DQウォークが面白いと思える、UXの3つのポイント【その1】

本記事はクリエイター向けUXを学び合うコミュニティ「ものづくり UX Lab」に掲載しているものをまとめた記事となります。UXについての意見交換などは⇩のコミュニティで!

こんにちは。ものづくりUX Lab を主催する株式会社B.C.Membersの西田です。
普段は企業や業界の方々にUX設計のレクチャーを行ったり協力をしたり、ものづくりUX Labや、ものづくりUX SCHOOLでUX設計の講師をしたりしています。

先日、9月12日にドラゴンクエストウォーク(以下、DQウォーク)がリリースされました!
リリース直後から大盛り上がりで、Twitter上でも社内でもその話題で持ちきりです。
早速もう300万ダウンロード、セールスランキング1位なんかも達成しており、
世間のDQウォークへの注目度を物語っていますね…!

私自身も、リリースされた週の土日はほぼDQウォークに費やしました。(笑)
最初は、「せっかくこんなに話題だし、DQも好きだし、ちょっとやってみよう」位の気持ちで始めたのですが、気づいたらドハマリしていました…!
上野ー秋葉原間を1日で何往復もするくらいです…(笑)

DQウォークが何故こんなにも面白いのか、ハマってしまうのかを、
今回もUXの観点からできる限りわかりやすく紐解いていければと思います!

「ものづくり UX Lab」コミュニティのコンセプトに倣い、ゲームクリエイターを目指す方などをはじめ、クリエイティブに取り組む方々に少しでも役立つことができれば幸いです!
そして一人でも多くの方々とものづくりにおけるUXについて語り合えれば最高です!

なお、記事内でのUXという言葉の意味は、以下の「ものづくりUX Lab」での定義を元に使っております。

ものづくりUX Lab -UXの定義-
ユーザーが体験し、認識したこと。その経験そのもの。

<ドラクエ の せかい の なか に いる!>

ゲームを始めてみて、まず思ったのが「すごい!ドラクエの世界の中にいる!」でした。
画面に出てくるマップの色味やオブジェクトなどが、まんまドラクエなんですよね!

上野公園なんか行くと、森のオブジェクトの中を歩く感じになっていたりして、
敵との遭遇率が上がるんじゃないかな、とか考えて歩いていました。(笑)
(本家ドラクエだと、森は敵との遭遇率が高めに設定されています。)

これ、実は同じジャンルのポケモンGOでは、「世界の中にいる」感覚って薄めに感じるですよね。ポケモンGOは、ポケモンを捕まえることにかなり主眼が置かれていて、UIやインタラクション、マップなどはかなりシンプルめにデザインされています。

ポケモンGOがあれだけ成功したんだから、「DQウォークも同じように重要な部分以外はシンプルにした方が、ライト層にも受け入れられるんじゃないのかな?」という発想で、UX設計をしてしまいそうなものですが、実際にDQウォークは、世界観をすべてドラゴンクエストに寄せております。

これはなぜなのでしょうか。
UX設計の観点から考えてみました。

「単なる差別化なのではないか?」
「同じにしたら面白くないよ!」

と最初は考えたのですが、
「いやいや待て待て、差別化にはなにか必ず目的があるはずだ」
とすぐに思い直しました。
何の目的もなく差別化なんかしないはず、なんなら今回のユーザー層はゲームルールが同じポケモンGOと被る部分が大きいはずだから、差別化することにはデメリットもある。
ドラクエのキャラを使っているんだから、差別化点としてはそれだけで十分じゃないのか。
いろいろな観点から思いを巡らしました。

…うーん…
……
………そうか!「理想」が違うんだ!

ポケモンを捕まえること

ポケモンGOは、「ポケモンを捕まえること」に主眼が置かれているということは先に話しました。そしてUXを考えるときには私は必ず「体験」と「認識」に分解をして考えています。
ポケモンGOを対象に整理すると以下のようになります。

ポケモンGO
体験ポケモンを捕まえる


認識ポケモンを捕まえて、集めるゲームである

最近だと、集めた後のエンドコンテンツ要素として、バトルやレイドが実装されていますが、ポケモンGOはやはりゲームとしては「捕まえて集めるゲーム」ですよね。

ゲームの主人公になること

じゃあ、DQウォークは?

DQウォークは、自分が主人公になって、敵と戦って強くなり、世界の人々を助けていくというゲームになっています。その過程で仲間が増えて、4人(+1匹)で冒険を続けていくという事が目的です。

…おや?
自分が主人公…ポケモンGOのときには、「自分が主人公」ってイメージ、なかったんですよね。もちろん、自分の分身ではありますが、「主人公」という言葉のイメージはありませんでした。

そうか、DQウォークは「自分が物語の主人公」になっているんだ!

つまり、DQウォークを「体験」と「認識」に分解して考えていくと、

DQウォーク
体験物語の主人公になる


認識自分が、ドラゴンクエストの主人公になるゲームである

となります!
なるほど!だから、

「ぼくたちは ドラクエ の せかい の なか に いるんだ !」

(※この記事はスクウェア・エニックスさんとは何の関係も御座いません笑)

次回は『ウォーク モード で ドラクエせかい を ウォーキング!』
つづく…!

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