学校ブース特集!特色溢れる各校の校風やカリキュラム、学生たちの制作ゲームを一挙にご紹介!
2025年1月19日、浅草橋ヒューリックホール&カンファレンスにて、ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会が実施されました。
作品展示会には「学校ブース」にてゲームを専攻に扱う専門学校や大学も出展。本記事では、「学校ブース」にて出展する全ての学校を取材。それぞれの学校がもつ特色と、学生たちによる出展作品を紹介します。
アーツカレッジヨコハマ
アーツカレッジヨコハマは、横浜に拠点を置く、情報処理教育で40年以上の歴史を持つ専門学校。3年制の「ゲームクリエイター学科」が設置されており、教育の特色として、1学年あたり約100名、1学科は30名程度という少人数制が採用されています。学生の「作りたいもの」を尊重し、マンツーマンに近い指導体制で教員が丁寧にフィードバックを行う体制が敷かれていること。また学内独自の会社説明会を開催し、学生と企業を直接つなぐ機会を提供しているそうです。
学生が開発したアクションゲームの一例として、タイミングよくガードを決めて敵を倒す「ジャストガード」の要素を取り入れた作品が展示。少人数指導の強みを活かし、ゲーム開発を行う上でどうしても生じるエラーを、教員と学生が一丸となり改善した取り組みが作品からは反映されていました。
東京国際工科専門職大学
2020年に設立された東京国際工科専門職大学は、実践力を重視した教育カリキュラムを提供する新しい教育機関。全体の授業時間の3分の1以上が実技や実習に割かれており、学生は実際の職場環境を模したトレーニングを通じてゲーム制作が経験できます。実習は年間600時間におよび、学んだ知識を即座に現場で応用する力を養うことができます。英語教育も4年間を通じて行われ、留学機会の提供など、国際舞台での活躍を視野に入れた人材育成にも力を入れている大学とのことです。
ブースには『メタバース岐阜城』が出展。学生制作の作品となっており、『Fortnite』ゲーム内に岐阜城が再現され、城内を歩き回りながら的当てなどのミニゲームを遊ぶことができます。NHKアートなどとの産学連携教育の中で制作された本作は、大学の強みである企業との繋がりを、学生のゲーム開発に活用した大きな事例となっています。
東京コミュニケーションアート専門学校
東京コミュニケーションアート専門学校は、学生の「夢を叶えること」を目標に、1988年の開校以来、現役プロのクリエイターが指導する実践的な教育がなされています。講師陣にはディズニー映画や『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などの制作に携わった著名クリエイターが在籍しているほか、Epic Gamesと提携し、Unreal Engineについて専門的に学べる環境が用意されています。また、企業から提供される実践課題へ取り組むことで、学生が社会での即戦力となる能力を養うことも可能。加えて専攻外の授業も受講可能なダブルメジャー制度を採用しており、多様なキャリア形成も支援。特に自動車デザインでは、国内外トップメーカーと提携し、高い実績を誇ります。夢を叶えるために、幅広い分野を学ぶことができる柔軟な教育体制が特徴です。
ブースには、洋風要素を織り交ぜた着物を着た、ユニークな3Dモデルのキャラクターが展示。制作した学生によると、ゲーム内での踊りや戦闘時にしっかりと動き映えが出るように帯のシルエットなどのグラフィック調整に力を入れたとのこと。また、学内で習得したモデリング技術を活用し、入学前から好きだったキャラクターデザインをより多様な形で表現できるようになったとのことです。
日本電子専門学校
日本電子専門学校は、実践的なゲーム制作の経験を重視した教育カリキュラムが特徴です。業界経験豊富な講師陣が実際の職場で使用する企画書や仕様書を教材として活用し、現場で求められるスキルを重点的に指導する体制をとっています。就職をゴールとするのではなく、卒業後、それぞれの舞台で学生が活躍する力を養うことに重点を置いた専門学校となっています。
ブースには『Reflection』という、ヴァンパイアの世界を舞台に、敵の攻撃を魔法で跳ね返して戦うアクションゲームが展示。反射のタイミングや操作の工夫が重要な作品となっています。学生からは、カリキュラム内にてゲーム制作を行うことで、限られた時間でチームをまとめ、プロジェクトを遂行する力が身についたとのことでした。
総合学園ヒューマンアカデミー
