ自体もそうですし、グラフィックも認められたことで、「もっと作りたい」という思いにも繋がりました。うれしさもありつつ、今後も頑張っていこうと思えたのが良かったです。
認知と評価をいただくことに直結しました
──受賞をしたことで、周りからの反響はどうでしたか?
谷川
学校の外でゲームクリエイターと交流する機会があるんですけど、そこで「LUMINOの人だ」とゲームタイトルで見てもらえるのは誇らしい気持ちでした。甲子園の話題はインターンシップでも盛り上がるし、HALの大阪や東京の人とTwitterで話したりと交流できてよかったです。
掛橋
親が喜んでくれました。自分は学校で何をやっているかあまり話さないタイプだったので、結果の記事などを見て親に喜んでもらえてよかったです。
──他のチームの作品を意識することはありましたか?
掛橋
『超将棋』がすごかったですね。あれはびっくりした。
谷川
ユーザー大賞を自分たちも狙っている中で、有名なプロゲーマーの配信でバズって、とんでもない勢いでユーザー大賞を取ったので、「なんだこれは!?」と思いましたね。他にも佳作を取ったチームはずっと気になっていました。
宇佐美
『ころだま物語』とかね。
谷川
『ころだま』はすごい! 総合大賞の時も「ウチかころだまさん」だと思っていました。
──今後の目標を教えてください。
谷川
『てーぷるぱんち』としては目標をクリアしました。各々の就活や新しい賞に向けてチームを作ります。
宇佐美
『ゲームクリエイター甲子園 2021』をきっかけにご連絡をいただくことも多いので、認知と評価をいただくことに直結したと思います。
谷川
魅力的なゲームをたくさん見ることができました。受賞したから感じることかもしれませんが、『ゲームクリエイター甲子園』は就活に直結しやすいと思います。後輩にも「就活に役立つから作品を提出したほうがいい」と勧めています。実際にそれで内定が出たメンバーもいて。
中西
甲子園経由でスカウトがきて、憧れていた人の下で働けることになって、夢がかないました。本当に本当にお世話になりました。
最後に、てーぶるぱんちの皆さんと写真を撮らせていただきました。
▲改めて、総合大賞・3Dグラフィック部門賞おめでとうございました!
『ゲームクリエイター甲子園 2021』は参加人数が約1500人、参加作品数は約700となり、65の企業にスカウト・サポートをいただきました。 表彰結果、クリエイターインタビューをご覧ください。 作品紹介ページから作品をダウンロードして遊[…]
ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約5500人参加しています。(2022年12月現在)
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