こんにちは、人事歴20年、ゲーム業界の現場を出たり入ったりで15年。毛玉です。
皆さま、日々実感されていることと思いますが、ゲーム業界の採用市場は、毎年目まぐるしく変化しています。現場が求める人材像は、市況や技術の進化により常にアップデートされ、他業種との人材獲得競争も激しさを増しています。
そんな中、学生との最初の接点、「インターンシップ」をどう設計するかは、採用成功の鍵を握るテーマのひとつではないでしょうか。
「インターンシップは本当に採用に効果的なのか?」
この問いに向き合いながら、今回はわたしたちゲームクリエイターズギルドが運営する「ゲームクリエイター甲子園」の出場者データや現場の声をもとに、インターンシップの成功事例と課題、そしてゲーム業界に適したインターンシップ設計について、掘り下げていきます!
インターンシップは本当に採用に効果的か?ゲーム業界の成功事例から学ぶ最適な設計
ゲーム業界におけるインターンシップの役割と課題
昨今の新卒採用では、インターンシップが重要な採用手段の一つとなっており、夏のインターンシップをきっかけに早期採用へとつながる流れが加速しています。
企業側は、早期に学生と接点を持ち適性を見極められる一方で、学生にとっても企業文化や業界の実情を体験できる貴重な機会です。しかし、ゲーム業界特有の事情から、インターンシップ実施に際しては以下のような課題がつきまといます。
- 学生に教育が必要で、実務に直結する作業が少なく、デバッグなど補助業務にとどまりがち
- 開発の本番環境を学生に開放できない(守秘義務の観点)
- 長期インターンシップでは育成コストが高く、社員やアルバイトの採用が優先する傾向
このような背景を踏まえると、ゲーム企業がインターンシップを効果的に活用するためには、実務型にこだわりすぎず、自社の目的に合った柔軟な設計が必要です。
インターンシップ経由での採用の傾向
一般的に、インターンシップ経由で内定を獲得した学生は、そうでない学生と比較して承諾率が高い傾向があります。企業理解が深まり、社員との関係性が構築されているため、内定辞退リスクを下げる要因にもなります。
インターンシップを通じた採用のメリットは、以下のとおりです。
- 学生の企業理解が深まり、内定辞退が減少
- 実務体験を通じて、選考プロセスの精度とスピードが向上
- インターンシップ期間中に信頼関係が生まれ、入社後の定着にも効果
- 書類や作品では測れない「実力」や「協働力」の可視化が可能
とくに昨今は、学生がポートフォリオ制作にAIや高度なツールを活用するケースも増えており、見た目のクオリティと実際の実力とのギャップが課題になっています。インターンシップは、そのギャップを補い、実務力を確認できる貴重な手段です。
ゲーム企業におけるインターンシップの失敗例
一方で、期待した効果を得られないインターンシップも存在します。よく見られる失敗例には、次のようなものがあります。
- 内容が企業紹介や雰囲気体験にとどまり、実際の開発を希望する学生の応募意欲醸成につながらない
- インターンシップ終了後のフォローが不十分で、関係が継続しない
- 評価基準があいまいで、現場が評価・判断に困る
これらは、せっかく時間と労力をかけたインターンシップを「つながらない体験」に終わらせてしまう要因です。
社内リソース、計画・準備不足が根本的な問題です。社内事情でなかなか意図したとおりにならないことも多いかと思います。
成功するインターンシップの3つの条件
採用につなげるインターンシップを設計するためには、以下の3点がカギとなります。
- 採用に直結するプログラム設計
- 実務型が難しい場合は、ワークショップ型や企画コンペ型などで業務の一端を体験させる
例えば、プランナー職はゲーム企画立案、エンジニア職は簡易プロト開発などを行います。これらのプログラム設計が難しい場合は、作品添削・フィードバック会などを行うのも良いでしょう。
- 実務型が難しい場合は、ワークショップ型や企画コンペ型などで業務の一端を体験させる
- スカウトと連携した導線の設計
- インターンシップ中に評価ポイントを整理し、選考への移行フローを明確にしておく
- 終了後も継続的に連絡を取り、関係性を維持する
- 評価基準の明確化と社内共有
- 「どのスキル・態度をどう評価するか」を事前に整理し、誰でも同様に伝えるられるように準備。参加学生へのフィードバックにも活かす
説明会での説明より、自社の採用基準を学生に明確に理解してもらえるチャンスです。
- 「どのスキル・態度をどう評価するか」を事前に整理し、誰でも同様に伝えるられるように準備。参加学生へのフィードバックにも活かす
これらを前提にプログラム設計・母集団形成を意識してみてください。
27卒向けインターンシップのトレンドと活用方法
2027年卒をターゲットとした採用を考えるなら、2025年中に始動するインターンシップ企画が大きな意味を持ちます。ゲーム業界では、以下のトレンドが顕著です。
- 短期集中型インターンシップの需要拡大(1日〜1週間で成果・評価が可能)
- 実務型が難しい場合の代替として、ワークショップ・コンテスト形式の導入が増加
特に、後者の学生が作品を展示し、企業が直接マッチングできるような外部イベントに参加することで、実力確認・スカウト双方に有効です。自社でのインターンシップ実施が工数などの面から難しいようでしたら、これらを活用した採用戦略を検討されてはいかがでしょうか。
まとめ
インターンシップは、採用活動において非常に有効な施策である一方、ゲーム業界ならではの設計上の配慮が不可欠です。
- 実務にこだわらず、自社の目的に合った設計をする
- ワークショップ型やイベント活用で接点を作る
- 終了後のスカウト・評価導線を明確にする
- AI時代の「作品評価」課題に対応する実務確認の場とする
27卒採用に向け、今からできる準備のひとつとして、ぜひインターンシップ活用を検討してみてください!
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- 学生との接点が作りやすい
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- 採用ターゲットとなる母集団
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