総合学園ヒューマンアカデミー ゲームカレッジでは、2年間で約10本のゲームを制作する実践的なカリキュラムが提供されています。現役の業界関係者を講師に招く関係もあり、土曜日や休暇期間にも授業や制作活動が行われるため、学びの機会が豊富となっています。
さらに、150社以上が参加する就職イベント「GAME JOB CONNECT」を通じて、学生は自分たちの作品を企業関係者に直接アピールすることも可能。
またブースでは『スライムフュージョン』という2体のスライムを同時に操作し、壁や障害物を乗り越えながらステージ内のゴールを目指すパズルゲームが出展。出展した学生は、エンジニアとして本ゲームに携わっていたとのこと。カリキュラム内での制作を経て、同期の学生から指示を受けつつ、より高い完成度のゲームを作るという一人では得がたい経験が得られたとのことでした。
日本工学院専門学校
日本工学院専門学校では、ゲーム制作の基礎から応用までを徹底的に学べるカリキュラムが組まれています。特にゲームプログラマーコースでは、UnityやUnreal Engineといったエンジンのみならず、より初心者でも扱いやすいエンジンを利用したゲーム開発も可能となっており、ゲームの仕組みの全体像やゲームの面白さについて、早い時期から学習できる環境が整っています。また、チーム制作の頻度も多く、短期間でPDCAサイクルを回す経験を積むことで、失敗や成功を繰り返しながら成長できる点が魅力とのことです。
ブースでは、カリキュラムにて4ヶ月で制作されたアクションゲーム『反転機 シグルロード』が展示。逃げながらチャンスを作る「反撃ゲージ」システムが採用され、戦略性とスリルを兼ね備えた内容となっています。学生によると、制作過程では、教員からの企画の承認を得るために何度も修正を重ねる中で、チームでのコミュニケーション能力や制作能力が向上したとのことです。
東京工科大学
東京工科大学では、学生が主体となり、ゲーム制作から展示までを一貫して行う実践教育が行われています。3年次には、すべてのチームが「東京ゲームショウ」に出展することが決まっており、ゲーム開発だけでなく、パンフレットの制作や機材の管理など、展示運営に関する業務も学生が担当。これにより、ゲーム開発に留まらない多方面で活躍できる力を養うことができる校風となっています。
ブースには、2Dと3Dを切り替えるパズルゲーム『Dimention-square』が出展。プレイヤーは次元を切り替えることで、行き止まりを突破してステージをクリアしていきます。開発の苦労として、2Dと3Dの座標管理と同期が課題となり、多くの試行錯誤を繰り返したものの、教員からのフィードバックやチーム内での協力によって、完成度を徐々に高めていくことができたとのことです。
京都コンピュータ学院
京都コンピュータ学院 デジタルゲーム学系では、アートやコンピュータサイエンス、エンジニアなどの様々な学系と協力して、ゲーム制作に限らない、多様な制作活動を行えることが特色とのこと。また例年、京都のBitSummitでは、スタッフとして毎年学生を派遣しているとのことで、制作したゲームの出展という形だけに留まらない、現場での体験からの学びを重要視しているそうです。
ブースには『億万島じゃ!!』という、6分間でどこまで資産を増やせるかを競う「お金稼ぎ」がテーマのゲームが出展。地面を掘って資源を入手し、売却益で道具や建物を強化しながら、総資産を増やしていく作品となっています。プレイヤーに「お金を稼ぐ快感」を視覚的・体験的に届けることを目指した作品となっているとのこと。開発を行った学生は、授業だからこそ得られる、屈託のないフィードバックが操作性の改善やゲーム性の向上を図る上で、非常に活きたと語っています。
東京工芸大学
東京工芸大学芸術学部のゲーム学科は、企画・デザイン・プログラミングの3つのコースに細分化された教育カリキュラムが提供されています。授業では「ゲームはなぜ面白いのか」という理論を共通のカリキュラムとして学んだ上で、それぞれのコースにて具体的なデザインやプログラミングの技術を学ぶことができます。チーム制作では、各コースにて専門的に学んだ学生が協力し、実践的なスキルを磨くことができます。
ブースには重力変化を活用したアクションパズルゲーム『VECTA BOT』が展示。企画、デザイン、プログラムコースのそれぞれの学生が協力をし、1年間の授業を通して、企画から完成まで取り組んだとのこと。学生によると、一般のプレイヤーなら気にしないようなマップ内の隙間にわざとアイテムを落としても問題がないかなどといった、プロの講師による独特の視点での確認やフィードバックが制作の上で大変参考になったとのことでした。
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