ゲームクリエイター甲子園2024出展ゲームを深掘り!学生ゲーム開発者インタビュー
「ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会」が間もなく開幕します。本イベントには、全国の学生クリエイターが制作した独創的なゲーム作品が集結します。そこで、イベント前に出展作品をピックアップし、その魅力や制作秘話を紹介する特別インタビューをお届けします!この記事を読めば、イベント当日をより楽しむための予習ができるはずです。
今回は特別編と称しましてU-18 の作品たちにフォーカスし、「ながら勇者」「Rule Tiles」「DEPTH DIARY」「Kyube」「エジプトのこおり屋さん」を手掛けたチームにインタビューを実施。作品の特徴や開発の裏話について深掘りしました。ぜひご覧ください!
ゲームにもタイパが求められる時代です『ながら勇者』
【作品紹介】
・作品概要 このゲームは、WindowsPCの画面下部のみで動作し、他の作業と並行し てプレイすることができるようになっています。ゲームの背景は透過されて おり、他ウィンドウはそのまま操作することができます。 他ウィンドウの操作中も、ゲームは常時キー入力やマウスクリックなどの 操作を受け付けており、他の作業をする際に起動することで同時にキャラク ターが成長していきます。このゲームに、ストーリーやクリア、ゴールはありません。育成したキャ ラクターを使ってハイスコアを目指す、やり込みモードも用意しています。
──自己紹介をお願いします。
渡辺:渡辺です。スコアアタック作成&統合を担当しています。
菱沼:菱沼です。育成モードの制作と、一部のキャラクターデザインを担当しました。
矢島:デザインを担当しました、矢島です。
長谷川:長谷川と申します。UIデザインとプログラムをちょこっとやりました。
──ゲームの制作期間はどれくらいですか。
渡辺:デスクトップ上の下部で動作する、他の作業と並行して遊べる「ながらゲーム」です。制作期間は約6か月です。
──制作過程で特にこだわったポイントや工夫した点はなんですか。
渡辺:背景透過&Raw Inputの二つの技術を合わせて安定した動作を実現させることを目指しました。
──制作中に苦労したこと、どう乗り越えたか教えてください。
渡辺:今まで使用したことのない技術を多く使用したので、バグが多く、その修正に苦労しました。チームで相談し、修正方法などを模索し、乗り切りました。
──このゲーム制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
渡辺:オブジェクトの管理方法、わかりやすいソースコードを意識することです。
菱沼:作り続ける根性がつきました。
矢島:協調性の大切さを学びました。
長谷川:任せられたものを確実にこなす能力が鍛えられました。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
渡辺:「これがしたい」を必ず実現する幅広い知識と技術です。
菱沼:アイデア力です、これを考えたので。
矢島:特にありません。
長谷川:動画編集です!
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
渡辺:大規模ゲーム開発に挑戦してみたいです。
菱沼:このゲームの機能を、別の作品に応用してみたいです。
矢島:AIエージェントを用いたゲームの開発をしてみたいです。
長谷川:界隈をドッと沸かせるようなゲームを作りたいです。
──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
渡辺:他の作業をしながらゲームができるというポイントをぜひ見てください。
ルールを推測するところから謎解きは始まっている、、、 『Rule Tiles』
【作品紹介】
ルールを推理しながらゴールを目指す謎解きゲームです。 あらかじめ行動を入力して、行動を実行します。行動中は何が起きているかわからないので行動前と後の前後だけを見てルールを推理しましょう。全15ステージです。 謎解きやパズルが好きな人は是非遊んで見てください!
──自己紹介をお願いします。
みじん:みじんです。
──制作期間はどれくらいですか。
みじん:手をつけ始めてから完成まで大体2週間程度で完成しました。
──制作過程で特にこだわったポイントを教えてください。
みじん:色にこだわって制作を進めました。
──制作中に苦労したことを教えてください。
みじん:後からシステムを変更することを考えず作っていたので、仕様を全体で変更するとき何度も心が折れかけました。気合いで乗り越えました。
──このゲーム制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
みじん:コードを書くのが上手くなりました。元々ほとんど書けなかったので結構上達しました。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
みじん:自分の下手な部分を露呈させないことです。
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
みじん:絵を描けるようになりたいです。また、ゲーム制作関連の友達が欲しなと思っています。
──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
みじん:ステージの形にデザイン性を持たせてるので、注目して見てみて欲しいです。詰まっても何度も諦めず試行してみれば気付くこともできると思いますし、解けたら気持ちいいと思うのでがんばって解いてくれたら嬉しいです。
“BURST”で突き進む爽快感『DEPTH DIARY』
【作品紹介】
ゲームの概要は、地下の世界を探索するというアドベンチャーゲームです。ターゲットは、簡単操作のため老若男女誰でもです。コンセプトは、ビジュアルに統一感を持たせました。こだわりポイントは、直感で操作できるところや、キャラデザです。
──自己紹介をお願いします。
ヨウキン:ヨウキンです。プログラミング、ドット絵、構成を務めています。
──制作期間はどれくらいですか。
ヨウキン:2Dアクションゲームです。ジョイスティックと”BURST”ボタンで簡単操作で、敵を倒したり、壁を壊したりして進んでいくゲームです。制作期間は10ヶ月ほどです。
──制作過程で特にこだわったポイントを教えてください。
ヨウキン:拘ったポイントは操作感とグラフィックです。操作感はいかに簡単に遊ぶことができるかをこだわり、その結果2つの操作だけにしました。2つの操作だけですが、敵を倒すことと壁を壊すことができ、敵を倒すとバースト回復することから、連続で敵を倒す続けるなど難易度高めのプレイもすることができます。グラフィックは、紫色がベースで、統一感が出るよう、敵や当たってはいけない場所、壊れる壁の色を決めました。
──制作中に苦労したこと、どう乗り越えたか教えてください。
ヨウキン:制作中に苦労したことは、2つあります。1つ目はドット絵のデザインです。初めてドットを絵を描いたので、色を使いすぎてしまったりなど、ゲームに統一感を持たせるのが大変でした。そこでドット絵ゲームやプロのイラストを参考にし、色を6色に絞り統一感を持たせました。2つ目は、スマホゲームにした点です。スマホゲームの制作は2回目でしたが、今回はスマホのアスペクト比の調整や、ドット絵にしたことで知らないことがたくさんあり、苦労しました。インターネットで、知らないことを調べることで乗り越えました。
──この制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
ヨウキン:「諦めない」ことです。スマホのタッチ操作や、アスペクト比の調整などで、インターネットで調べてもなかなか情報が出ないことがありました。何度も試行錯誤し、諦めずにできたからこそゲームが完成したと思います。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
ヨウキン:やり遂げる力です。私は企画から完成まで全て1 人で行いました。過去にゲーム制作で挫折した経験もありますが、今回のゲームは完成まで持っていくことができました。
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
ヨウキン:今後はストーリーのあるゲームを作ってみたいと思っています。目標は多くの人に遊んでもらえるスマホゲームを作ることです。
──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
ヨウキン:グラフィックの統一感や、簡単な操作感を見てもらいたいです。
ゆっくり考えたい、無機質なあったかいパズル『Kyube』
【作品紹介】
kyubeは転がりながら自分の面を展開図のように広げていき、最後の面が着いたマスに移動していきます。どう広げていくか、手順が違うだけで着けるはずのマスにも行けなくなっちゃいます。 そして、マスはマスでも動くのも存在します。それは自分勝手に動いたりしません。決まった道だけを移動しているのですが、プレイヤー自身がそのどこで止めるかを決定できます。動くマスが複数個ある場合はそれらは連動し、同時に動きます。 なので「どのタイミングで止めたらゴールまでの道ができるのか」というのを考えなくてはなりません。 ランダムにステージを生成してくれるので、常に新しいステージにチャレンジすることもできます。なにより、好きな合間にちょっとだけ遊ぶということにもピッタリです。 ステージは10個ほどあります。そしてクリアしていくごとにKyube、いや画面上に ある変化 が訪れます。 特に壮大なクライマックスがあるわけではないですが、サウンドやグラフィック含め、みなさんに寄り添える作品を作ればなと思い、制作しました。 ぜひ遊んでみてください。
──自己紹介をお願いします。
JIJI:JIJIです。
──制作期間はどれくらいですか。
JIJI:「kyube」は転がりながら自身を展開図のように広げていき、最後の面が着いたマスに移動していきます。各ステージでは、マスは片手で数えれるくらいしかないですが、正しい道筋、正しい転がし方で行かないと、kyubeはゴールまで辿り着けません。また、マスはマスでも動くのがあります。詳しくはぜひ遊んでみてください。
ゲームの構想を練り終わり、作り始めたのは2023/12/20でした。現段階でも改善しなければならない部分はたくさんあります。具体的に言えば、実機での操作感や、動かすキャラであるkyubeがどれほどの指で隠れたりするか、などなどです。それは、プラスαではなく、ゲーム性そのものですが、ゲーム構想段階ではあまり考えられていなかったところでもありました。
──制作過程で特にこだわったポイントを教えてください。
JIJI:ステージのランダムな生成の実装には特に苦労したし、こだわりました。プレイヤーが1つのステージに対して、何を求めているのかを考えつつ、「ランダム」がどれほどまでに極端で良いのか、といったようなバランスを考えるのはとても楽しく面倒で、これに明らかな答えがあるわけもなく、迷いながらプログラムを書いてました。
また、ゲーム画面は途切れのないように作りました。画面が一度も、大きな切り替えを挟まず、すべてに繋がりがあるようにしました。逆に言ってしまえば、あまり画面に変わり映えのない作品となってしまったとも思っています。
──制作中に苦労したことを教えてください。
JIJI:ゲーム性の観点からいわゆるクォータービューのような視点にしようと思っていました。ですのでその実装とスワイプによる視点移動の実装にも手間がかかりました。クォータービューの視点移動における横移動、縦移動が3次元にいるカメラの座標移動にどのように影響するかを分けて考え、問題をよりシンプルに捉えました。とは言っても、思い通りに行かなかったことがほとんどで結局は気合いでした。パワーでした。論理的な気合いが、何より僕を支えてくれました。もう1つ挙げるとするとならば、やっぱりステージのランダムな生成には苦労しました。ゲームへの理解がとにかく必要でした。パズルゲームなので主に原理への理解と、プレイヤーが何を求めているかへの理解が必要でした。恥ずかしながら僕自身、自分の作ろうとしていたゲームを本当に理解したのは、ランダム生成の実装後です。それまでに作ってきた機能に対しては、遠回りで面倒なことをしていたなと感じることが多々あります。
──このゲーム制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
JIJI:「kyube」は一年程前にアイデアとして書き起こし作り始めました。(ちなみに当初は open久兵衛という名前でした。)そして一度もゲーム性や全体の構造には変更を加えておらず、最後まで自分のゲームを信じ切れた点で成長したなと感じました。またグラフィックにも意味を込めてアイデアとして書き残してはいましたが、映えないのでそういった点では次頑張りたいです。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
JIJI:ゲームの企画においての着眼点です。他の参加者の方々を唸らせるような、そのくらいの着眼点を持っています。私は持っています。そう思っています。
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
JIJI:これまで学生というのを言い訳に自分の作品の荒い所には目を瞑ってきました。しかしこれからはもっと学んで持っているものは育んで、無理なら周りに頼って一緒に作って、バックグラウンドなんて関係なく自分にとっても価値のある作品を作っていきたいです。
──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
JIJI:画面の中は、無機質だけど温かく、そして寄り添う作品として出来上がったと思います。ぜひ遊んでみてください。
陰と神の力でエジプトを救う頭脳ゲーム『エジプトのこおり屋さん』
【作品紹介】
・ゲームの概要 このゲームでは太陽の力が強くなりすぎてしまった砂漠を救うために砂漠の中で氷を届けます。氷は太陽の光に当たると溶けてしまいます。影を移動して氷を運びましょう。 ステージはやりたいところからやることが可能!さらに、エジプトの神々の力を借りることで、普段なら運べないステージでも運ぶことができるようになります。
──自己紹介をお願いします。
haru_:haru_、です、制作全てを担当しました。
──ゲームの制作期間はどれくらいですか。
haru_:このゲームは砂漠の中でこおりを運ぶ3Dパズルゲームです。太陽の光に当たると氷は溶けてしまうので、影の上を運んでいきます。神々の力を使うことで太陽の位置を変えたり壁を増やしたりすることができます。制作期間は4カ月くらいです。
──制作過程で特にこだわったポイントや工夫した点はなんですか。
haru_:砂漠の暑さを表現するために陽炎を作りました。作品をみてみるとわかるのですが、ゆらゆらと地面が揺れています。
──このゲーム制作を通じて自分自身が成長した点はどんなところでしょうか。
haru_:計画をたてて作れるようになったことと、他の人の意見を取り入れて作れたことです。
──他の参加者に「これだけは負けない」と思うご自身の強みを教えてください。
haru_:好きなことはとことんやれることです。逆に嫌いなことは全然やりません!
──今後、挑戦してみたいことや目指している目標はなんですか。
haru_:実際にゲームを売ってみたいと思っています!
──1月19日の作品展示会で特に見てほしいポイントやアピールがあれば教えてください。
haru_:神々の力を使ってどのように氷を届けることができるのかぜひ作品展示会でみてほしいです!
「ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会」に行こう!
「ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会」では、他にも個性豊かな学生作品が多数出展されます。当日はぜひ実際に作品を体験し、学生クリエイターたちの熱意と創造性に触れてみてください!
次回のインタビューでは、また別の注目作品と開発チームのストーリーをご紹介します。引き続きお楽しみに!
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ゲームクリエイターをはじめとしたゲームに関わる/関わりたい人たちが、プロ・アマチュア/学生・社会人/企業間など、あらゆる垣根を越え「学び合い」「語り合い」「教え合う」ゲームクリエイターのための拠点(ギルド)です。
※現役ゲームクリエイターやゲーム企業を目指す学生が約7600人参加(2023年12月現在)
スキルや知識を学びゲームクリエイターとして成長・活躍し続けたい、同じ業界にいる仲間と市場の動向や技術についてなどの交流したい、日本のゲーム業界・職業自体の価値を上げ今より良い環境を作っていきたい……。そんなゲームを愛する人たちの未来に、必要な情報や機会を提供します。
ゲームクリエイターズギルド公式サイト ▶ https://game.creators-guild.com/